■この記事の目次■


  1. 育休復帰前にお金のことを考えておきたい理由

  2. 【育休中に検討したいこと1】パートナーの扶養に入る

  3. 【育休中に検討したいこと2】医療費控除の準備

  4. 【育休中に検討したいこと3】保険の見直し

  5. 【育休中に検討したいこと4】教育費の見通しを立てる

  6. 【育休中に検討したいこと5】住宅ローンの返済計画

  7. まとめ|育休復帰前に家族でお金のことを話しておこう


育休復帰前にお金のことを考えておきたい理由


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育児休業期間が終了して職場復帰すると、自宅で育児をしていた時とは違う慌ただしさに最初は戸惑うかもしれません。


朝夕の保育園の送迎、帰宅後の夕食準備、子どもをお風呂に入れたり、寝かしつけに時間がかかったり。休日は溜まった家事と子どもの世話で、あっという間に過ぎ去ります。


育休復帰後は産前と同じように月給が入ることもあり、家計出費は膨れ上がりがちです。時間がない分をお金で解決することもあるためです。育休復帰後の出費増を考慮して、育休期間中にはぜひ家計の見直しを行っておくことをオススメします。


そこで今回は、具体的にどうやって「家計の見直し」をしておけばよいのか、5つのポイントを紹介します。


【育休中に検討したいこと1】パートナーの扶養に入る


共働きの場合、パートナーの扶養に入るという意識はないかもしれません。でも実は収入の条件を満たせば、育休中のみパートナーの扶養に入ることができます。


社会保険上の扶養の条件は「年収が130万円未満であること」と「自分の年収がパートナーの年収の2分の1未満であること」の2つです。育休中に受け取る「育児休業給付金」などは税金の計算対象になりません。もしそのまま退職することにしたら、扶養に入り続けることもできます。


育休期間中だけでもパートナーの扶養に入ると、以下のようなメリットがあります。


・パートナーの所得税や住民税等が軽減される
扶養する人数が増えることで扶養している人が年末調整で所得税の還付を受けられます。また、住民税の控除も受けることができるため、税金額を抑えることができます。


・保育料の減額が期待できる
育休復帰後は子どもを保育園に預ける方が多いと思いますが、保育料は住民税を基準に決まるため、保育料の減額も期待できます。パートナーの扶養に入るには、パートナーの会社での手続きが必要です。自分の所得金額を確認してから、検討してみてください。


【育休中に検討したいこと2】医療費控除の準備


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妊娠・出産やその後の新生児育児の間には、医療費の支払いが増えることが多いです。以下の費用は、確定申告で医療費控除に合算できますので、領収証を取っておくことが大切です。


<医療費控除の対象となる出産関連のお金>
・妊婦定期健診費
・入院費
・分娩(ぶんべん)費
・通院・入退院時の交通費
・母乳外来(治療目的)
・産後1カ月健診
・不妊治療費

など


出産時には「出産育児一時金」(42万円)が支給されます。医療費控除対象額は、以下のように計算して算出します。


1年間にかかった家族の医療費の合計額
-保険などで補填された額(出産育児一時金を含む)
-10万円
=医療費控除対象額

(ただし総所得金額が200万円までの方は所得金額の5%が控除対象になります)


医療費控除の手続きには、自身で医療費控除額を計算しなければいけないため、領収証やレシートの整理などに時間がとられます。育休復帰後は余裕がなくなって、医療費控除の手続きを諦めてしまうこともあるので、育休中にやっておくのがオススメです。


参考|国税庁:医療費を支払ったとき(医療費控除)


【育休中に検討したいこと3】保険の見直し


子どもが生まれて家族構成が変わったら、保険の見直しを行うタイミングです。保険の見直しは、現在加入している保険の内容の比較検討が必要なため、時間のある育休中にしておきたいことの一つです。


まずはパートナーと現在入っている保険商品をすべて書き出してみましょう。


<保険の種類の例>

・生命保険
・疾病保険
・傷害保険
・火災保険
・地震保険
・自動車保険
・自転車保険
・がん保険
・養老保険
・学資保険
・個人年金商品
・クレジットカードに付帯している補償
 etc.


保険の見直しのポイントは、家族構成や年齢、住宅ローンの残額などによって変わります。特に子どもを養育している間は、万が一に備えて死亡保障や休業補償などの額を検討します。


また、傷害保険や疾病保険、がん保険などに付いている「入院日額」は、複数入っていると手厚すぎることもあるので見直しをしてみましょう。


個人賠償責任の特約は、自動車保険やクレジットカートの補償などに付帯していることもあるため、こちらも補償内容が被っていないかチェックするとよいです。


保険はたくさん入っていれば安心というわけではなく、生活を維持するために必要なものを選んで加入することがポイントです。見直しをすれば、保険料を削減することも可能です。


【育休中に検討したいこと4】教育費の見通しを立てる


子どもが生まれたら必ずしておきたいのが、教育費の見通しを立てることです。
現在、国立大学に4年間通った場合の授業料は242万5200円となっています(2018年時点/文部科学省令の標準額による)。


国立大学の授業料は大学の裁量で最大2割の増額が可能とされており、一部の大学ではこれより高いところもあります。また、自宅を出て一人暮らしをする場合や私立大学を選んだ場合はそれ以上の額がかかります。


子どもを育て上げるには多額の費用が掛かるため、できるだけ早くから教育費用を積み立てていくことが大切です。


仮に0歳から毎月1万5000円を積み立てるとすれば年間では18万円となり、大学入学時には324万円を用意できます。「積み立てNISA」などを利用して運用すれば、それ以上の額になる場合もあります。


教育費は一定の額が必要なので、積み立て始めるのが遅ければ遅いほど、毎月の貯蓄額が多くなり、家計に影響します。できる限り育休中に見通しを立てて、子どもが幼い時から積み立てる計画を立てましょう。


【参考】内閣府|平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査 全体版(PDF)

子どもにかかる費用は、習い事や塾費用などで年々上昇傾向にあります。
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【育休中に検討したいこと5】住宅ローンの返済計画


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子どもが生まれると住居の形態や広さ、立地などが急に気になるようになるかもしれません。良い環境で子どもを育てたいと、住宅を購入される方も多いでしょう。


多くの場合、住宅ローンは長い歳月をかけて返済していきます。子どもが生まれる前に既に住宅ローンを組んでいる方は、既に立てた返済計画に無理がないかを、再確認しておくことをオススメします。


子どもの教育費がかかる時期と、家の修繕費用やローンの繰り上げ返済の計画が重なることがないかなどをチェックしてみてください。


教育費、住宅ローンなど大きな出費の計画を立てるときには、家族全員の年齢を書いた表を作り、年齢に応じて出費の多い時期、少ない時期を把握し、無理のない収支になるように検討しましょう。


まとめ|育休復帰前に家族でお金のことを話しておこう


育休から復帰すると、日々の生活で忙しいため、家族のお金に関することは、少し余裕のある育休中に話しておくのが得策です。生活の基盤を整えてから、「復帰したら共働きで頑張ろう」という気持ちで、また仕事に向き合ってみてくださいね。




■監修:ファイナンシャルプランナー 小松香名美
和歌山大学 経済学部卒。旅行会社勤務の後、出産のため退職。2018年に保育士資格を取得し、保育園勤務を経験。2021年にファイナンシャル・プランニング技能検定2級を取得。ファイナンシャルプランナーとして独立し、マネー記事の監修などを行っている。


※この記事の情報は2022年1月時点の情報です。行政情報は随時更新されますので、詳細は各自治体のホームページなどでご確認ください。


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