第8回「わたしの母ものがたり」は9万人のフォロワーがいる人気教師あきえさんによる後編のエピソードをお届けします。子供の自立や自尊心の育み方を綴って下さった前編につづき、後編では「子供を信じる原点」や「息詰まらない子育てに大切なこと」として親御様自身のケア方法について語っていただきました!
子供を信じる力を持つ大切さ
親子の関係を考えた時に、大人という立場の責任感から上下関係のように捉えてしまうことはありませんか?
親というのは当たり前ですが、子供より多く生きているので、知識や経験もあります。
だからこそ、親の立場から子供を見たときに「産んであげた」「育ててあげた」「養ってあげた」という考えをしがちです。
しかし、これだと「親」や「大人」というフィルターを通して子供を見ているので、対等な立場ではありません。
実は、対等な立場で子供を見ることが「子供を信じる」ことであり、のちの親子関係を左右する大きなポイントになってきます。
モンテッソーリ教育では、マクロの世界で物事を捉えるという考え方があります。
親子の関係に当てはめると、長い人類や地球の歴史に目を向けたときに、親と子供の差は米粒のようなものです。そう考えると、親というのは子供より特別偉い存在でもないですし、少し先に生まれた先輩のようなものだという捉え方ができます。
つまり、親子というのは上下関係や支配関係下にあるものではなく、一人の人格ある人間として対等であるという風に言えますよね。
それに加え、未来を変えていくのは子供たちだからこそ、子供そのものが希望に満ち溢れた存在です。そんな子供に対する尊敬や謙虚な気持ちを持つことで、親は子供を無条件に「信じる」ことができるんです。
尊重する関わり方を忘れないで欲しい
そうやって子供を信じることができれば、上から目線で子供を叱りつけたり、注意ばかりの日々から解放されることができます。
例えば、全然片付けをしない子供にイライラして「片付けてって毎日言ってるのに、どうして片付けられないの?」と叱り飛ばすセリフ。お子さんに言った経験はないでしょうか?
でもこのセリフ、子供じゃなく仕事仲間や同僚だったとしたら同じように言えるでしょうか?大半の人が、きっと仕事仲間や同僚に叱り飛ばす言い方はしないですよね。なぜなら人間関係を悪くしたくないし、尊重している相手だからです。
つまり「相手が大人だったら言えるかどうか」ということが子供に対する言動の線引きになります。
そして、幼い頃の子供は大人にどんな理不尽な言葉をかけられようと、イライラをぶつけられようと、変わらぬ愛で両親に接するでしょう。
しかし、子供が成長すれば「あの時、親に理不尽な言葉を言われたな」と気づくでしょうし、まだ人格を作ってる時期の子供が「自分って理不尽な扱いを受けるような人間なんだ」と刷り込まれてしまう恐れもあります。
長期で親子関係を考えた時に、子供に理不尽な態度をとるよりも、尊重して対等な立場で接することは、大人にも子供にとっても大事なことなんです。
また、子供に求めることが大人もできているか、ということも大切なポイントです。
いくら片付けなさいと言っても、大人がお手本を見せられなければ説得力に欠けますよね。
「お友達に優しくしなさい」と言いながら大人が子供にぶっきらぼうな態度であれば、子供がお友達に優しく接するのは難しいでしょう。大人が子供を尊重して優しく接していれば、自ずと子供も相手に優しく接することができます。大人がきちんと相手を尊重して接する姿を子供に見せることが一番の教育なんです。
育児は育自、親の成長にも繋がるもの
子供を尊重することは、親の忍耐力や自制心を育むことにも繋がります。
「早くしなさい」「手伝ってあげようか」というのは簡単ですが、それを言わずに手出し口出ししないでひたすら見守っていると、「私ってこんなに待てないんだ、こんなにイライラするんだ」ということに気づくんです。まさに、自分の弱いところに向き合うということです。
「育児は育自」とも言いますが、そうやって子供と関わることで今まで気づかなかった新たな自分を知ることができ、子供と一緒に成長できる素晴らしさを味わうことができます。
でも、自制心、忍耐力を育むことは、自分自身に余白がないと難しいことだとも実感しています。
その余白については、マインド面と物理面の両方があると思っています。
まずマインド面では、子育ては長期戦であることを念頭に、自分も成長できるという喜び、今後実現していきたいポジティブな未来を描くことを大切にしています。
また、物理面では生活環境にも気をつけています。
人というのは環境に影響を受けやすいので、家が散らかっていると情報量が多く、頭が混乱してしまいます。そのためにも生活スペースを整理して気持ちよく過ごすようにしています。
毎日100点じゃなくていい、「手放す」ことが大事
もう1つ大事にしていることは「いかに手放すか」ということです。
なぜなら、全てを一人で抱え込むと「余白」を作ることができないからです。
私の場合は、「自分にしかできないこと」しかしないと決めています。
例えば、「ママがいい」という我が子に応えるのは自分しかできませんが、家事は誰でもできますよね。そのため家事をアウトソース化して手放しています
「手放す」ことや「自分を許す」ことは余白作りにはとても大切な考え方です。
だからこそ「子育てや家事は6割できてればOK!」で良いと思うんですよね。
私はよく「毎日100点じゃなくて良い」と言うのですが、「〜せねば、〜でなくてはならない」という考えは自分を苦しめるものだとさえ思います。
頑張りすぎて自分を追い込むのではなく、「自分以外でもできること」は上手に手放して余白を作ること。それによって大人に余裕が生まれ、子供を尊重しながら一緒に成長できるのではないかと私は感じていま<す。
「子供を信じる力」を持つことは、子供の自尊心を育むことであり、見守る力を大人が養いながら親子で成長していく子育てに繋がります。まずは頑張り過ぎず、子供と対等な目線で接することから心がけてみてくださいね。
わたしの母ものがたりvol.7
子供の自立と自尊心を育むモンテッソーリ教育【前編】
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