保育園勤務、幼稚園勤務を経て、小学校6年生と中学校2年生の2人の娘さんを子育て中のりえさん。子育てをしつつ、大好きな料理とパンの教室を主宰し、キッズラインのベビーシッターとして活躍しています。保育園、幼稚園勤務を経て、好きなことを仕事にしたきっかけは何なのか、子育てのプロに聞くこれからの子育てについてインタビューしてきました。

保育園、幼稚園勤務、子育て経験を生かして

ーりえさんのプロフィールをお願いします。

大学卒業後、保育園に3年勤めました。その後、幼稚園の先生へ転身しました。保育園は早番、遅番と不規則な勤務体制であったため、当時体調を崩してしまったんです。この働き方を長く続けていくのは難しいなと感じての決断でした。幼稚園勤務時代は育休、産休という制度がなかったので妊娠8ヶ月まで働き退職しました。

ー近年、保育士さんの待遇面が問題になっていますが、りえさんが保育園勤務していた頃、待遇面で問題を感じたことはありますか?

当時は保育士の給料は良かったと思います。定時で帰宅もできたので待遇面で不満を感じたことはなかったですね。ただ早番、遅番で体力を使う仕事ですので、体調管理が難しく、結婚や出産をしても続けられるかなという不安は感じていました。

ーキッズラインで仕事を始めたきっかけは何ですか?

共通の趣味を持つ友人がキッズラインスタッフの中にいまして保育園と幼稚園で働いていた経験と子育て経験を生かして働いてみないかと、声を掛けてもらいました。お仕事を始めて1年と少し経ちましたね。

ー保育士とベビーシッターの違いは何でしょうか。

毎回ではないですが初めましての回は緊張しますよ。初めて伺う家の場合、緊急時のことなど事前に確認します。保育士は毎日子どもと顔を合わせますが、ベビーシッターは不定期なことが多いですよね。久しぶりに会ったお子さんの成長した姿を見ると、とても嬉しく思います。

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好きなこと、やりたいことを仕事にする

ーキッズラインで働く前は何のお仕事をされていましたか?

今もパンとお料理の教室を主宰しています。生徒さんに教えるのはもちろん、レシピを開発するのにも時間を割いていますね。その他に以前勤めていた子ども園で、今も継続して1学期の忙しい時期の補助、夏休みの保育のお手伝いをしています。自分が本当に好きなこと、やりたいことをやっていたらこんな生活になっていました。

ー保育士として復職しなかったのはなぜですか?

子どもはもちろん好きですが、娘がただいまと言ったときに家にいてあげたいなと思ったんです。私は料理が大好きなので、好きな料理を人に教えつつ、娘を迎えてあげられるお料理教室をやりたいなと思いました。長女が幼稚園にいた当時のママ友と、子ども達が小学生になって手が離れてきたらこんなことをやりたいよねという話をよくしていました。

ーとても意識の高いママの集まりだったんですね。

特別に意識が高かったというわけではないと思うんです。当時はもしかすると、隙間の時代だったのかもしれませんね。今は育休産休の制度があって、働いているママはある時期になると所属している会社へ復帰することができますよね。でも当時は育休産休という制度が整っておらず、出産を機に退職というのが一般的でした。だから自分の時間ができたらこんなことをやりたいね、ということを話しをするのも自然な流れでしたし、一度子育てでブランクが空いてしまっているので、それならばとみんな好きなことを選択していたのではないでしょうか。

ー他のママ達はどのような仕事に就かれましたか?

もともと就いていた仕事に関係なく、それぞれが好きなことを始めました。陶芸家、ネイリストと様々です。みんな個々にやりたいことがあったので、勉強や資格取得の際は助け合いの精神で、子どもを預けたり預かったりしていました。持ちつ持たれつですね。子ども同士が仲良くなるのはもちろん、妹や弟がいない子も上下の関係を学べたり、男の子って女の子ってこんなかんじというのも学べて、親にも子にも良い環境でしたね。今それぞれ違う仕事をしていますが、何かの機会に仕事を紹介したり、してもらったり、人との繋がりって大切だなと感じます。人との繋がりがなければ、私も今こうしてキッズラインでお仕事していないわけですからね。

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りえさんが主宰するパン・お料理教室のレッスンの様子

感謝の気持ちを伝えて、いつまでも夫婦仲良く

ーイキイキしているママを見るとパパも嬉しいですよね。

そうですね、でもパパありきだなとも思います。人と比べたらうちはお皿も洗ってくれない、料理もしてくれないと、無いものに目が行ってしまいますが、感謝することが大切だと思うんですね。働いてくれてありがとう、手伝ってくれてありがとうと思うことで、お互い思いやりを持つことができますよね。感謝を忘れてしまうと家族が家族でなくなってしまうと思います。子どもは極端に考えてしまうので、両親の不仲には敏感だと思います。

ーりえさんの夫婦円満の秘訣は何ですか?

一番大切なのは感謝を口に出して伝えることでしょうか。子育ては母親がするものと思ってほしくなかったので、出産した当初から育児に参加して欲しいと伝えていました。平等にというわけにはいきませんが、授業参観や面談は参加できるときは参加してもらっています。今は育メンという言葉もあるくらい、パパが育児参加をする雰囲気になっていますよね。当時はパパも育児に参加するというのは珍しかったかもしれません。なのでできる範囲で協力してくれた夫にとても感謝しています。男の人は思っていることを言葉にするのは苦手みたいですよ。穏やかに話をしているときに、感謝の気持ちを伝えてくれると嬉しいなと伝えてみて下さい。そして自分も相手に感謝の気持ちを都度伝えることで、感謝の気持ちが循環していくと思います。不思議なものでありがとうと言われると、また頑張ろうと思えてしまいますよね。

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長所に目を向けて

ー自身の子育てで悩んだことはありますか?

