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経済的な不安を抱えながら子育てしているママパパの中には、「副業」に興味を持っている人もいるのではないでしょうか?本業と副業をうまく両立させることができれば、収入アップだけでなく、今後の生活にさまざまなメリットが見込めます。一方で、子どもとの時間が減るなど副業によるデメリットも考えられます。そこで今回は、副業が解禁され始めた理由や副業のメリット・デメリット等について紹介します。
今、副業をする人が増えている!

ママパパが社会人になった頃は、基本的に「副業は禁止」が当たり前の時代でした。しかし、最近は副業を希望する人、実際に副業を行っている人が増えています。厚生労働省労働基準局が公表した資料によると、仕事をしながら追加で就業を希望する人の割合は雇用者全体の6.5%で、1992年の調査よりも2.0%増加しています。
今後は、副業が今まで以上に広がっていく可能性があります。では、なぜ副業をする人や副業を希望する人が増えているのでしょうか。その理由をみていきましょう。
【理由1】副業を許可する企業が増加
2020年あたりから、副業を解禁する企業が増えてきました。一昔前まで日本の雇用は「終身雇用」「年功序列」と言われ、年齢の上昇に比例して給与が上がり、定年まで勤める体系が一般的だったのですが、昨今では終身雇用の崩壊などで企業側が従業員とその家族の生活を守り続けることを約束できない時代です。
会社に頼らず、自分自身で乗り越えるようにして欲しいという背景があり、副業を許可する企業が増えているのです。
【理由2】会社員の給与アップが見込めない
終身雇用が前提の時代は過ぎ去り、毎年昇給がある保証はなくなってきました。また日本経済は少子高齢化社会が進み、保険、税金などの負担がどんどん増えてきています。そのような状況の中、退職金、年金問題などによる将来への不安が大きくなってきており、所得を増やすための副業をする会社員が増えてきました。
【理由3】教育費の高騰が止まらない
少子化に伴い、子育てに対する親の経済的負担は増え続けています。国立大学の授業料は、1990年の33万9600円から53万5800円へと約6割も上昇(文部科学省資料より)しており、将来の教育費のために子どもが小さいうちから副業をして少しでも収入をアップさせたいと考えているママパパが増えています。
【理由4】テレワークの推進で自由な時間が増加
昨今の感染症の拡大による影響で、会社、個人ともに今までの働き方を大きく見直すことにつながりました。テレワークの推進によって、満員電車での長時間通勤から解放された方も多いのではないでしょうか?
一日のうちの長い時間を割いていた通勤時間がなくなると、移動の疲れがありません。この空いた時間を有効活用して「副業で収入を増やしたい・お金を稼ぎたい」と考える人が増えているようです。
【理由5】厚生労働省も副業・兼業を後押し
2018年1月、厚生労働省は「副業・兼業の促進に関わるガイドライン」を作成すると同時に、モデル就業規則の「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」という規定を削除し、副業・兼業について規定を新設しました。(厚生労働省 「副業・兼業」より)
これは日本国民に対しての働き方改革の提案であり、そのうちの1つとして、これまで多くの企業で禁止されていた副業や兼業を推進する流れになったのです。国が副業の推進を明確化したことから副業や兼業に興味を持つ人が増え、実際に始める人も増えてきました。
副業・兼業|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
ママパパが副業をすることのメリットとは?
実際に副業を考えているけれど、子どもがまだ小さいのでどうしようと、ためらっているママパパは多いのではないでしょうか。ここでは小さい子どもがいるママパパが副業をすることのメリットをみていきましょう。
●世帯収入増で習い事や貯蓄ができる
子どもの将来のために小さい頃から色んな習い事をさせたい、その中から得意な事、好きな事を見つけて欲しいと考えるママパパは多いでしょう。
しかしながら、会社からの決まったお給料だけのやりくりでは、習い事をさせたいと思っても、食費を抑えたり娯楽を我慢したりして習い事費用を捻出しなければならないことが多いです。
また、貯金をしようと思っても、なかなかお金はたまっていきません。 常に我慢をしながら生活をすることになってしまう場合が多いのが現状です。
副収入を得ることができれば、今までの生活水準を保ちながら子どもを塾に行かせたり、好きな習い事をさせることができます。
●本業以外のスキルが磨ける
本業以外のスキルを身につけることは将来の転職に活かせることもあります。例えば会社が倒産したりリストラにあうなど雇用がおびやかされたとしても、いろいろな業務実績を積んでおくことで転職に活かせたり、自分の力で稼いでいけます。万が一の将来の不安を軽減することができます。
●本業以外の分野にチャレンジできる
会社員としての給与をもらいながら全く違う職種へチャレンジすることもできます。会社を辞めてスクールに通い、新たな分野のスキルを習得する場合は学費や時間が必要ですが、副業の場合は実際にやってみて収入が得られるので効率的なスキルアップが期待できます。また将来の選択肢が増えることも大きなメリットです。
ママパパが副業をすることのデメリットはある?
