仕事をしながら子育てをする場合、子どもを保育施設に預けるというのが一般的ですよね。しかし近年では、幼稚園でも通常保育時間後に「預かり保育」サービスを設けている施設も増えてきました。そのため、一部では働きながら子どもを幼稚園に通わせることができるようになってきています。そうはいっても、日中仕事をしていては「幼稚園生活と両立できるか不安」という声も少なくはありません。そこで今回は、ご家庭に合った幼稚園、保育園を選ぶヒントをご紹介します!

【徹底分析】幼稚園・保育園の違いとは

幼稚園、保育園の違いはどのような点にあるのでしょうか。わかりやすく表で比較しながら、確認していきましょう。

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※1 参照)文部科学省|幼稚園教育要領
※2 参照)厚生労働省|保育所の設備及び運営に関する基準の条例制定状況及び運用状況等(都道府県)

幼稚園は、人格形成の基礎となる幼児期の教育を目的とした施設です。教育課程に必要な1日4時間、年間39週を過ごす場所と定められています。そのため、子どもの健やかな育成につながる福祉を目的とした保育園と比べると、子どもを長い時間預けるという点では長けていません。

また食事の面でも、福祉を目的とする保育園は、食育の一環として給食が義務化されていますが、幼稚園の場合は、園の方針によって給食の有無が異なります。

仕事をしながらでも通える、現代の幼稚園


幼稚園と保育園の違いを理解したところで、次は「仕事をしながら子どもが幼稚園に通うことができるのか」といった不安を解決していきましょう。


待機児童の受け入れ先の一つである幼稚園
待機児童問題が深刻化する現代。文部科学省においても、待機児童の受け入れ先として、幼稚園を利用する園児の母親のうち、42%(※3)が職に就いているという報告があります。つまり、待機児童問題が止まない現代において、親が働く家庭の子どもが幼稚園に通うというのは、そう珍しいことではないといえます。

仕事と幼稚園の両立を可能にする「預かり保育」
近年では、通常教育時間後の「預かり保育」制度を設ける幼稚園も増えています。平成28年度時点で預かり保育を実施している幼稚園は、全体の83%(私立95%)という高い結果も出ています(※3)。こういった背景からも、働いたり、家族の介護をしたりと、何かしらの理由で子どもを預ける家庭が存在することがわかります。現代の幼稚園において、仕事をしながら子どもを通わせることは決して難しいことではありません。


ただし、幼稚園によっては夏休みや冬休みのような長期休み中に、預かり保育を実施していない場合もあります。この点を十分に確認し、長期休みの保育の実施がない場合は、家族に面倒をみてもらう、短期間だけ可能な預かり保育施設やベビーシッターを依頼するなどの対策をとる必要があります。


※3 参照)文部科学省(平成28年4月)|幼稚園における待機児童の受入れについて

働きながら幼稚園に通うメリット・デメリット

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働きながら子どもを幼稚園に通わせる選択肢があるということがわかったものの、そもそも幼稚園に通うメリットは何なのか、具体的に知る必要がありますね。そこで次に、仕事をしながら子どもを幼稚園に通わせるメリットとデメリットをご紹介します。

働きながら子どもが幼稚園に通うメリット

●幼児教育のプロに教育を任せられる
子どもに様々なことを学ばせるためには、十分な準備と時間が必要です。しかし働いている場合、育児・家事に加えて仕事があり、そこへ教育もプラスされてきます。そうなると、幼児教育に十分な準備と時間を割くのは至難の技と言っても過言ではないでしょう。また、子どもの教育に興味があったとしても、専門家でない限り親が教育者のプロでないことも念頭に入れておきましょう。

その点、幼稚園教諭は、幼児期に必要な教育をするためのカリキュラムを学び、国家資格を取得しています。つまり、幼児教育におけるプロフェッショナルです。そのため、限られた時間を家族で有意義に過ごすためにも、幼稚園に通い、プロに教育を任せるという選択肢はメリットといえます。

●幼稚園で習い事ができる
幼稚園では、歌や工作など、あらゆるカリキュラムが取り入れられています。特に私立幼稚園においては、独自のカリキュラムとして英会話やモンテッソーリといった、習い事に準ずるプログラムを用意しているケースも多いです。さらに幼稚園によっては、通常教育時間の後に、ピアノやスポーツなどの習い事ができる時間を設けている場合もあります。そのため、平日は仕事で子どもの習い事の送迎が難しい場合でも、送迎なしで幼稚園で様々な習い事を経験させることができます。


