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保育園や幼稚園では、入園準備の際に保険のパンフレットが配られることがあります。保育園や幼稚園から保険のパンフレットが配られると「園から配られたものだから入るべき?」と迷われる方も多いのではないでしょうか。また、自分の子が入るべきかどうか判断に困ることもありますよね。そこで今回は、元保育士でファイナンシャルプランナーの先生に、保育園や幼稚園の入学準備で配られる保険について基本的な知識を教えてもらいました。



保育園や幼稚園の入学準備で配られる保険ってどんなもの?


保育園や幼稚園の入学準備で配られる保険ってどんなもの?

ほとんどの保育園や幼稚園では保護者に向けて年度の初めに民間保険会社のパンフレットが配られます。案内される任意保険の名前や内容は、保育園や幼稚園によって異なりますが、下記の3つの内容に備えるものが多いようです。



・子ども本人のケガに備える(傷害保険)
・賠償に備える(賠償責任)
・親の死亡に備える保険(死亡保障)


それぞれについて詳しく説明していきます。



傷害保険とは?


傷害保険の傷害とは、「人の身体や物品を傷つけ、損なうこと」です。


傷害保険とは、日常生活の中で起こるさまざまなケガに対して、保険金が支払われる保険のことです。傷害保険においてのケガの定義は「急激」「偶然」「外来」という3つを満たすものとされています。


保険に加入した対象者が事故やケガを負ったり、特定感染症(新型コロナウイルス感染症を含む)や食中毒、熱中症で通院・入院・手術したときに補償として保険金が出ます。



<傷害保険が支払われる事例>
・園庭で遊んでいるときにジャングルジムから落ちて骨折した
・転んで歯がかけた
・給食を食べて食中毒になった


賠償責任とは?


賠償責任の賠償とは「他に与えた損害をつぐなうこと」です。


賠償責任保険とは、日常生活などで他人に身体の障害をあたえてしまったり、他人の物を壊してしまったなど賠償をする責任を負った際に、弁護士の費用、訴訟費用等を含めた保険金が支払われる保険のことです。


具体的には子どもが友達をケガさせたり、園の備品を壊したときに保険金が出ます。保育園、幼稚園生活で起こりうる、他の子どもに対する賠償責任に備えるための保険です。子どもには賠償責任能力がない(※1)ため、責任は親が代わりに負うことになります。


※1 民法 第709条(不法行為による損害賠償)より

<賠償責任の保険が支払われる事例>
・子どもがケンカをして相手に傷を負わせてしまった
・子どもが振っていた手が友達の顔にあたってケガを負わせてしまった
・子どもが友達の持ち物を壊してしまった
・子ども園の備品を壊してしまった


死亡保障とは?


死亡保障とは、死亡または所定の高度障害状態になったときに、遺された家族に対して死亡保険金や高度障害保険金が支払われる保険のことです。


保育園や幼稚園で配られる保険の中には、事故や病気などで親が亡くなったり、重度の後遺障害を負ったときに保険金が出るものがあります。生命保険の死亡保険と同様に、育英費用や教育費用を補償します。



<死亡保険が払われる事例>
・親が不慮の事故で亡くなった
・親が重度の後遺障害を負った


保育園や幼稚園で配られる保険は、突然やってくる事故に備えた傷害保険、賠償責任保険、死亡保険すべてまたはいずれかが組み合わされた商品となっていることが多いです。


また、子どもの保育園や幼稚園を通してもらったパンフレットの場合は、団体割引が適用されています。団体割引が適用になっていると、個人で加入するよりも毎月の掛け金が抑えられている場合が多いです。パンフレットに記載されている保険料を参考にして、費用面も含めて総合的に加入を検討しましょう。



保育園や幼稚園で配られた保険に入るかどうかは何で判断する?


保育園や幼稚園で配られた保険に入るかどうかは何で判断する?