副業には良い面だけではなく、デメリットもあります。いざ、副業を始めてから「こんなはずではなかった」「やらなければよかった」ということがないように、副業のデメリットも知っておきましょう。
●子どもに向き合う時間が少なくなる
小さい子どもを持つママパパは副業しようと考えていた時間になっても、子どもが寝てくれなかったり、急に体調を崩したりと、時間を確保することが難しいかもしれません。
これまでの子どもとの時間を副業に充てることにより、心の余裕も無くしてしまっては本末転倒です。子どもが起きる前の早朝に仕事を分散するなどして、試行錯誤しながらリズムを作る必要が出てきます。無理のしすぎでママパパが体調を崩すことがないようにしましょう。
●家族のだんらんタイムが減る
本業の休みの日は家族で出かけたり、ランチに行ったりと、ゆっくりとリフレッシュする日ですね。しかし、本業に加えて別の仕事が増えると、今まで通りの休日が過ごせなくなるかもしれません。
会社員として平日勤務し、休日が忙しくなることで、家族に対して徐々に後ろめたい気持ちになっていきがちです。副業を始める際はスケジュールの調整はもちろん、無理のない範囲で行うことを心がけてください。
●収入の増加分で増税の可能性がある
副業には収入が増えるというメリットがありますが、当然その分、税金や保育料の基準となる総所得は増えてしまいます。
所得の増加により保育料が上がったり、各種手当が受け取れなくなってしまうこともあります。また年間で20万円以上の所得があると確定申告が必要になります。副業を行う上では税金の管理は避けて通れません。
これらを怠ってしまうと脱税となりますので、本業以外で年間所得が20万円以上ある場合は必ず確定申告を行って下さい。
ママパパが副業をする際の注意点
ママパパが副業を始める際には、いくつかの注意点があります。自分が副業をしても大丈夫かどうか、確認しておきましょう。
【注意点1】勤務先は副業OKか?
副業を始めると決めた人は、必ず勤務先の「就業規則」をチェックしましょう。
会社によっては就業規則で副業を禁止している場合があるため、確認せずに副業をしてしまうと処分の対象となる可能性があります。また、勤務先が副業を許可している場合でも届け出をする必要があったり、細部にまで副業のルールが決められていることもあるので注意してください。
【注意点2】子どもへの影響がないか
本業を持ちながら副業をするということは必然的に子どもと接する時間が少なくなります。多忙なときなどは、仕事を家庭に持ち込むこともあるでしょう。
ママパパがやることに追われて常にイライラしてしまっている状態は要注意です。小さい子どもを持つママパパは、時間の制約によって子どもへの影響がないかを検討してから始めましょう。
【注意点3】収入が増えた分の使い道を決めているか
副業で収入が増えたからといって、気が大きくなり散財してしまっては元も子もないですよね。収入の増加分は何にどれだけ使うか、家計設計をきちんと計画立てて決めておきましょう。
できればパートナーの収入と総合して家計の総所得を確認し、貯蓄や投資、教育費、住宅ローンの返済計画などを検討するのがオススメです。
副業は長期的なメリットを考えて計画を立てよう
会社員として働いているといつかは定年を迎えるため、老後の貯蓄を考えて節約することもあるでしょう。フリーランスで働く副業は定年がなく、働けばその分収入を得る時間を引き延ばすことができます。選択するものによっては一生涯できるものもあります。
とはいっても、幼い子どもがいるママパパには今はなかなか時間が取れないという方も多いでしょう。長期的なメリットを考え、時間的に足りない部分はベビーシッターや家事代行サービスを依頼して乗り切ってみてはいかがでしょうか。
ベビーシッター料金よりも副業で稼げるなら問題はないですし、少々赤字でも将来を考えてのスキルアップなら大いに意味のあるものでしょう。
最近は、在宅ワークの副業も増えています。子育てと副業のバランスを考えつつ、まずはチャレンジしてみるのもおすすめです。
ベビーシッターを依頼してみる
まとめ|ママパパの副業はベビーシッターや家事代行も活用して
会社員が副業を始めるときは本業との兼ね合いや税制などにも注意する必要があります。副業初心者のママパパであれば、手軽に始められる、少額の副業からスタートしてみましょう。
また、小さい子どもを持つママパパはどうしても時間に追われてしまいがちです。そのような際は家事代行を頼む、ベビーシッターにお迎えを頼むなど、時間をうまく使いましょう。ママパパにとって、副業をすることでさらに家族が笑顔になれればいいですね。
■監修:ファイナンシャルプランナー 小松香名美
和歌山大学 経済学部卒。旅行会社勤務の後、出産のため退職。2018年に保育士資格を取得し、保育園勤務を経験。2021年にファイナンシャル・プランニング技能検定2級を取得。ファイナンシャルプランナーとして独立し、マネー記事の監修などを行っている。
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