私立幼稚園と公立幼稚園の違いについては我が子にぴったりの幼稚園を選びたい!失敗しない幼稚園の入園準備で詳しくで紹介しています。


働きながら子どもが幼稚園に通うデメリット

●満3歳からしか預けられない
仕事で子どもの育児ができない場合でも、子どもを預かることを目的とする保育園は0歳から通園が可能です。一方、幼稚園の場合、文部科学省で定められる通園対象年齢は満3歳からです。そのため、産後できるだけ早く職場復帰したい場合は、必然的に「保育園」を選ぶこととなります。しかし、0歳から保育園で過ごし、幼稚園入園を機に転園するという選択肢ももちろんあります。つまり、保育園に通ったのち幼稚園に移行すれば、「幼稚園は満3歳からしか預けられない」というデメリットを解決できます。

●平日の親子参加行事がある
幼稚園は保育園に比べて、平日に保護者が参加する行事(保護者会や参観日など)があります。そのため、仕事を休むことに不安を感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。しかし、年単位で考えても平日に園へ出向く日は、そこまで多くありません。有給の範囲で、十分カバーできる程度と考えておけば良いでしょう。また、平日に仕事がある家庭への配慮をしてくれる幼稚園もあり、運動会や学芸会など大きな行事は、休日に行われることが多いので、その点では安心です。

幼稚園と保育園の“良いとこどり”?注目の【認定こども園】

子どもを預かる施設は、幼稚園、保育園以外にも「認定こども園」という選択肢があります。

〈認定こども園とは〉
認定こども園は、2006年に深刻化する待機児童問題の解消を目指して作られた施設です。最大の特徴は、幼稚園と保育園の機能をどちらも兼ね備えている点。また内閣府が管轄元となり、教育に関しては文部科学省、保育(福祉)に関しては厚生労働省とそれぞれの機関が連携して運営している点も注目すべき特徴といえます。このように認定こども園は、教育と保育の両方の要素を持つことから、どちらにも魅力を感じる方にオススメです。

〈体制が異なる4タイプの認定こども園〉
一言に認定こども園といっても、体制が異なる4つのタイプがあります。

●幼保連携型
幼稚園と保育園、両方の機能を持ち、認定こども園として設立された施設
●幼稚園型
すでにある認可幼稚園に、保育園的な機能が追加された施設
●保育所型
すでにある認可保育園に、幼稚園的な機能が追加された施設
●地方裁量型
幼稚園・保育園の認可を受けていない教育もしくは保育施設


いずれも幼稚園、保育園の要素を持つことに変わりはありませんが、園によって特色がそれぞれ異なります。これは認定こども園だけでなく、幼稚園、保育園にも言えることですが、それぞれの特色をしっかりと確認し、ご家庭や子どもに合った園を選ぶようにしましょう。

幼稚園、保育園、認定こども園の入園スケジュール

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さて、ご家庭に合った園を選んだら、次はいよいよ入園に向けた申し込みをしましょう。幼稚園、保育園、認定こども園は、それぞれ入園までのスケジュールが異なります。


【入園までの流れ】幼稚園
幼稚園入園までのスケジュールをご紹介します。


【4~5月】プレ保育への参加
幼稚園によっては、入園前の体験として「プレ保育」を実施している場合があります。園の様子や教育体制を知れる有意義な機会となるでしょう。さらに園によっては、プレ保育への参加が入園選考の条件となる場合もあります。この点はしっかり確認しておきましょう。なお、プレ保育は事前申し込みが必要な場合がほとんどです。申し込み時期に遅れないよう、早い段階から情報収集しておきましょう。


【6~9月】説明会への参加
幼稚園の概要について、説明会が開催されます。園について詳しく知ることができる大事な機会ですので、興味のある園は積極的に参加しましょう。また園によっては、説明会への参加が入園選考に関わったり、同時に願書を配布したりと、大変重要な行事となることも少なくはありません。

【10~11月】入園の申し込み
私立幼稚園の場合、園に直接入園を申し込みます。事前に配布された願書に必要事項を記入して提出しましょう。またこの際、面接や入園試験を行う幼稚園もあります。公立幼稚園の場合、入園申し込みの他に、国の制度で定める支給認定を申請する必要があります。

