第7回「わたしの母ものがたり」は、モンテッソーリ教師あきえさんのストーリーをお届けします。幼稚園教師を経て、出産を機にモンテッソーリ教育の資格を取得。現在はSNSフォロワー数9万人を突破するなど、様々なメディアの発信に注目が集まっています。子供が自分で自立する方法や自尊心を育む方法、ご自身の娘さんへの関わり方など、まさに子育て世帯必見の考えを綴ってくださいました!
子供が自分で選択できる環境作り
ビジョンは「子供が尊重される社会」を作ること!
ここに導いてくれたのが、モンテッソーリ教育との出会いでした。
それは子供主体であること、大人は子供の力を信じていること、また自己教育力を助けていくのが大人の役割であること、これが大前提にあります。
つまり、大人に言われたことを子供が受け身としてやるのではなく、子供自身がやりたいことを自ら選んで実行する、そしてそれを叶えるために大人が手助けするという方針です。
例えば「書く」のが好きなお子さんには、いつでも書ける環境を大人が用意するということです。「書きたい」という思いが叶う環境があれば、子供はどんどん書くことを覚えていきます。
モンテッソーリ教育は、子供の自立を助けるという考え方なので、大人の役割は子供が欲している環境を用意し、子どもの発達を導いていくということを大切にしています。
失敗してもいい、見守る子育ての大切さ
我が家では、娘が1人歩きできるようになる頃から、娘の活動スペースだけでなく、家でも生活環境において娘が自己選択できる環境を整えています。そして、基本的に手出し口出しをせず、見守るというのが我が家流です。
例えば、お洋服は1歳ぐらいから自分で選べるような娘仕様の収納にしたり、家事も1歳ぐらいから一緒にやっています。
発達のために「やりたい」といったことは尊重しているので、バターナイフのような手が切れないナイフでバナナを切るという経験を経て、包丁も1歳半になる頃には用意しました
ただ、通常のキッチンは大人仕様になっているので、娘の「やりたい」を叶えるために娘用のステップ台と、子供サイズの調理器具を揃えました。
実際に大人と同じように野菜を切ったりするのですが、ポイントは子供が失敗しても、助けを求めてこない限りは最後まで見守ることです。でもこれが案外難しい。
例えば、初めてキュウリを調理する時は、「キュウリをピーラーで皮むきし、切る」というのをまずゆっくりやってみせ、その後実践してもらいます。
その過程で上手くピーラーが使えなくても、大人と同じような形に切れなくても、失敗こそがその後の意欲や学び、子どもの「できた」に繋がるチャンスになります。
「そうじゃないよ」「こうやって」と助言したくもなるし、つい手伝ってしまいたくなりますが、そこは我慢。大人が手を差し伸べた方が早いのはわかっていますが、自分でどうしたら思った形に切れるか何度もチャレンジするのを応援するだけです。
そうやってできたものが、結果失敗作になっても「子供なりのできた」を認めて一緒に美味しくいただきます。
大人が手を差し伸べなくても、どんなに小さな子供でも「やりたい」というエネルギーがあれば自分の力で成し遂げていくんですよね。本当に子供の力ってすごい!
子供が自分の力で自立していくことを助ける
見守ることは、子供が自分の力で自立していくことに繋がります。
どんなに我が子が可愛くても、結局自立するのは子供本人です。もし仕事で部下にスキルアップをしてもらいたいと思って、いくら上司が頑張っても本人が頑張らないと叶いませんよね。それと同じこと。
成長するということは本人しかできないことで、外部の人間はそれを助けることしかできません。
だからこそ、大人ができることは子供の持ってる力を信じ、環境を整えながらいつでも応援することなんです。
それが子供の自己肯定感、粘り強さ、自己効力感に繋がり「自分はこんなに尊重されてるんだ」という自尊感情を育むことができるんです。
子供の自尊感情を大事にしたい
実は、娘はイヤイヤ期がとても激しかったんです。
特に歩きたい願望が強かったので、保育園の帰りは私が自転車を引きながら、娘と手をつないで歩いて帰ることもありました。
そんなある日、大きな横断歩道を渡っている途中で突然手を離して危険な方へ向かおうとしたので、「危ないからそっちは行ってはいけないよ」と止めたら、ものすごく怒って。
ひとまず娘の意志は置いといて、一旦安全な場所まで連れていったんですが、娘としては思い通りにならなかった上に納得しないまま連れて行かれたので、ものすごく怒っていました。
落ち着くまで待ったり、説得したり、思いを聞いたりしましたが機嫌は一向になおらず、何度も立ち止まりながら必死に家にたどり着く、そんな日々でした。
ですが、こんな日々でも長期の目線が大事だということを心に留めるようにしていました。なぜなら、目先の「今どうするか」というより、「今の関わりが子供にどう影響与えるのか」そのことに目を向けるだけで冷静になれたからです。
例え、どんなにその場を早く引き上げなくてはならなくても、「もういい加減にしてよ、いつまで泣いてるの」と言われるのと「そうか、気持ちわかったよ」と言って抱き上げられるのでは、子どもの受け取り方や捉え方が全然違うと思うんですよね。
早く帰って夕飯の支度をしなくてはならないのに、保育園の帰り道に大通りで泣きじゃくられたら、もちろん大人だって辛いもの。ですが、それを大人の解釈で片付けてしまっては、子供の自尊心は行き場をなくしてしまいます。
納得がいくまで話し合う時間が取れなくても、状況を説明して子供の気持ちを受け入れる。
それだけでも子供の自尊心は育まれます。わかっていないようで、自分の主張が尊重されているかどうかを子供自身はとってもよくわかっているんですよね。
子育ては大変な時もありますが、大人も学ぶことがたくさんあると思っています。どんな時も子供の気持ちになって一度立ち止まってみてはいかがでしょうか?
前編はここまで。
後編は「子供を信じる原点」や「息詰まらない子育てに大切なこと」といった親自身のケアについてもお伝えしていきたいと思います!
▶︎後編の記事はこちら
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モンテッソーリ教育が教えてくれた「信じる」子育て(すばる舎)
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