連載「お受験母さんレポート」第2回目。フルタイムの共働きを続けながら、小学校受験体験をブログで発信している「お受験母さん」に、小学校受験のメリットとデメリットを実感値を交えながら紹介していただきます。

『共働きだと、小学校受験は無理』私も2年前までは同じことを思っていた、共働きフルタイム家庭のママです。2度の産休育休を経て、息子と娘を0歳から保育園へ通わせ、ひたすら時間に追われる毎日。そんな私が、小学校受験を体験して感じたことをお話します。(from「お受験母さん」)


小学校受験は何のためにするのか


小学校受験
小学校で過ごす6年間は、子どもにとって、心も体も大きく成長する大切な時期だと思います。そんな小学校だからこそ、子どもにはより良い環境で、質の高い教育を受けさせたいと思う親御さんも多いのではないでしょうか。その選択肢の一つとして「小学校受験」があると思います。
そこで今回は、長男の小学校受験を体験し、現在は長女の受験準備中の当事者から見た、小学校受験のメリット・デメリットについてお話ししたいと思います。

小学校受験のメリット


私なりに考える小学校受験のメリットをまとめてみました。大きく分けると4つあるように思います。

【メリット1】恵まれた人間関係の中で6年間を過ごせる


小学校受験をする家庭は、子どもの教育に高い関心があり、教育熱心な方が多いです。子どもの教育に対し、比較的似た考えを持つ家庭が集まることで、子ども同士も人間関係を築きやすく、安定した人間関係で毎日を過ごせる傾向にあるように感じます。

【メリット2】特色ある質の高い教育を受けられる


私立小学校の場合、低学年から教科担任制になっていたり、ICT教育や英語教育に力を入れているといった特色がある学校もあります。また、学習進度が早い、学校施設が充実しているなど、公立小学校にはない質の高い教育を受けられることは、私立小学校の利点です。

【メリット3】エスカレーター式で内部進学ができる


私立小学校に入学すると、付属の中学校・高校・大学への内部進学ができる可能性があります。一定の成績をおさめているなど、条件があり、全員が内部進学できるわけではありませんが、外部から受験して進学するよりも、ハードルは低くなる傾向にあります。

【メリット4】勉強以外のことにもじっくり取り組める


内部進学ができる場合、中学・高校・大学進学のタイミングで、ハードな受験勉強に追われることがなくなります。そのため、スポーツや音楽など、勉強以外のことも、無理をすることなく続けられます。

小学校受験のデメリット


小学校受験のデメリット
小学校受験はメリットもある反面、デメリットも存在します。実感したデメリットをいくつか紹介します。

【デメリット1】受験にかかる費用が大きい


小学校受験のために、ほとんどの家庭が幼児教室に通います。普段の授業料だけではなく、模試、学校別特訓、季節講習、絵画や体操などの特別講習などにも費用が発生してきます。
志望する学校によっては、複数の教室を掛け持ちしたり、家庭教師をつける場合もあります。
また、受験する学校が複数になればなるほど、受験料もかかります。子どもだけではなく、親も受験用の洋服や靴、カバンなどが必要となるため、その費用も考えておかなければなりません。

【デメリット2】子ども、親ともに時間の負担が大きい


幼児教室のホームワークや復習など、毎日の勉強が必要となります。また、小学校受験の項目は多岐にわたるため、ペーパーだけではなく、絵画や工作、運動などの対策も必要です。このような対策には、親のどちらかが子どもに付きっきりになるため、子どもだけではなく、親の時間的な負担も大きくなります。

【デメリット3】子どもが勉強にネガティブになる可能性がある


わが子を合格させてあげたいと思うからこそ、時に子どもへ厳しい言葉をかけてしまうこともあります。毎日取り組む勉強の時間に厳しい言葉をかけられると、子ども自身が「勉強=怒られる」というネガティブなイメージを持ってしまう可能性もぬぐえません。

【デメリット4】入学後の費用が高額になる


私立小学校の場合、入学金や学費、施設費などがかかります。また、制服や学用品にかかる費用、学校によっては寄付金が必要な場合もあります。小学校6年間で必要な費用に家計が対応していけるかは、事前におさえておきたいところです。

小学校受験を始める前に家族で話しておいた方がよいこと


メリットデメリットそれぞれある小学校受験ですが、一度親が始めることにすると、受験のその日まで家族で走りきることになります。その前に家族で話し合っておいた方がよいことをまとめました。

●なぜ「小学校受験」なのか?