【10~12月】入園を許可される
私立幼稚園の場合、入園の許可を得たら、「入園金」を払うところがほとんどです。指定日までに入園金を払わないと、入園が取り消しされる場合もあるので、金額を確認してしっかり用意しておりましょう。公立幼稚園の場合、入園金の支払いはありません。


【12~3月】入園説明会や健康診断
ほとんどの幼稚園で、入園説明会や園児交流会が開催されます。また、入園までに準備すべき用品の説明や、制服の採寸、健康診断などを同時に行うケースもあります。

【4月】入園
いよいよ入園!ただし、4月以外の転園、途中入園を受け入れている場合もあるので、ご希望の場合には希望の幼稚園に確認してみましょう。

【入園までの流れ】保育園
保育園の場合、入園月は定められていません。申し込み後、入園許可がおりれば、希望月に入園することができます。

認可保育園の入園申し込み
保育園は、国の認可有無によって入園申し込みの方法が異なります。認可保育園の場合、入園を希望する前月の指定日(10日頃)までに、住んでいる自治体へ申請書を提出します。詳しい申請方法は、お住まいの市区町村役所にご確認ください。ただし申請をしても、「保育の必要性」に応じた支給認定がされなければ、認定保育園に通うことはできません。また保育の必要を認定されても、保育園に空きがない場合には、空きがでるまで待機することとなります。待機の間に復帰が予定されている場合は、ベビーシッターへ依頼するのも1つの方法です。なお、4月入園の場合には、前年11月までに申し込むなど、特別なスケジュールが設けられていることもあるので確認が必要です。また4月入園の場合、入園承諾書や支給認定証は、2~3月頃に届きます。

認可外保育園の入園申し込み
認可外保育園の場合、自治体による認定は必要ありません。申し込み時に空きがあれば、翌月から入園が可能です。また認可保育園のように、保育の必要性に応じた優先制度は設けられていないため、先着となることがほとんどす。

保育園の情報やスケジュールは保育園準備スムーズに進めるなら「何」を「いつ」から始めるべき?で詳しくで紹介しています。

【入園までの流れ】認定こども園
認定こども園に申し込むためには、認可保育園同様、自治体に「保育の必要性」の支給認定をする必要があります。それを踏まえて、4月入園の場合を想定してご紹介します。

【9~10月】説明会
幼稚園同様、園のことを知るための説明会が開催されることもあります。

【11月】入園申し込みと支給認定
お住まいの自治体に申請書を提出します。さらに、保育の必要性に応じた支給認定も必須条件になります。認可保育園同様、申し込みに関してはお住まいの市区町村役所に確認しましょう。ただし、幼稚園標準時間枠の利用として認定こども園への入園を希望する場合は、園に直接申し込むことになります。その後の流れは、幼稚園入園と同様です。


【12月】園での面接
第一希望の園で、面接が行われます。

【2~3月】入園承諾書と支給認定証が届く
入園が許可されれば入園承諾書と支給認定証が届きます。保育園同様、応募者が多い場合には、保育の必要性に応じて抽選となるため、必ずしも第一希望の園に入園できるとは限りません。

【4月】入園
幼稚園、保育園同様、空きがあれば、4月以外の入園も可能です。また制服がある認定こども園の場合、幼稚園のように事前の採寸や購入の機会もあります。

このように幼稚園、保育園、認定こども園の入園までのスケジュールは、共通するものもあるものの、申請方法や支給認定の制度など異なる部分も多くあります。対応すべき月よりも前に、しっかりと申し込み方法を確認し、失敗のない入園スケジュールを計画しましょう。

まとめ

WEB上の情報が豊富な現代では、園が運営する公式サイトはもちろん、幼稚園や保育園に関するクチコミサイトも多く、情報収集には困りません。しかし、情報が多いあまり戸惑ってしまうこともあるでしょう。そのため、知りたいことがあれば、事前に園へ問い合わせてみましょう。また入園に関する基本的な情報については、先輩ママや、幼稚園教論や保育士の資格を持ったベビーシッターに相談してみるのもオススメです。幼稚園と保育園、どちらの良さもあります。ご家庭やお子様にあった施設に預けるためにも、知りたいことは事前に確認しておくと安心ですね。