※この記事は有料note2016年3月~5月号に掲載されたものです。

人生というのは「どんな目標を持つか」で、大きく変わってくると思う。


私は、以前から「目標2倍の法則」を習慣にしてきた。それは営業時代の経験に基づくのだけれど、与えられた数値の2倍を自分の目標と設定し、計画し、行動するというシンプルなものだ。すると、与えられた目標は驚くほどすんなり達成、常に「達成できる営業マン」として評価される。ゆえに、仕事が非常にやりやすくなる。

また、そもそも大きく目標をたてるので、行動も大胆になったり、より効率的に動こうとしたり、アイディアも湧きやすく、革命も起こりやすい。いいこと尽くめ。逆に120%くらいの目標でやろうとすると、「ちょっと我慢して頑張る」「早起きしてこなす」という忍耐モードになりがち、顔色も悪くなったり、楽しくない上、新しい発想はわかない。

私は一度きりの人生を最高に生きたいと思う。

だから、目標設定は重要だと思うのだが、そこで、最近、気づいたすばらしい目標の立て方、それは、

「前人未到目標を立てる」ということ。つまり、人が挑戦したことない目標を立てる。


ただ、それだけなんだけど、それを成し遂げたらある意味、記録に刻まれるはずで、永遠に語り継がれて、メリットも大きい。やり甲斐も半端ない。
なぜそう思ったかというと、実は2つの経験に基づく。

一つ目は、新人研修の経験。私はリクルートに入社した。新入社員研修での「名刺獲得キャンペーン」(1週間に名刺を何枚集められるかの新人の競争)というものがあり、目標設定で、同期で一位になるばかりではなく、歴代の新人の中で1位になることを数値目標に置いた。5日間だ。だから1日100枚は集めないといけないとわかった。

そこから逆算して、8時間で割り、1時間20枚以上とるんだ。3分に1枚。だから「数」(訪問数)×「質」(もらえる確率)を計算して行動計画を立てた。たくさんのビルを回り、ユニークなチラシを作り、絶対に2人に一人はもらえるように。または1社からできるだけ多くの人に協力してもらうという裏技も編み出した。それこそ必死にやった。

確かに大変だったし、二度とやりたくない。でも、たった1週間の努力が「すごい新人」とか、いまでも「営業力のある人」という武勇伝みたいになって、のちのちずっとありがたい。記録ってすごいんだという体験。

もう一つは、「当時最年少女性社長で上場」というありがたい記録だ。

私は、26歳から起業していて、数年経って、そこそこ結果が出ても、なかなか認めてもらえず、スタンダードに評価いただけない。いつまでもじわじわした悔しい思いをしていたし、社員は誰しもが働いていることに楽しさだけではなく、安心感と誇りを感じる会社にしたかったか。だから、妊娠を機に「そうだ、上場しよう」と決めた。上場できる会社にすれば、すべてが達成できる気がした(他にもいろんな要因があったが)そう目標設定してから人生が変わった。その結果、会社も経営者としてもぐんと進化したし、育児と仕事の両立もできたと思う。(本当は鐘をつく時、将来、育児支援をやることを見越していたし、妊婦で上場したかったが、いろいろと事情もあり、夫婦の見解の一致は見られなかったのでそうはならなかったが。)

目標をもし逆算したら、日本には400万社あり、そのうち上場企業は4000社未満。そのうち女性社長の数は24人。そんな風にボトムから、計算していったら気の遠くなるような目標数値で諦めたかもしれないけど、

でも、すべてがうまくいくには「上場しかない」とはわかっていた。そうと決めたら早い。では、「出来るだけ早く上場しよう」「そうだな、3年以内にしよう」。そんな目標設定のおかげで、上場を決めてから7年弱かかったけど上場できた(2倍の法則かもしれないw)

もちろん、その過程に置いては地獄のような経験をしたし、何度も逃げ出したくなったけど、その経験が素晴らしい経験であり、実績であったことは間違いがない。あの日あの目標を立てなかったらどうなっていただろうと思うと怖い。

だから、『前人未到目標を考える』くらいが、いいんじゃないか。オンリーワンの人生を望む人には、ちょうどいいんじゃないかと思う。

そう、改めて思ったのは、今度女子高生社長から女子大生社長になった、椎木里佳社長と対談が決まったのだが、彼女は「2020年に21歳。そのときに、株式上場もして、結婚もして、出産もしたい」と語っていた記事を読んだ。

まさに前人未到。世界でも類を見ないだろう。

万が一それが出来なかったとしても、そのイメージで猛烈に仕事したらかなりのスピードで成長が出来るはずだ。

私も、次の目標は前人未到がいいと思って、いろいろと妄想しながら、立てている。そうすると、仕事のやる気も人生のやる気も高まる。壮大な目標を持つと、目の前のちょっと嫌なこともとっても些細に見える、小さな努力は鼻歌を歌いながら出来る。我慢よりやり甲斐が大きい。長期的な計画なので、生き方もぶれない。

目標を立てるのは自由だ。みんなで、大胆に、そして、自由に生きよう。