「受験」と一言でいっても、様々な「受験」があります。その中で「なぜ小学校受験をするのか?」「小学校受験を選択する大きな理由は何なのか?」を家族で事前に話しておいた方がよいです。

わが家の子どもの当初の受験計画は、小学校は公立で中学校受験をさせ、いずれは大学受験という予定でした。居住地周辺が、中学校受験率が高いことが大きな理由だったのかもしれません。
しかし、実際の選択肢は、小学校受験でした。結果として中学受験を回避したという状況です。

そして私自身は、中学受験の経験者です。小学校6年生の時は、正に勉強一色!の生活。勉強を嫌だと思ったことはありませんでしたが、幼少期から続けていた習い事をやめなければいけなかったこと、慢性的な寝不足が辛かったことなどの記憶があります。実りある中学受験生活ではありましたが、同じことを子どもにさせたいかと聞かれたら、答えに迷ってしまう自分がいました。そんな私の迷いがあったので、どの段階で子どもに受験をさせたいのかについて、家族で話し合いを重ねました。

家族の中で子どもの受験方針を固めておけば、受験生活で悩んだ時や上手くいかないときに、家族でサポートし合えます。それぞれの受験には、それぞれの大変さがありますので、家庭で教育方針や子どもの性格などを考えて、いつどの受験に挑戦するのか決めておく方がよいですね。

●経済面についての確認


私立小学校へ入学した場合は、実際のところかなりの学費がかかります。小学校から私立に進学し、家計が逼迫しないか?小学校は公立へ進学し、中学受験に費用をかけるのか?どの受験に挑むかによって、受験にかかる費用や学費のかかる年数が異なります。子どもを私立小学校へ進学させた後の、家計状況を事前に確認しておくことは必須です。

●小学校受験に関するスケジュール調整


小学校受験をすると決めた後には、受験のためのスケジュールがどんどん入ってきます。子どもの幼児教室の送迎から始まり、説明会への出席、志望校の説明会や体験授業・行事などへの参加、幼児教室の模試や特訓などなど……。ハードスケジュールに、家族でスケジュール調整できるかがとても大切になってきます。
小学校受験をすると決めたものの、親のどちらかだけに負担がかかるようであれば、揉める原因にもなりかねません。せっかく家族で小学校受験という選択をしたのであれば、事前に夫婦間でスケジュール調整について話し合いしておくことをおすすめします。

●小学校受験の合否はゴールではない


子どもも親も、家族みんなで頑張ったけれど、満足のいく結果を得られない場合もあります。複数校受験するのであれば、第1志望以外の学校でも進学するのか?それとも、公立に進学するのか?事前に話し合っておいた方がよいですね。
わが家の長男は第1志望の1校のみ受験しました。ありがたいことに、ご縁はいただきましたが、もし結果が残念だった場合は、公立小学校へ進学すると決めていました。そのため長男には、もし残念な結果になった場合は、公立小学校へ進学することを、タイミングを見ながら何度か説明していました。

現在、長女の小学校受験に奮闘している最中ですが、長女も第1志望の1校に照準を合わせています。(長男が通う小学校とは別の小学校です。)もし結果が残念な場合は、長男のときと同じように公立小学校への進学を決めていますが…長女自身が、どうしても志望校へ進学したいという強い意思を持っているので、結果が残念だったときの、声のかけ方には注意したいところです。
小学校受験の合格がゴールではなく、あくまでも子どもの人生の通過点であることを、家族で理解しておくことは大切です。

実際に小学校受験を体験して感じた利点


家族会議
共働きでの小学校受験は、とても大変ではありましたが、取り組んでよかったと本当に思います。何がよかったのか?実感したことは3点あります。

「家族で子育てについて真剣に考えられた」


共働きだと、毎日時間に追われて、目の前のことをこなすことで、精いっぱいではありませんか?わが家は正にそのような状態でした。毎日があっという間に過ぎていき、「子育て」についてじっくり何かを考えることも正直ありませんでした。
ですが、「小学校受験」という選択肢をした後には、「子育て」について様々な観点から家族の考えをまとめるタイミングが、どんどんやってきます。
特に、学校選択のときと、面接対策では、家族の考えをまとめなければなりません。受験がなければ、子育てについて、ここまでじっくりと深く、考えることはなかっただろうと思います。小学校受験が「親の受験」といわれるのは、こういう面があるのかなと思います。

