■この記事の目次■
子どもが一人で自転車に乗れるようになると事故に逢わないか、事故を起こさないかと不安に思うママパパも多いでしょう。自転車保険の加入を考えている方もいるのではないでしょうか?「自転車保険って、どうやって入ったらいい?」「どの自転車保険を選べばよい?」というママパパのために、自転車保険の補償内容や加入の必要性、自分たちに合った保険の選び方をファイナンシャルプランナーが詳しく解説します。
自転車保険って何?

自転車保険とは、「自転車に乗っている間に発生した損害を補償する保険」です。保険の内容は、自転車の運転中に自分がケガをしたときに利用する【傷害保険】と、他人にケガをさせてしまったときに使う【個人賠償責任保険】の2つがセットになっています。
「傷害保険」とは?
「傷害保険」とは、自分が自転車事故でケガを負ったとき、死亡・後遺障害を負った場合に適用される保険のことです。損害保険は自転車のケガだけに限られておらず、例えばスキー中にケガをしたり、自宅で階段から落ちてケガをした際も補償の対象となります。自転車の運転中以外の交通事故でケガをしたときに補償されるものもあります。
「個人賠償責任保険」とは?
「個人賠償責任保険」とは、自転車で事故を起こし、相手にケガをさせてしまった場合や死亡させてしまった場合、後遺障害を負わせてしまった場合、自転車で歩行者にぶつかって歩行者の荷物を壊した場合など、第三者である他人の「身体」や「財物」に対して損害を与えた場合が対象となり、適用される保険です。
「個人賠償責任保険」の特徴は、自転車での事故に限らず、「子どもが他人の家の窓ガラスを割った」「飼い犬の散歩中に犬が他人にかみついてケガをさせてしまった」「お店に並べられている商品を壊した」などでも、相手に損害を与えた場合であれば補償を受けることができます。また、保険会社による示談交渉サービス、弁護士費用の補償がついているものもあります。
自転車保険の義務化って何?
「自転車保険の義務化」という言葉を耳にしたことがあるかもしれませんが、実は自転車保険の加入は国によって義務化されているわけではありません。
国土交通省が自転車損害賠償責任保険等への加入義務化を各都道府県に要請しているという形で、地方自治体によって義務化されているところと義務化されていないところがあります。自転車保険を義務化している自治体は増加傾向にあるので、お住まいの地域で自転車保険が義務化されているかどうか、確認してみましょう。
自転車保険の義務化する自治体が増えている理由
自転車保険の加入を義務化する自治体が増えている背景には、自転車事故の賠償金の高額化が関係しています。近年では、自転車事故で1億円近くの賠償金支払い命令が出された事例などがあります。
自治体では、自転車事故を起こしたときの高額な賠償金の支払いを可能にするため、自転車保険で個人賠償責任保険に加入させることを義務化しているのです。
現在義務化されていない地域でも、個人の努力義務(加入を強制するのではなく、自治体が加入するよう促す)から義務化へ移行するところもあるため、今後は自転車保険の加入は必要だと考えてよいと思います。
子どもでも自転車保険への加入は必要?
小学生や中高生が大きな自転車事故で高額の賠償命令が出されるケースも多くなっており、未成年であっても本人が賠償責任を免れることはできません。子どもが自転車事故を起こしてしまうことを想定して、相手を傷つけてしまった場合の備えをしておくことが大切です。
子どもが自転車に乗り始めたら、自転車事故に備えて、自転車保険の加入を検討するのがオススメです。
子ども向けの自転車保険の種類は?どんな保障がある?
子どもの加入を検討する場合には、賠償責任がより手厚い自転車保険を選択することが重要です。
実は「個人賠償責任保険」は、自転車保険以外にも火災保険や傷害保険、自動車保険などさまざまな保険の特約として付けることができるので、知らず知らずのうちに補償が重複している可能性があります。
子どもの加入を検討する際は、まず親本人が加入している保険の補償内容に、子どもの自転車事故への備えが含まれているかどうかを確認しましょう。そうすることで補償の重複を避けることができます。
子どもの自転車保険は親が入っておけばよい?何歳でも加入できる?
