連載「お受験母さんレポート」第4回目。子どもの小学校受験体験をブログで発信している「お受験母さん」に、共働きでの小学校受験のスケジュールについて、詳しく教えていただきます。
「『共働きだと、小学校受験は無理』私も2年前までは同じことを思っていた、共働きフルタイム家庭のママです。今回は、私が経験した小学校受験のスケジュールの中で、どんな取り組みをしたのか、その中でも特に大事だと感じた時期についても詳しくお話します」(fromお受験母さん)
小学校受験のスケジュールとは?
今回は、小学校受験のスケジュールを、以下の5つに分けて、ご紹介していきます。それぞれの時期に、「どんなことをしたのか?」「子どもはどんな様子だったのか?」「親が悩んだこと」を詳しくご紹介したいと思います。
【1】塾を検討する時期
【2】受験勉強の期間
【3】入試直前期
【4】入試時期と合格発表
【5】入学準備時期(合格から入学式まで)
【1】塾を検討する時期はいつ?
小学校受験の塾は、「新年中」「新年長」というくくりで、子どものクラス分けをされる塾が多いのではないでしょうか。
「新年中」は「子どもが年少の夏・秋頃から」、「新年長」は「子どもが年中の夏・秋頃から」を指します。地域によって小学校受験の時期が異なるため、塾のクラス編成の時期も、地域によって異なります。志望する学校や家庭の方針によりますが、
「新年中」から塾通いをされるご家庭が多いように感じます。
もちろん、「新年長」から塾を検討しても、遅すぎることはないと思います。子どもが通う塾を見ていても、「新年長」や「年長」から塾通いを始めた方も、いらっしゃいます。
とは言え、
共働きの場合は、やはり「スケジュールに余裕を持たせること」が一番の課題になってくるため、早めに塾を検討されるのがよいと思います。
私の経験上では、子どもが年少になったときに塾を検討し、見学や体験をしておくのがおすすめです。そうすることで、スケジュールに余裕を持って、受験を進められるからです。小学校受験の塾はたくさんあるので、複数の塾へ見学・体験することで、ご家庭のスケジュールや、子どもの性格に合った塾を見つけたいですね。
【2】受験勉強の期間はどのくらい?
塾通いが始まると、必然的に受験勉強が始まります。入試時期は地域や国立・私立志望によって異なるので、受験勉強の期間も、ご家庭によってさまざまとなります。
多くの場合、
子どもが年長の夏頃(8月頃)から冬(1月頃)にかけて入試が実施されます。
「新年中」から受験勉強を始めた場合は、約2年間、「新年長」から受験勉強を始めた場合は、約1年間の受験勉強期間になります。
受験勉強とは言え、「新年中」で、受験勉強をスタートさせた場合、まずは基礎の基礎からのスタートになります。最初は受験勉強というより、「机に向かい、先生のお話をしっかり聞く練習をする」というイメージですね。10までの簡単な数を数えたり、「〇△▢」の書き方、運筆練習などが主です。
わが家の長女の場合も、まずは毎日机に向かう習慣作りから始めました。最初は、子どもも慣れないため、嫌がったり、集中できなかったりの繰り返しです。最初は10分、そこから15分、20分、25分、30分……と徐々に時間を延ばしていく感じです。
少しずつでも毎日取り組むことで、そのうちに机に向かう習慣が身に付いてきます。
私の中では
本格的に「小学校受験の受験勉強」が始まるのは、子どもが年長になってからというイメージです。「新年長」ではなく、年長の4月からです。その頃には、しっかりと受験勉強に取り組んでいかなければなりません。
入試本番に向けて、子どもの集中力や能力を伸ばしていくためにも、受験勉強を始めた頃は、できるだけ子どもに楽しく取り組ませることが大切です。「できた!」という達成感を、子どもが持つことで、勉強へのやる気も出てきます。
受験勉強に対して、ネガティブなイメージを子どもに持たせないように、親としては気を付けたいところです。
【3】入試直前期はどう過ごす?
入試直前期といっても、小学校受験に初めて取り組む場合は、いつ頃なのかイメージしにくいかもしれません。
「入試直前期」とは、だいたい「入試の約1ヶ月前から」と考えていただくとよいと思います。この時期は、新しい分野の勉強をするというよりは、「今までやってきたことを、忘れないように取り組む」という時期になります。
入試直前期で、特に大切だと感じたことは2つあります。
1つ目は、
「子どもの体調管理・ケガに気を付ける」ことです。体調を崩してしまうと、今までのリズムも崩れ、毎日の取り組みができなくなります。
体調管理は、子どもだけではなく、親自身にも当てはまります。お母さんがスケジュールを主導して子どもの勉強を見ている場合、お母さんがダウンしてしまうと、受験への影響が大きくなってしまいます。
この時期は特に家族全員で、「よく食べてよく寝る」。当たり前のことかもしれませんが、これがとても大切なことだと思います。共働きだと、入試直前期でも保育園を休ませるわけにもいきません。病気やケガには十分に気を付けて、日常生活を送るようにしたいですね。
2つ目は、
「子どもに自信を持たせること」です。
入試直前期は、親の方が焦りや不安を感じてしまいがちになります。過度な親の焦りや不安は、子どもに伝わってしまいます。今まで子どもと取り組んできたことを信じて、ネガティブな言葉は子どもに言わないことが大切です。
入試本番で子どもが自信を持って、能力を発揮することが最大の目標。そのために、とにかくほめて、入試当日まで子どもの心の安定を図ってあげたいところです。
わが家は現在、長女がそろそろ入試直前期にさしかかっています。
「大丈夫!」「できなくても気にしない!切り替えよう!」など、ポジティブな言葉をかけると、やはり長女は笑顔になります。本番まで、親子ともに笑顔で駆け抜けていきたいですよね。
【4】入試時期と合格発表時期の心構え
受ける学校によって受験の時期の長さもさまざまです。1校のみ受験する場合でも、面接日と入試日とは別で設定される小学校が多いので、
