連載「お受験母さんレポート」第7回目。子どもの小学校受験体験をブログで発信している「お受験母さん」に、共働き家庭における勉強時間について、詳しく教えていただきます。
「『共働きだと、小学校受験は無理』私も2年前までは同じことを思っていた、共働きフルタイム家庭のママです。2度の産休育休を経て、息子と娘を0歳から保育園へ通わせ、ひたすら時間に追われる毎日。そんなわが家が、どのように小学校受験に取り組んだのかをお話します。」(fromお受験母さん)
わが家の小学校受験における勉強時間
新年中(4歳)の頃から受験勉強を始めた長女の1年間の勉強時間は、以下の通りです。年齢別の勉強時間をご紹介します。わが家の一例としてご覧いただければ幸いです。
●新年中(4歳)の勉強時間
塾での学習:約96時間(毎週2時間を12ヶ月)
自宅学習: 約182時間(毎日30分を12ヶ月)
合計:約278時間
●新年長(5歳)の勉強時間
塾での学習:約53時間(毎週2時間40分を5ヶ月)
自宅学習:・約113時間(毎日45分を5ヶ月)
合計:約166時間
● 年長(6歳)の勉強時間
塾での通常授業:約72時間(毎週3時間を6ヶ月)
塾での特別授業:約23時間(お絵描き・製作・巧緻性特訓など)
自宅でのペーパー学習:約180時間〜270時間(毎日1時間〜1時間30分を6ヶ月)
自宅でのお絵描き・折り紙・工作など:約75時間(毎日25分を6ヶ月)
合計:約350時間〜440時間
「4歳半から6歳までの約1年半における勉強時間の合計は、およそ800〜900時間です。ただし、この時間配分はあくまでわが家のケースにすぎません。
実際の学習計画は、お子さんの特性、家庭の状況、志望校の難易度に応じて調整することをおすすめします。
年長児における小学校受験対策の平日勉強時間
ここからは、特に受験直前の年長児(6歳)の勉強時間に焦点を当てて詳しくご紹介します。この時期は受験準備が本格化し、より綿密な時間管理が必要となるためです。
共働き家庭にとって、受験を控えた年長児の平日の勉強時間確保は最大の課題です。ここでは、わが家で行った工夫をご紹介します。
基本的な勉強時間は、ペーパー学習に1時間〜1時間30分、お絵描き、折り紙、製作などに約25分を充てました。受験間近ではない時期は朝7時から保育園へ登園し、基本的には帰宅後に勉強を行いました。
受験1ヶ月前には、朝の登園前に1時間の勉強時間を追加しました。帰宅後はお絵描きや製作活動に専念し、親の勤務時間を調整して、より密な学習サポートを行いました。
しかし、この受験直前期のスケジュールは短期集中型の特別対応であることに注意が必要です。長期的な継続は難しいため、通常期は無理のないスケジュールを組むことが大切です。また、
子どもの疲労度や集中力を常に観察し、柔軟に調整しましょう。学習以外の遊びや家族との時間も確保し、バランスの取れた生活リズムの維持を心がけました。
年長児における小学校受験対策の休日勉強時間
休日は幼稚園がなく時間的な余裕があるため、平日と比べると心にもゆとりが持てます。だからこそ、時間の使い方が重要です。 長女のケースを土日別にご紹介します。
●土曜日の勉強時間
土曜日は、主に塾で学習し、特にお絵描き特訓などを含めると、約4時間を塾で過ごしました。
親として気をつけたのが子どものケアです。塾で集中して勉強しやすいように、塾へ行くまでは、とにかくゆっくり、ゆったり過ごしてもらっていました。本番1ヶ月前からは、塾から帰って少し復習することもありましたが、15分程度にとどめました。
●日曜日と祝日の勉強時間
年長児の時、日曜日や祝日は時々塾に通いました。
自宅学習の場合は、平日と基本的には同じスケジュールで行いました。ペーパー学習の時間は約1時間から1時間30分で、お絵描き、折り紙、製作、巧緻性などの実技学習には約25分を充てました。
受験対策で子どもの集中力を切らさない工夫
未就学児にとって大きな課題は、集中力が続くかどうかです。
年長になると、1時間から1時間30分は毎日ペーパー学習に取り組むようになります。しかし、集中力は日によって大きく異なります。ずっと集中できる日もあれば、10分ごとに集中力が途切れてしまう日もあるのです。
