「せっかく作ったのにご飯を食べてくれない」「野菜だけをいつも残してしまう」「そもそも偏食にならないように離乳食からどう対応したら良いかわからない」など、食事が始まると子どもの『偏食』について気になることもありますよね。そこで今回は、一般的に子どもの偏食が起きる原因、そして少しでも偏食を直すためにできることを管理栄養士がご紹介します!

子どもの偏食とはどういうものなの?



偏食とは、「一般的にある特定の食品に対する好き嫌いがはっきりしていて、しかもその程度が大きい場合」と言います。偏食は成長するにつれて直り、食べられるものが増えてくる場合も多いですが、それは年齢によるものや、味覚の発達などに関係しているといわれています。厚生労働省の調べによると、子どもの偏食について3人に1人が悩んでいるようです(※)。


※)厚生労働省 平成27年 乳幼児栄養調査

なぜ子どもの偏食は起きるの?偏食予防の原点「味覚を育てる」とは?



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偏食が起きる原因はいくつかありますが、多くは年齢や味覚の発達によって起きます。そこで大切なのは「幼児期までになにをどのように食べるか?」ということです。一般的に生後半年前後で離乳食が始まりますが、この頃から2歳まではいろいろな味覚を受け入れる時期です。


そして、2歳を過ぎるころから徐々に好き嫌いが出てきます。「魔の2歳」とも言われるようにイヤイヤ期がはじまります。自我が芽生えてきて自己主張も強くなるので、今まで食べていたものを拒否することも珍しくありません。その後、最も偏食がピークになるのは4〜5歳のようです。その後、小学校低学年ごろには、好きな食べ物と嫌いな食べ物が定着してしまうといわれています。


2歳までに多くの食材を素材そのものの味で食べさせることが大事


離乳食が始まる生後半年前後から、自我が芽生える2歳までにさまざまな味を経験させることが大切です。味覚には「旨味」「塩味」「酸味」「甘味」「苦味」の5種類があり、これらをまずは薄めの味にして一通り与えてみること、そして素材そのものの味を知るために、様々な食材を味付けせずに与えてみることも大切です。


子どもが一度嫌って食べなかったとしても食卓には根気よく並べてみることも大切です。「まずは一口だけでも食べようね」と少量を与えるようにしてみると良いでしょう。逆に、この時期に多くの味や食材を経験しなかった場合には、大きくなった時に知らない味だから食べたくないということから、結果、偏食に繋がってしまう傾向もあります。


また、味付けが濃いもの(特に甘味)ばかりを食べさせると味覚が鈍り、食事の味をきちんと認識できなくなるおそれがあります。ですので、まずはできるだけ離乳食期から薄味を心がけて、甘いお菓子などは必要以上に与えないよう気を付けましょう。さらに、ミネラルの一種である亜鉛が不足しても正しく味が認識できなくなると言われています。亜鉛は牡蠣やレバー、卵、海苔などに含まれているのでこれらを離乳食時期から食べさせることで味覚を正常に保ち、将来的な偏食予防ができます。


子どもの苦手食材は栄養がいっぱい


偏食になりやすい子どもの苦手な食材としては、野菜類、海藻類、魚介類、乳・乳製品などがあげられています。野菜類の中でも、特にピーマンやほうれん草など、やや苦みのある緑の野菜や、にんじん・トマトといった味が濃い赤い野菜を苦手な子どもが比較的多いようです。これらは緑黄色野菜と言って、抗酸化力が高く免疫力にも関与したり、体に必要な栄養素がたっぷり含まれるので、できれば毎日食べてもらいたい食材です。


また海藻類は、ミネラルや食物繊維が豊富なので、体の調子を整えたり、腸内環境を整える働きがあるため、便秘が気になる子どもには特に食べさせたい食材です。魚介類は鯖や鮭など、不飽和脂肪酸であるオメガ3系(DHA、EPA)が含まれており、一般的に『頭の回転をよくする油』として知られています。幼稚園受験や小学校受験を考えている子どもには是非食べさせたい食材ですよね!


乳や乳製品は、たんぱく質源として優秀です。特にチーズは牛乳の栄養がぎゅっと濃縮されており、効率よくカルシウムを摂ることができるので、アレルギーなどがない限り、こちらも毎日食べてほしい食材です。

偏食する子どもにどう対応すれば良い?



偏食をしやすい時期や、子供の好き嫌いが出やすい食材を知ったところで、次は本題の偏食をしてしまう場合の対応策として試してもらいたいヒントをお伝えします!