これから入園する保育園や幼稚園から保険のパンフレットをもらうと、「入園する人は全員入っておかないといけない」と思うママパパも多いかもしれません。


しかし、保育園や幼稚園で配られたものだからといって必ず加入しないといけないというものではありません。加入するかしないかは、保護者の自由です。


また、既に入っている保険と保障が重複している場合もよくあります。まずは既に加入している自身の保険でカバーできているかどうか、チェックしてみることが大切です。また、毎月の掛け金と保障内容のバランスも確認して、費用面からも検討しましょう。



・傷害保険についての判断基準


子どものケガや事故に備える内容になっている傷害保険の補償ですが、実は自治体による子ども医療費助成制度でまかなえる部分があります。


自治体により制度は異なりますが、子ども医療費助成制度の範囲内だと、子どものケガの治療は、無料もしくは3割負担より少なくなることがあります。この制度により医療費はほとんど払わなくても済むため、保険を利用するまでもない場合も多くあります。詳しいことはお住まいの自治体に問い合わせて下さい。


ただし、先進医療のように保険診療外の治療費は対象外です。そのような保障が必要であれば、子ども用の医療保険を検討してみましょう。


自身の保険や公的制度でカバーできている場合があれば、改めて保険に加入する必要は少ないと考えてよいでしょう。



・賠償責任についての判断基準


ママパパの中には「保育中に他の子どもにケガをさせる心配」「遊びの中で友だちのものを壊してしまう心配」という理由から保険に入られた方もいるようです。保険に入ることで安心して園生活を送ることができるなら、加入も1つの方法です。


万が一、友だちに大きなケガをさせ、後遺症を負わせてしまった場合は、数千万円単位の賠償を払うことになるかもしれません。園から配られた保険でなくてもかまいませんが、子どもの個人賠償の補償は何かしらでは加入しておく必要があります。個人賠償責任保険は保険の特約としてついている場合も多くあるので、他の保険でまかなうことも可能です。


一般的に個人賠償責任保険は保険料が高くないので、家計に影響がないようなら重複して加入してもよいと思いますが、なるべく無駄を省きたいのであれば、いずれかの保険で1つ加入できていれば良いと思います。



・死亡保障についての判断基準


死亡保障はほとんどの子を持つ親は万が一のことを考えて生命保険に加入していると思います。保育園や幼稚園で配られた保険に加入すると、生命保険の保障が重複することになるので、必ずしも必要とは限りません。


ただ、現在加入している生命保険が片方の親だけの場合や、家族構成と照らし合わせて万が一の保障額が少ないと感じる場合は、入園の機会に改めてパートナーと相談してみてもよいでしょう。



保育園や幼稚園で配られる保険の請求の仕方はどうなっている?


保育園や幼稚園で配られる保険の請求の仕方はどうなっている?

保育園や幼稚園で入る保険は、一般の保険のように担当者がいないので、基本的には自ら保険の請求申請を行うことになります。


申請のための書類なども自分でダウンロードしたり、パンフレット記載の電話番号に電話したりして取り寄せる必要があります。書類自体も、ホームページ上の記入例を見て、間違いがないよう自分で記入します。請求は書類や治療費の明細を揃えて保険会社とやり取りし、提出も自分で行うことになるため、通常の保険に比べると少し手間がかかります。


加入した保険は、引っ越しなどで転園した際も補償期間中であれば有効なため、事故やけがなどで保険金の請求が必要な状況になったときには、自分で忘れずに請求することが大切です。



保育園や幼稚園の入園時に入らない場合、資料は取っておく必要ある?


保育園や幼稚園の入園時に入らない場合、資料は取っておく必要ある?

保育園や幼稚園で配られた保険の案内資料は、取っておくべきかどうか悩むママパパも多いと思います。


資料は卒園まで持っておかなければいけないものではありませんので、かさばるようなら破棄してしまって問題ありません。


年度の途中で加入したい(中途加入)と思ったら保険会社に問い合わせて相談したり、資料を取り寄せることができますので、「加入したいけど、資料がない」と困ることもないです。



まとめ|保育園や幼稚園で配られた保険は、重複していないかチェックを


今回は、保育園や幼稚園で配られる保険について紹介してきました。保険の内容は、既に加入している保険と保障が重複する場合もあります。また子ども・乳幼児の医療助成制度、高額医療費など公的制度がありますので、ケガなどは保険がなくてもカバーできます。


「みんな入っているから」と安易に決めるのではなく、すでに入っている保険で補償が重複していないか、公的制度でカバーできないか、きちんと確認をしてから、加入について総合的に検討しましょう。




■監修:ファイナンシャルプランナー 小松香名美
和歌山大学 経済学部卒。旅行会社勤務の後、出産のため退職。2018年に保育士資格を取得し、保育園勤務を経験。2021年にファイナンシャル・プランニング技能検定2級を取得。ファイナンシャルプランナーとして独立し、マネー記事の監修などを行っている。


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