自転車は、道路交通法上の軽車両にあたり、自転車事故によって問われる責任には「刑事責任」と「民事責任」があります。未成年者でもこの責任を免れることはできません。
子どもの親権者が監督者責任に基づき、自転車事故の賠償責任を負うことになるので、もし子どもが事故を起こしてしまった場合には親権者に請求がいきます。
相手を死傷させれば「重過失致死傷罪」に問われることがあるように、「刑事責任」として犯罪を犯した者に対し法律によって刑罰が言い渡されます。
「民事責任」は被害者側に対して負う責任ですが、損害賠償責任は加害者が損害賠償金の全額を負担しなければならないため、その負担は深刻です。
過去には子どもに対して重い判決も下されています。例えば、兵庫県で男子小学生(11歳)が夜間、帰宅途中に自転車で走行中、歩道と車道の区別のない道路において歩行中の女性(62歳)と正面衝突。女性は頭蓋骨骨折等の傷害を負い、意識が戻らない状態となった事故が起きました。この裁判の判決では1億円近い高額な賠償額の支払い命令が下されています(※1)。
※1(出典)一般社団法人 日本損害保険協会発行「知っていますか?自転車事故の実態と備え」より(注)
判決認容額とは、上記裁判における判決文で加害者が支払いを命じられた金額です(金額は概算額)。上記裁判後の上訴等により、加害者が実際に支払う金額とは異なる可能性があります。
このように子どもでも、深刻な自転車事故を起こす危険性は十分ありますので、子どもが自転車を運転するのであれば、個人賠償責任保険の加入を考えましょう。
子どもが自転車保険に加入する際に注意しなければいけないのは、年齢制限です。「満18歳まで」「満1歳から満23歳まで」「20歳~69歳」など加入条件が設定されていることが多いので、まずは子どもの年齢が加入したい保険の条件に合っているかを確認しましょう。
子どもと家族にとって最適な自転車保険の選び方は?
自転車保険はさまざまなプランがありますが、大きく分けると「家族向けプラン」と「個人向けプラン」の2種類に分類されます。2つの違いは、保障の対象が家族単位か、個人かという点です。
「家族向けプラン」は、家族の人数が何人でも保険料が一定なので、「個人向けプラン」にそれぞれ加入するよりも保険料がリーズナブルになることが多いです。
ただし、傷害保険と個人賠償責任保険は既に加入済みの自動車保険や火災保険の特約、クレジットカードなどの付帯サービスやオプションで付けている可能性もあります。損害保険は、実際に起こった損害の範囲内でしか保険金は下りません。重複して加入していると、その分保険料が無駄になってしまいますので、まずは加入している保険を見直してみましょう。
また、自転車保険は比較的リーズナブルなものが多いですが、支払う保険料と補償内容のバランスを考えて選ぶことが大切です。
子どもだけが乗る場合、家族で乗る場合、保険の選び方は違う?
子どもの自転車保険加入を考えるときは、子どもひとりを「個人向けプラン」に入れるのか、家族でまとめて「家族向けプラン」に入るのかを決めます。
子どもだけが自転車で通学し、他の家族はあまり自転車を使用しないならば、子どもだけ加入しても問題ありません。子ども1人が自転車保険に加入する場合は、非常にリーズナブルな保険料が設定されています。
個人賠償責任補償は過去に高額な請求が下された事例もあり、1億円以上あることが望ましいです。そのため、補償額は高いほど安心です。1億円程度を上限としている自転車保険が多いですが、最近では補償額を無制限としている保険もあります。
また示談交渉サービスがついていると安心です。加害者側になると相手に対して損害賠償責任が生じ、示談交渉も自分で行うことになります。事故後は、冷静な判断をすることが難しく精神的にも肉体的にも大変疲弊しますので、示談交渉サービスが補償内容に組み込まれているものを選ぶとよいでしょう。
まとめ|子どもでも自転車保険は必須!
大人に限らず、子どもであっても自転車によるケガや事故は起こり得るものです。自転車の操作ミスやよそ見などで、子どもでも大きな損害を発生させてしまうケースがあり、子どもでも自転車保険は必要です。最近は電動自転車も増えているため、衝突した際に重傷を負う、または負わせる可能性もあります。
自転車に乗ることで重大な事故を起こす可能性は誰でも常にあるということです。とくに死亡事故、後遺障害では1億円近くの支払い命令が出されることもあり、保険に加入していなければ支払える額ではありません。事故を起こしてから「保険を契約しておけばよかった」と後悔しても遅いです。万が一に備えて、家族でしっかり話し合ってご家庭に合う自転車保険を選びましょう。
■監修:ファイナンシャルプランナー 小松香名美
和歌山大学 経済学部卒。旅行会社勤務の後、出産のため退職。2018年に保育士資格を取得し、保育園勤務を経験。2021年にファイナンシャル・プランニング技能検定2級を取得。ファイナンシャルプランナーとして独立し、マネー記事の監修などを行っている。
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