【環境編】


① お友達と一緒に食べる
「家の食事で出るピーマンは食べないけれども、保育園や幼稚園の給食ではピーマンが食べられる」というのはよくあること。お友達と一緒なら食べられそう!というタイプであれば、保育園や幼稚園の先生にお願いして「みんなと一緒に楽しく食べる」ことを促してもらいましょう。そうすることで普段は食べず嫌いをする食材も、みんなと一緒に食べて克服できる場合もあります。


② 成功体験を増やす
一口でも食べたら大げさにでも褒めてあげましょう!子どもにとって小さな成功体験を増やしていくことも偏食をなくすための大切なポイントです。ママやパパだけではなく、第三者である保育園や幼稚園の先生、ベビーシッターなどに褒めてもらえるよう協力を頼むのも効果倍増ですね。


③ 一緒に野菜を栽培・料理してみる
一緒に野菜を育ててみる、一緒に料理をしてみるという体験を通じて、食べたくなるような環境作りをするのもオススメです。「ぼくが育てたピーマン♪」「私が毎日水やりをしたトマト♪」というように栽培や収穫体験をすることで、苦手な野菜にも愛着が沸いて美味しく食べてくれることもあります。


さらに、野菜のキャラクターを作って子どもとの会話に意識的に取り入れてみるのもオススメです(アンパンマンでは野菜のキャラクターがたくさんいますし、ご自身で考えたキャラクターでも良いですね)。そうやって、少しでも野菜の苦手意識をなくしてあげましょう。


また、一緒に料理に取り組むことで「自分で作ったからいつもより美味しい♪」と喜んで食べてくれることも多いです。料理と言っても、野菜のヘタを取る、野菜を手でちぎる、卵を割る、材料をスプーンで混ぜるなど、子どもでも安全にできる範囲で取り組んでもらいます。仮に、料理中に失敗しても温かく見守ることが大切です。「美味しく楽しく食べるための取り組み」を実践していきましょう!


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【調理編】


① 野菜類は細かくして材料に混ぜ込む
苦手な野菜類は細かくして他のものと混ぜてしまいましょう。ポイントとしては「好きなものに混ぜ込む」「できるだけそのものの味を消すような料理にする」ことです。ピーマンやほうれん草、ネギなど苦みのある野菜ならば、お好み焼きの具材として細かく切って混ぜ込んだり、パスタのソースにしたり(食材の味を消すにはトマトソースがオススメです!)、餃子の具として中に入れたり、ハンバーグやつくねの挽肉と一緒に混ぜて焼いてしまうのも効果的です。麺類が好きな子どもならば、細かく刻んだ野菜を上にのせて一緒に食べてもらうのも良いでしょう。


② 甘味のある野菜ならスイーツに変身させる
にんじんやかぼちゃなど、甘味のある野菜は牛乳と出汁で味を付けてスープにしたり、蒸してペースト状にしてから蒸しパンやパンケーキの生地に混ぜて焼く、牛乳と混ぜてプリンにする、などスイーツにすると喜んで食べてくれることもあります。


③ 混ぜご飯のおにぎりは鉄板!海苔も活用して隠す
しらすや鮭などの魚介類や、ワカメやひじきなどの海藻類はご飯に混ぜておにぎりにするのが最も食べやすくてオススメです。薄く醤油をつけて両面をこんがり焼いて焼きおにぎりにしたり、おにぎりを海苔で包めば、苦手な食材も隠せてしまいますよ!


④ 乳製品は和食にも合う!意外な調理法も試してみる
乳製品は隠し味として使うと気づかずに食べてくれることも多いです。例えば味噌汁に牛乳を少し入れるとまろやかな味になります。チーズを細かく刻んでご飯に混ぜておにぎりにしてもチーズの旨味がご飯に合ってとても美味しいです。意外と思われるかもしれませんが、乳製品の旨味は和食にとてもマッチします!また、ヨーグルトはしっかりと水を切り、トマトソースの料理に混ぜると酸っぱさが気にならなくなりますし、パンケーキの生地に入れると、一層ふんわり仕上がりますよ!

『手を抜いてみる』『頼れる時は頼る』というのも大切!



子どもの偏食で悩まれているママパパで、すでに色々と工夫していらっしゃる方もいるでしょう。毎日あの手この手で食事を出してみても、我が子は一向に食べない...、そんな日も時にはありますよね。そんな時は一人で抱え込まずに、管理栄養士の資格を持つ家事サポーターに依頼して、作り置きや離乳食を作ってもらうのはいかがでしょうか?いつも食べているママパパの味ではないですが、新しい味や香りのする料理になったことで、苦手食材を食べてくれる場合もあります。


さらには、子どもの気に入るアイデアを教えてもらえるきっかけにもなるでしょう。今は市販でジュニアプロテインなども手に入るため、それらを取り入れて栄養素を補うことも1つの選択肢として考えてみましょう。

まとめ

離乳食期から2歳前後までは、さまざまな味を経験させてあげることで「食べたことがない=苦手な味」を減らせるチャンスの時期でもありますね。2歳以降でも環境や調理法の工夫により偏食を克服することができます。偏食に悩んで落ち込んでしまうような時は、保育園や幼稚園の先生に相談したり、家事代行サービスを頼るなどし、完璧を目指しすぎずに笑顔で育児をすることを大切にしましょう!