少なくとも「入試時期」は数週間から1ヶ月は継続することになります。複数校受験される場合は、数週間から数ヶ月、入試時期は続きます。日によっては入試日が連続することもあるでしょう。
この時期の子どもの実力は、ご家庭で納得のいく状態まですでに辿り着いていると思います。そのため、勉強を詰め込むことはせず、受験日の後は少し休憩することも大切ではないでしょうか。
入試本番の長男は、親が拍子抜けするくらいに「いつも通り」でした。親の方は不安が押し寄せてきて、緊張していました。後から考えると、子どもはいつも通りでいてくれた方が安心です。
このときに大切なことは、
入試後にどんな問題が出て、どんな回答をしたかなど、子どもに根掘り葉掘り聞かないことです。試験の出来は小学校側が判断することなので、合格発表までは試験が無事終わったことに安堵しながら、待つことをおすすめします。
私立を併願として受験し、国立を第1志望として受けるご家庭は、入試時期が長くなりますので、切り替える力は、なおさら大切だと感じます。ママパパ自身が、なかなか上手く気持ちを切り替えられないときは、パートナーや塾の先生など相談できる人に気持ちを話すのもよいと思います。
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【5】入学準備期の過ごし方
入試が終わり合格発表が出ると、日常が戻ってきます。この時期に大切なことは、
「小学校受験で身に付けた、毎日の学習週間を継続させること」です。
入学式を迎えるまでは、1年生になるための勉強をしているご家庭が多いのではないでしょうか。「ひらがな」「カタカナ」「数字」の書き方練習や、数の数え方、簡単な足し算などです。小学校受験の勉強内容は、小学校の先取り学習ではないので、この時期を生かして入学後に備えるのがよいと思います。
ただし、受験で入る小学校は丁寧な指導が期待できるので、この時期に焦る必要はないのかなと思います。
長男のときは、合格後の新1年生対象の集まりで、「こんなこともできないと1年生になれないよという言葉は、子どもにかけないようにしましょう」と、小学校から指導がありました。
「受験勉強中は、『これができないと合格できないよ』、合格したら『これができないと1年生になれないよ』は、あまりにも子どもに酷です」という小学校からのお声がけでした。入学前に、子どもにプレッシャーをかけすぎないよう、気をつけたいところですね。
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小学校受験で特に大事な時期
小学校受験を経験してみた感想としては、小学校受験で特に大事な時期は
「新年長から入試本番までの約1年間」です。その期間中は大体以下の3ステップの時期に分けて考えるとよいと感じました。これから小学校受験に取り組む方は、ぜひ参考にしてみていただければと思います。
●新年長~年長の時期は基礎固め
子どもが「新年長」になる時、「あと約1年で入試本番か……。」と、親は構えがちです。ですが、子どもはまだまだ成長途中。その後に新しい分野の勉強もたくさん出てきますし、絵画や製作、運動でも、取り組んだことのないことに挑戦していく段階です。
この時期は、
勉強を含め、全てにおいて基礎をしっかりとかためていく時期だと感じます。
基礎がないと、年長以降に出てくる応用問題への取り組みに活かすことが、少し大変になってきます。「新年長から年長」の時期は、基礎を親子で継続して学習していくのが大切ですね。
●年長~夏にかけては仕上げの時期
子どもが「年長」になる4月からは、勉強内容を含め、絵画、製作、運動など、全てにおいて、身に付けた基礎力を使いながら、応用に取り組んでいきます。
「年長」の4月から夏にかけては、勉強を含め、絵画・製作・運動も仕上げていくという形になります。この時期には、すでに毎日の学習習慣が身に付いている状態のご家庭が、多いように感じました。
●夏の間に伸ばせるだけ伸ばして本番へ
年長の夏期講習の時期には、応用力を伸ばせるところまで伸ばしていくというイメージです。年長の夏頃には、初見の問題が出たとしても、今までの経験を活かして、子どもは果敢に挑戦し、解いていくようになります。「新年長」の頃には、なかなか理解できなかった、少し苦手な分野の問題にも、理解力がついてきます。
夏期講習が終わると、早い学校では9月から入試本番が始まります。夏の疲れで体調を崩さないように十分に注意しながら、子どもの可能性を信じて、落ち着いて当日を迎えましょう。
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キッズラインでは「小学校受験」をサポートできるベビーシッターも在籍
ベビーシッターのマッチングプラットフォームであるキッズラインでは、小学校受験をサポートするベビーシッターも在籍しています。幼児教室への送迎の他、小学校受験の指導経験があるシッターなら、お絵描きや工作などの学習サポート、面接の練習を依頼できることも。「共働きで実家も遠いから、小学校受験は難しい」という方は、キッズラインで小学校受験をサポートしてくれるベビーシッターを探してみてはいかがでしょうか。
また親が在宅の場合にサポート可能な「家庭教師」も活動しています。小学校受験のサポートができる家庭教師は、以下のURLから検索してみてください。
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https://kidsline.me/tutor
■監修ライター:「お受験母さん」
小学二年生の心優しきマイペース息子と、保育園年長の正義感あふれるおてんば娘の母。夫婦でフルタイムの共働き家庭。息子は小学校受験を経て、私立小学校へ入学。現在、娘の小学校受験に向けて奮闘中。
●ブログ「さくら咲く~お受験に合格いたしました~」
https://ojuken-goukaku-sakurasaku.com
●Twitter 「お受験母さん」@ojuken_kasan
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