今回から始まる新連載「お受験母さんレポート」。子どもの小学校受験体験をブログで発信している「お受験母さん」に、共働きならではの苦労や工夫点、ノウハウを紹介していただきます。

『共働きだと、小学校受験は無理』私も2年前までは同じことを思っていた、共働きフルタイム家庭のママです。2度の産休育休を経て、息子と娘を0歳から保育園へ通わせ、ひたすら時間に追われる毎日。そんなわが家が、どのように小学校受験に取り組んだのかをお話します。(from「お受験母さん」)


共働きでの小学校受験は、早めの準備が大切


お絵描きの勉強
わが家では私も夫も小学校受験の経験はありません。
長男が生まれてからは小学校受験への興味はありましたが、最初は「共働きで小学校受験なんて無理だ」と思っていました。実際に小学校受験を乗り越えてみて無理ではないことが分かりましたが、一つ痛感したことがあります。それは、「早めに準備しておくことの大切さ」です。
では、何を早めに準備しておけばよいのでしょうか。そこで、共働きの小学校受験準備について最初にお話ししたいと思います。

●幼児教室はいくつか見学・体験してみる


小学校受験専門の幼児教室は、少し調べただけでも本当にたくさんありますよね。もし今少しでも小学校受験を検討しているのなら、まずは子どもと一緒に見学と体験へ行くことをおすすめします。
教室によって、授業の雰囲気や保護者の雰囲気などが違います。「小学校受験のための幼児教室」と聞くと、敷居が高く感じるかもしれませんが、そんなことはありません。習い事の一つとして捉えてみればOKです。
わが家は自宅から通えそうな幼児教室をいくつかピックアップして、見学と体験を申し込んでみました。

●説明会や学校見学は受験の1年前までに


小学校受験を検討したら、小学校の説明会や見学会などに早めに参加してみてほしいと思います。土日祝日に開催されることが多いですが、受験を検討したい小学校での開催日時が、重複することも珍しくありません。年長さんになれば、受験の準備に忙しくなり、時間の余裕がなくなってきます。見学は年中さんのときに足を運ぶようにするのがおすすめです。
子どもが合格した場合、6年間通う学校になるので、親自身の目で見て小学校の雰囲気を確認しておきたいですね。学校見学は、一度ではなく何度か同じ学校に足を運んだ方が学校のことがよく分かったように感じました。

●小学校受験を意識した生活をする


小学校受験はペーパーテストの出来だけで判断されるものではありません。日常生活や、保育園・幼稚園での経験が、受験に直接通ずることが多々あります。せっかく受験をするなら、合格を目指したいもの。そのためにわが家では日々の生活で以下のような点に気を付けました。

例えば……
・簡単なお手伝いは毎日してもらう
・季節を通じた景色や植物、食べ物などを意識する
・洋服をたたむ、箸使いなどのマナーを習得させる
・家族でお出かけする機会を設けて、さまざまな体験をする


共働きだと、時間を有効に使いたいがために大人が家事をやってしまいがちですが、子どもと一緒に家事に取り組むことを意識することも、小学校受験のポイントだと思いました。

共働きで小学校受験をするのは、何が大変?


家の勉強
働くママパパは毎日時間に追われていて、なかなかまとまった時間が取れないですよね。私たち家族も、時間との勝負の連続でした。そんな毎日を振り返ると、「どうやって小学校受験のための時間を捻出するか?」が、ポイントだったと感じています。共働きで私が特に大変だったと感じた3点をご紹介します。

【共働きの小学校受験が大変な理由】①スケジュール調整


共働きのわが家では、子どもが年長さんになる4月からが特に大変でした。大変だったのは、幼児教室の平日授業と、土日開催の模試が入ってくるためです。スケジュールによっては、平日の他の習い事の日をずらすこともしばしばありました。生活の大半を幼児教室のスケジュールに合わせて動くため、スケジュール帳が手放せませんでした。