「子どもの可能性を実感できた」


小学校受験は、勉強だけではなく、絵画、製作、運動など、項目が多岐にわたります。
長男の場合、初めはほとんど何もできませんでしたが、驚くほどに能力が伸びました。私が実感したことは、親子でコツコツ取り組めば、子どもはいつかのタイミングで急に伸びるということです。
大人から見れば、「できるのかな?」「ちょっと難しすぎるから、まだできないのでは?」ということでも、子どもは突然できるようになります。子ども自身も、小学校受験の取り組みの中で、できなかったことができるようになったという体験を繰り返したことは、自信になったのではないかと思います。

「子どもと一緒に頑張るという体験ができた」


小学校受験は本人がまだ5〜6歳なので、親のどちらかが付きっきりで受験対策に取り組みます。実際、親はかなりの時間を捻出しなければなりませんし、大変でもあります。ですが、勉強にしても、絵画・製作にしても、運動にしても、「合格」という一つの目標に向かって、子どもと一緒に頑張れる時間は、とても貴重な時間でした。
長男は小学校受験から2年以上たっていますが、自分自身が、何をどう頑張っていたかの記憶は鮮明です。私自身も、小学校受験がなければ、子どもと一緒に何かを頑張れる時間の大切さを、実感しないままだったのかなと思うと、受験してよかったと思います。

小学校受験のためのシッターを探す

小学校受験をするなら「家族での役割分担」が大切


「小学校受験」を選択した場合のメリット・デメリットをご紹介しましたが、私自身が小学校受験を選択した中で、最も大切だと思ったことをお話ししたいと思います。

それは、「家族での役割分担」です。
小学校受験を乗り切るためには、「合格」という目標に向かって、家族一丸で取り組んでいくことが大切だと思います。とはいえ、小学校受験に取り組む中で、やはりママの主導力はとても大きいです。ですが、共働きの家庭では、ママに任せるだけでは目標は達成できません。
パパや祖父母、実家が遠方ならベビーシッターさんなどと役割分担をすることで、ママの負担を減らす工夫が必要です。例えば、幼児教室へのお迎えはママでも、送りはシッターさん、学校説明会などの情報収集はパパなど……。
ママがなるべく笑顔で、子どもを励まし、褒めながら、受験生活に取り組むことは、子どもが受験を乗り切るためにも必要なことだと思います。そのためには、やはり家族や周囲の人との役割分担が必須です。

そして、小学校受験に家族でどう取り組んできたかは、いずれ、志望校の面接時等に聞かれることになると思います。なので、面接対策としても、家族での役割分担は必要になってきますね。
振り返ってみれば、短い受験生活なのかもしれません。「やってよかった!」と思える小学校受験にするためにも、家族やサポートをお願いできる人と分担しながら、乗り越えていきたいですね。

小学校受験のためのシッターを探す

■監修ライター:「お受験母さん」
小学一年生の心優しきマイペース息子と、保育園年中の正義感あふれるおてんば娘の母。夫婦でフルタイムの共働き家庭。息子は小学校受験を経て、私立小学校へ入学。現在、娘の小学校受験に向けて奮闘中。
●ブログ「さくら咲く~お受験に合格いたしました~」
https://ojuken-goukaku-sakurasaku.com
●Twitter 「お受験母さん」@ojuken_kasan



キッズラインでは「小学校受験」をサポートできるベビーシッターも在籍


小学校受験の子
ベビーシッターのマッチングプラットフォームであるキッズラインでは、小学校受験をサポートするベビーシッターも在籍しています。幼児教室への送迎の他、小学校受験の指導経験があるシッターなら、お絵描きや工作などの学習サポート、面接の練習を依頼できることも。「共働きで実家も遠いから、小学校受験は難しい」という方は、キッズラインで小学校受験をサポートしてくれるベビーシッターを探してみてはいかがでしょうか。
また親が在宅の場合にサポート可能な「家庭教師」も活動しています。小学校受験のサポートができる家庭教師は、以下のURLから検索してみてください。
家庭教師を探す▶ https://kidsline.me/tutor

▼あわせて読みたい

【小学校受験】家庭で取り組みたい!学習・マナー・面接対策とは?
「小学校受験、共働きでもできる?」先輩ママが体験して学んだこと【お受験母さんreport1】

▼記事一覧に戻る

KIDSLINE編集記事一覧

▼TOPページに戻る

KIDSLINE TOPページ
フルタイムでサポートを頼む