また、
子どもが取り組む問題の難しさによっても、集中力は左右されます。 このような状況下で、どのように効果的な勉強時間を作り出せばよいのでしょうか。わが家で取り入れた3つの集中力持続法をご紹介します。
【集中力持続法1】 問題の順番を工夫する
苦手な問題や頭を使う問題ばかり解いていると、子どもはすぐに疲れてしまいます。しかし、だからといって、苦手分野を放置しておくわけにもいきません。
そこでわが家では、「苦手な問題→得意な問題→時間がかかる問題→楽しく解けるクイズのような問題」というように、
苦手分野や頭をとても使う問題を続けず、間に子どもが簡単に解ける問題を挟んで取り組むようにしていました。
具体的には、「数→しりとり→系列→模写→間違い探し→季節→図形→迷路」といった具合です。長女の場合、数や系列、間違い探し、図形などは頭をとても使うようで、「あー頭が疲れた……」とよく言っていました。一方で、しりとり・言葉・模写・季節・迷路などは得意だったり、時間がかかっても好きだったので、
これらを「休憩問題」として活用していました。
親がすべきことは、子どもの得手不得手をよく把握することです。そうすることで、何を「休憩問題」にするかを決めることができます。
「今日は集中力がすごい!」という日には、前半に苦手分野と頭を使う問題を持っていき、とにかくほめてやる気をグッと引き出すようにしました。おかげで、子どもは達成感を抱いていました。
【集中力持続法2】適度なお茶休憩で、気分を変える
「休憩の取り方」は大切です。子どもの集中力が続かない日は、小刻みに1〜2分のお茶休憩を作りました。苦手分野や頭を使う問題が終われば、「はい、お茶飲んでおいで!」と言って、ティータイムに突入です。椅子から立ってキッチンまで少し歩き、コップに入ったお茶を少し飲む。たったそれだけのアクションが高い効果を発揮しました。
たしかに、何度も席を立たせることになるので、賛否両論あるかもしれません。しかし、集中力が続かないからといって、全く勉強しない日を作りたくありませんでした。
【集中力持続法3】 子どもを「先生」にする
「長女を先生にする」という方法です。私の中では半分演技、半分本気でした。年長になった長女が取り組む問題の中には、難しいものがあります。答えを見ても、私ですらすぐにわからないほどです。
そこで、難易度が高い問題の丸つけのときに、「難しかったねー。お母さんこれ、答え見てもわからなかったわ!教えてくれない?」と言うようにしたのです。すると、長女は「えー!お母さんわからないの?!○○○ちゃん、わかるよ!教えてあげようか?」という流れになるのです。
長女は、普段は教えられる側なので、教える側になることが新鮮だったのでしょうね。とっても、嬉しそうでした。
その喜びが難しい問題への集中力と意欲を高めているように見えました。
ただし、この手法は毎日・毎回使えるものではないので、子どもの様子を見ながら適度に活用するのがよいでしょう。
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共働きの小学校受験で大切な3つのポイント
共働き家庭で小学校受験に取り組む際に大切なことは、3点あると考えています。以下にご紹介します。
【小学校受験に取り組むポイント1】毎日の学習スケジュールを確立する
1つ目は、「毎日のタイムスケジュールを決めること」です。これは
「毎日の勉強のリズムを作る」というイメージです。 例えば、朝、保育園や幼稚園へ行く前に取り組むのか、帰宅してから取り組むのか? 朝はペーパーをして、帰宅後にペーパー以外をするのか? 子どもの様子を見ながら、親がリードして決めてあげるのがよいでしょう。
【小学校受験に取り組むポイント2】学習リズムを維持する
2つ目は、「作り上げた勉強のリズムを守ること」です。
子どもは、勉強のリズムに慣れれば、しっかりと取り組むようになると感じています。 やる気の波はありますが、長女は「勉強する!」と自分から言うときもあれば、他のことに夢中になり、声をかけないと勉強しない日もありました。とはいえ、毎日の勉強は当然のこととして理解していたため、自分から勉強する日が圧倒的に多かったです。