【共働きの小学校受験が大変な理由】②勉強時間の確保


保育園に通っていた長男は朝7時に登園、18時前に帰宅が基本的なスケジュールでした。保育園の登園前に少しでも勉強させたかったのですが、それはさすがに無理でした。帰宅後、急いで夕食をとり、ペーパーテスト、工作、お絵描き、歌唱練習、面接練習、口頭試問練習……etc.とにかくやることが毎日盛り沢山で、時間が足りませんでした。
そこで「このままでは乗り切れない」と判断し、年長の夏前からは私の勤務体制を調整し、1時間早く帰宅することでなんとか息子の勉強時間を確保しました。
理想は朝に勉強、夕方に工作などに取り組むとよいとされていましたが……共働きだとそれはかなり難しかったです。子どもが集中しやすい時間や、家族の中でのリズムがあるので、少しずつでも「毎日」時間を取ることが大切だと思いました。

【共働きの小学校受験が大変な理由】③子どもの横に付きっきりでの指導


「親が子どもの横にずっと付きっきりで一緒に取り組む」というスタイルは、小学校受験に取り組む際に多くの親子が取っている方法です。しかしずっと付いていると、家事や下の子のお世話ができません。私も、長男への指導中は下の子を全く見られませんでした。
当時下の子は年少さんでギリギリ一人で遊べる年齢だったのですが、やはり途中で飽きてしまいました。そんな時は下の子を私の横に座らせ、長男の勉強を一緒に見るなどして、なんとか毎日乗り切っていました。
下の子がまだ目を離せない月齢であれば、短時間でも、家族やベビーシッターさんに頼んだ方がよいかもしれません。その方が上の子への指導に集中できるので、余計なストレスが排除できると思います。

共働きで小学校受験をする上での心得とは?


共働きでの小学校受験は、前述のように「時間の捻出」が一番の課題でした。私も「仕事もあるし、小学校受験のためだけに時間を捻出できない」と、小学校受験を諦めていた時期がありました。
とはいえ、共働きでの小学校受験は、工夫をすればなんとか乗り切れるものです。共働き家庭ではどんなことを心得て、小学校受験に臨めばよいかを紹介します。

【親の心得1】「他の子どもや家庭と比べない」


共働き世帯は、専業主婦世帯と比較すると、物理的に時間がありませんよね。わが家では、これはもう仕方のないことだと割り切りました。しかしふと周りを見ると……「ママが専業主婦の家庭は、子どもへかける時間や情熱がわが家とは違う……」と心のモヤモヤが現れたこともありました。
ですが、比べていても「1日24時間」という時間は誰にも変えることはできません。働くママは「時間の管理」についてはプロ。限られた時間の中で、全力で子どもと取り組めばいい、そう思うことにしました。

【親の心得2】「無理のない学校選択をする」


小学校受験は合格して終わりではなく、その小学校での6年間の生活の始まりにすぎません。登下校にかかる時間や、放課後の過ごし方、学校行事への参加頻度など、選択する小学校によって大きく異なってきます。
わが家では、最初は志望校の一つに入れていた小学校がありましたが、共働きの生活リズムでは、対応できないかもしれないと思い、志望校から外しました。親の働き方や家族のリズムを考慮して、通うのに無理のない小学校を選択することも大切だと思います。

【親の心得3】「小学校受験一色の生活を覚悟する」


期間限定ではありますが、一時期のわが家は正に小学校受験一色の生活でした。通勤途中や、昼休み、子どもたちが寝た後など、隙間時間は全て小学校受験のことを考えている状態でした。
とにかく頭の中は
・子どもの勉強スケジュール
・子どもの苦手分野の弱点補強
・毎日取り組む問題の用意
・小学校受験イベントの確認
・特訓授業や模試のスケジュール調整

などでいっぱい。
私自身、長男が年長の6~7月頃、体調がすぐれない時期があったのですが、そんなときは寝ることでどうにか精神状態を保っていました。今思うと、親も心身を健康に保てるよう、ストレス発散方法を何か一つでも、できるようにすることも大切だったなと感じています。

共働きで小学校受験を乗り切るポイント


スケジュール調整
共働きで小学校受験を乗り切るための大きなポイントは、ママの働き方だと思います。私自身の働き方は、組織に属し、在宅勤務は一切なく、基本的にはフルタイム勤務という状況でした。その観点から、共働きで小学校受験を乗り切るためのポイントをご紹介します。

