講談社で「ドラゴン桜」(三田紀房)、「働きマン」(安野モヨコ)、「宇宙兄弟」(小山宙哉)などのヒット作を担当した後、株式会社コルクを立ち上げた佐渡島庸平さん。

3人の息子さんを持つ佐渡島さんに、前編では子どもの才能を引き出すコツをお伺いしました。後編では、経営と子育ての共通点や、ベビーシッター活用についてお話を聞きました。

結果を求めない、焦らない、怒らない。

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ー佐渡島さんはコルクの経営もされていますが、経営と子育ての共通点はありますか?

佐渡島:経営にも子育てにも共通して言えることですが、「人を育てるとは期待しないことである」と思うようになりました。結果を求めてもダメだし、焦ってもダメ。怒ってもダメだなと。

ー全く期待しないんですか?期待しない、というのは冷たく聞こえますが。

佐渡島:そうかもしれませんね。でも、他人に期待するのは甘えだと思うんです。

「期待する」とは、こちらがその人のあり方を否定して、自分が思う方向に持っていくことです。「期待する」という言葉は、言う側が相手をコントロールしたいときに使われている言葉で、本当の意味での「期待」として使われていないのではないかなと思います。

それぞれの人はそれぞれの人なりに、あり方は自由なんですよ。「他人に期待しない心のあり方を創ること」は、僕がこの数年で一番努力していることですね。

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ー経営でも子育てでも、こちら側が「このくらいの成績を出してほしい」「こう育ってほしい」と思っている時点で、相手をコントロールしていることになると。

佐渡島:そうです。それは期待しているんじゃなくて管理しようとしている。本当の期待とは、「どんな状態でも、その人が幸せだったら良いと思って待つこと」だと思うんですよね。

ー佐渡島さんが新人作家を育てる時も、じっくり待つのでしょうか。

佐渡島:愛情を持ってじっと待ち続けますね。新人作家というのは何年も結果が出なかったりするのですが、「結果を出さなくても相手のことを好きであり続けること」が大切だと思います。

子供もそうですよね。「老後自分のことを養ってくれるから子育てする」という話ではないじゃないですか。リターンのためではなく、なんかもう無条件の愛というか。

結果ではなく、プロセスを褒める

ー確かにそうですね。他に経営や子育ての面で気をつけていることはありますか?

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佐渡島:「褒めること」については気をつけていますね。「褒める」って基本的には良い行為だとされているのですが、さっきの期待と同じで、コントロールが透けて見える行為だと思っています。

叱るも褒めるもどっちも正しくやらないとダメなんですよね。これもドラゴン桜から学んだのですが、褒める時は「具体的にその場で」「自分の気持ちを伝えること」を意識しています。

ー褒める時はその人の人格ではなく、具体的な行動に対して、「〇〇してくれて嬉しい」とその場で伝えると良いと聞いたことがあります。

佐渡島:そうですね。あと、アウトプットを「すごいね」って褒めるんじゃなくて、そのアウトプットを出すために努力したことを「すごいね」と言うようにしています。たとえ失敗したとしても、「すごかったね頑張ったね」「チャレンジしたことが価値があるよ」と。

ー「ドラゴン桜」にもそういうシーンがありましたね。親が「あなたが東大に受かっても受からなくてもどっちでもいい」と思うことが重要だ、と。

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佐渡島:そうですね。親が「結果はどうでもいい」「目標に向かって頑張ることが大事なんだ」と思うことで、子どもは失敗への恐怖心がなくなり、チャレンジに前向きになれます。

経営も子育てもそうですが、社員や息子には「失敗しても認められるんだ」と思ってほしくて。教育の研究でも、チャレンジをいとわない人が最終的に伸びることが証明されています。失敗しても、その結果を出すために努力したことが重要。

だから、「失敗しても戻ってこれる安心安全な場所があるよ」と伝えるのを一番丁寧にやっていますね。

ベビーシッターを巻き込んだ子育て

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ーここからはベビーシッター活用についてお伺いできればと思います。いつぐらいからシッターさんも含めた子育てをされるようになったのですか?

佐渡島:1人目の時からベビーシッターの方に入ってもらっていました。子どもが3人になってからは、回数がどんどん増えましたね。今は月に2,3回来てもらっていて、主に妻が仕事をするときに子どもを見てもらっています。

ー佐渡島さんが初めてベビーシッターを利用されるときに感じた「壁」はありましたか?

佐渡島:僕は妻の負担が楽になる方が嬉しいので割と前向きだったのですが、妻ははじめ抵抗があったみたいです。

母親って子どもが無力な状態を誰よりも知っているじゃないですか。僕は子どもがある程度の年齢になれば、シッターさんに預けるのも社会経験としてアリだと思っていたのですが、妻は最初違ったみたいで。

でも、シッターさんに何度か来てもらっているうちに安心したみたいですね。

ーキッズラインに期待することはありますか?

佐渡島:うちの場合は息子3人なので、「3人見てもOK」というシッターの方がもっと増えればいいなと思いました。あと子供たちが喧嘩しまくるので、そこらへんの大混乱にも慣れている方だとありがたいですね。

今年からは育児のスケジュールを抑えるように

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ーご期待に添えるように頑張ります。最後に、お仕事でバリバリ活躍されている男性が、仕事と育児を両立するにはどんなことが大切でしょうか?

佐渡島:仕事の量を減らすことが重要ですかね。と、言いつつ僕も減らせていないのですが…(笑)

このままだと子供とご飯を食べる回数よりも、社員とのご飯の回数の方が多くなりそうだと危機感を覚えたので、今年から毎週火曜日の夜は予定を全部ブロックすることにして、週に1回は家でご飯を食べるようしたいと思っています。

育児ってどうしてもスケジュールが空いた時にやろうと思ってしまうのですが、それだと後回しになってしまうので、ちゃんとスケジュールを抑えに行くのが重要ですね。

ーありがとうございました!

子どもに期待することや褒め方について、参考になった方も多いのではないでしょうか。育児になかなか時間を取れていない男性は、思い切ってスケジュールをブロックしてみるのも良いかもしれませんね。

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[取材・文:あつたゆか]