もちろん、子どもの体調不良やお出かけなどで、
リズム通りに行かない日もあります。そんな時は、1日単位で見ると、「勉強できていないのでは……」と不安に感じるかもしれません。しかし、そういう時こそ柔軟な対応が大切です。リズムが崩れていると感じたら、「日単位」ではなく、たとえば「3日単位」「5日単位」「1週間単位」など、より長い期間で勉強量を親が調整してあげるのがよいでしょう。そして徐々にまたリズムを戻していくことが大切です。
【小学校受験に取り組むポイント3】時間の大切さを親子で理解する
3つ目は、「時間の大切さを親子で理解しておくこと」です。これは私が長女に伝えてきたことでもあります。
「人はみんな、与えられている時間は同じ。その時間を、どう使っていくかはとても大切だよ」という内容です。まだ5歳〜6歳の子どもにとっては、わかりづらい内容だと感じていましたが、長女なりに理解してくれていました。
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限られた時間の中で充実した小学校受験を
これまで、長女の受験体験をお話ししてきましたが、実は数年前に長男も同様の経験をしています。二人の受験を経験して、共働き家庭での小学校受験に共通する重要なポイントが見えてきました。
私自身、もっとじっくりゆっくり受験勉強を子どもにさせてあげたいと思うことがよくありました。時間がないことへの焦りや不安など、負の感情がフツフツとわき上がる日も多々ありました。共働き家庭は、確かに受験に取り組める時間に限界があると感じます。しかし、
限りある時間の中で親子で一生懸命取り組めば、それで十分なのではないでしょうか。
わが家は、ありがたいことに長男も長女も第一志望校に合格できました。振り返ってみると、2人とも年長さんになってからの生活は本当に「必死」でした。毎日の時間のやりくり、子どもの体調管理や情緒面への気配りなど、体力的にも精神的にも全力で取り組みました。子ども達もよく受験勉強の生活について来てくれて、今でも感謝の思いがこみ上げます。
合否がわからない中で、時間を切り詰めて受験に取り組むことは、とても大変です。
しかし、受験終了時に「限られた時間の中でも、親子でやり切った!」と感じられることが重要だと考えています。
共働き家庭の方々には、お子さんと「時間の大切さ」について話し合うことをお勧めします。効果的なタイムスケジュールを作成し、それを守ることで、納得のいく結果に辿り着けることを願っています。
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小学校受験対応のベビーシッターも在籍
ベビーシッターのマッチングプラットフォームであるキッズラインでは、
小学校受験をサポートするベビーシッターも在籍しています。幼児教室への送迎の他、小学校受験の指導経験があるシッターなら、お絵描きや工作などの学習サポート、面接の練習を依頼できることも。「共働きで実家も遠いから、小学校受験は難しい」という方は、キッズラインで小学校受験をサポートしてくれるベビーシッターを探してみてはいかがでしょうか。
また親が在宅の場合にサポート可能な「家庭教師」も活動しています。小学校受験のサポートができる家庭教師は、下記URLから検索してみてください。
家庭教師を探す▶
https://kidsline.me/tutor
小学校受験のためのシッターを探す
■監修ライター:「お受験母さん」
小学二年生の心優しきマイペース息子と、保育園年長の正義感あふれるおてんば娘の母。夫婦でフルタイムの共働き家庭。息子は小学校受験を経て、私立小学校へ入学。現在、娘の小学校受験に向けて奮闘中。
●ブログ「さくら咲く~お受験に合格いたしました~」
https://ojuken-goukaku-sakurasaku.com
●X(旧Twitter)「お受験母さん」@ojuken_kasan
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