【乗り切るポイント1】「ママの勤務体制の調整や休暇の取得が必須」


子どもが年長さんになる4月から徐々に必要性を感じたのが、勤務体制の調整です。働くママにとっては調整しづらい平日に、さまざまな授業が始まるからです。
例えば……
・6月頃から平日に学校別の特訓などが始まる
・7月、8月は平日に夏期講習や特別特訓がある
・秋からも平日に特訓授業がある

といった具合です。
私自身、6月頃からは半休や連続有休などを何度も取りました。そして常に手帳とにらめっこし、長男の授業や特訓関係のスケジュールを調整する、そんな毎日でした。小学校受験の世界へ足を踏み入れたのは初めてだったので、「平日のこんな時間に誰が教室に行けるの?!」と最初は驚きました。今となっては、全ての授業を取る必要はなかったと思うところもありますが、必ず取らないといけない授業もありました。

【乗り切るポイント2】「家族で協力体制を取る」


共働き家庭で、小学校受験に取り組む場合、ママだけのスケジュール調整ではとても乗り切れませんでした。会社から与えられている休暇日数では到底足りませんし、精神的にもママだけでは大変です。わが家は、夫にかなりスケジュール調整をしてもらいました。
平日の授業での送迎を見ると、祖父母やパパが来ているご家庭もありました。ママが一番頼りやすく、スケジュール調整してもらいやすいパパや家族の協力が、必要です。ですが、両親が遠方に住んでいて頼れる人がいない場合もありますよね。実家が遠方の友人は、どうしても必要なときはベビーシッターさんに送迎を依頼して、乗り切っていました。

【乗り切るポイント3】「幼児教室の振替制度を活用する」


長男が通っていた幼児教室は、割と柔軟に振替ができる教室でした。振替ができる授業であれば、平日の17時や18時開始にずらしていました。長男が通う保育園は、年長さんになってもお昼寝がある園だったので、平日の夕方から授業でも、長男は眠くなることはなく、集中できていたのはラッキーだったと思います。
振替ができない授業の場合は、親が休暇を取得して、乗り切りました。

共働きでも小学校受験はできる


家族に負荷はかかりますが、共働きフルタイムでの小学校受験は「絶対に無理」ということはありません。わが家は、家族全員で、出来得る限りの力で、小学校受験に取り組みました。
努力の末に「合格」した長男は、現在楽しく私立小学校に通っています。そんな長男の姿を見て、家族で頑張ってよかったと心から思っています。
本当に大変でしたが、私自身の一度しかない人生の中で、「小学校受験」という未知の世界を、長男が経験させてくれました。この記事が、「小学校受験を検討したいけれど、共働きを理由に踏み出せない方」のお力になれたらうれしく思います。

■監修ライター:「お受験母さん」
小学一年生の心優しきマイペース息子と、保育園年中の正義感あふれるおてんば娘の母。夫婦でフルタイムの共働き家庭。息子は小学校受験を経て、私立小学校へ入学。現在、娘の小学校受験に向けて奮闘中。
●ブログ「さくら咲く~お受験に合格いたしました~」
https://ojuken-goukaku-sakurasaku.com
●Twitter 「お受験母さん」@ojuken_kasan



キッズラインでは「小学校受験」をサポートできるベビーシッターも在籍


ベビーシッターのマッチングプラットフォームであるキッズラインでは、小学校受験をサポートするベビーシッターも在籍しています。幼児教室への送迎の他、小学校受験の指導経験があるシッターなら、お絵描きや工作などの学習サポート、面接の練習を依頼できることも。「共働きで実家も遠いから、小学校受験は難しい」という方は、キッズラインで小学校受験をサポートしてくれるベビーシッターを探してみてはいかがでしょうか。
また親が在宅の場合にサポート可能な「家庭教師」も活動しています。小学校受験のサポートができる家庭教師は、以下のURLから検索してみてください。
家庭教師を探す▶ https://kidsline.me/tutor

▼あわせて読みたい

ベビーシッターの新しい働き方・個別保育で小学校受験をサポート
【小学校受験】家庭で取り組みたい!学習・マナー・面接対策とは?
共働きで小学校受験にチャレンジできた秘訣とは?〜ユーザーインタビュー


▼記事一覧に戻る
KIDSLINE編集記事一覧
▼TOPページに戻る
KIDSLINE TOPページ


フルタイムでサポートを頼む