上の娘がすごく偏食だったんですね、うどん、大根、にんじんしか食べず、食が細かったので当時とても心配していました。離乳食の本を調べると、この時期は白身魚、次はほうれん草といった具合にマニュアル化されているんですよね。でもある時、食べてくれるならいいやと思えるようになったんです。空腹になったら何か食べるだろうし、食事バランスの前に食べてくれているだけでもいいと思うようになりました。あとは幼稚園でみんなが集合しても1人隅の方でまだ遊んでいたりして、あれれと思ったこともありますが、それでも健康に育ってくれているのでまぁいいかと思うようになりましたね。人と比べなくていいんです。その子のできるところに目を向けてあげることが大切だと思いますよ。

ーご自身の子育てのサポートはどうしていましたか?

親からのサポートはほとんど受けず、ほぼ1人で乗り切りました。家では夫の帰りも遅く1人でしたが、地域の母親学級で知り合ったママ、産婦人科で知り合いになったママと横の繋がりが出来ていたので、とても助けられましたね。午前中に外に出て、近所のお友達みんなで遊んで、お昼も公民館などで一緒に食べて、1度解散して子どもをお昼寝をさせて、その間に夕飯の支度をしていました。赤ちゃんで16時から18時くらいに泣くんですよ。夕方のなんとも言えない空気感を察するのか、ママが忙しそうに夕飯の準備をしているのを察するのか、赤ちゃんの機嫌が悪くなったりするんですよ。この魔の時間に、またママ友と集合して、子ども達がグズグズしながらもなんとなくやり過ごしていました。ママも1人で泣かれると辛いですが、誰か話し相手がいると気が紛れるんですよね。近所のお友達と集まってほとんど育児の話しかしていませんでしたが、とても良いストレス発散になっていたと思います。

ー羨ましいです、今はご近所付き合いが減っているように感じます。

赤ちゃんを連れて外に出ると違いますよ。年配の方が話しかけてくれたり、同じくらいの赤ちゃんを連れているママと立ち話をしたりしますからね。そこから始まる新しい輪があると思います。ママ友との関係が面倒だという方もいると思いますが、自分で距離感を調整してみて下さい。孤独な育児は辛いですが、誰かに話を聞いてもらえるというのはとてもありがたいことだと思います。

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これから子ども達は自分の軸を強く持つ必要がある

ー自身の子育てで心がけていることは何でしょうか?

お手伝いをしてもらうように心がけていました。大人になってから家事をするのと、子どもの頃から自然と家事が身に付くのでは全然違いますよね。そして家事には全ての段取りが集約されていると思います。お湯を沸かしながら、洗い物をして、何時までに洗濯もしてと、自分で計画実行できる能力は大人になってからも必ず生きてきますよね。そして子どものやりたい、好きだということを母親が汲んで、やらせてあげる、それがお手伝いに集約されていると考えています。上手くできなくても、手伝ってくれたことに対して、ありがとうと言うと、子どもはまた頑張ろうと思うんですよね。どの子もママの喜ぶ顔が大好きなんです。ママを喜ばせたい一心で色々学んでくれるのではと、思います。

ー娘さんにはどのような大人になって欲しいですか?

自立し、稼げる人になって欲しいですね。自分で何をやりたいか、得意か分かっている。そしてそれを実行する、当たり前のようですが自分のことを自分ですることが大切だと考えています。日頃のお手伝いの積み重ねが娘の自立に繋がればいいなと思い、自立するまで失敗は付き物ですが、失敗する過程で色々学んでほしいと思います。

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ーこれからの子育てに必要なものは何だと思いますか?

会社に属す人が減ってくると思うんです。そうすると自分の好きなもの、これという物がないと生き残れないのではないでしょうか。私自身、娘達にもこれという物を見つけてほしいなと思っています。それには親のサポートが必要だと感じます。この子は何が得意なのか、何が好きなのか見極めて導いてあげる、それが大切だと思いますね。自分の望みを重ね合わせたりしてしまって葛藤ももちろんありますよ。親の心、子知らずです。

ー個性重視の時代になってきたと感じるということでしょうか?

娘の受験問題を見てみると、適正検査型の試験が増えているんですね。現に2020年から大学受験は適正検査型になっていくと言われているようです。今までは計算問題でこれが答え、歴史問題でこの年数が答えという試験でしたよね。それが減りつつあり、これに対してどう思うかと聞かれたりする問題が増えています。かつて受験勉強で暗記した内容て覚えていますか?そのときの試験に合格するために詰め込んだ知識って、なかなか日常生活では生きてこない知識ですよね。そう考えると、試験を通じて自分の考えをまとめる力が鍛えられて、将来必要な能力が磨かれていくのではないかと思います。

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ー最後に子育てに悩むママにメッセージをお願いします。

子どもの要望が叶えられるときは叶えて、叶えられないときは叶えなくていいと思います。呼吸困難になるんじゃないか?というくらい、赤ちゃんが泣くときは放っておけないですけど、ママも手が離せない瞬間がありますよね。そういう時は子どもに待っていてもらう時もあるかもしれません。赤ちゃんもママも十人十色で、成長のスピードも違います。どんなに夜泣きしていた子も、周りより成長が遅かった子も、10年も経てば何も問題なかったんだなと思えますよ。私自身、今だからそう言えるのかもしれないですけどね。目の前のことで精一杯になってしまいますが、子育てを1年単位、それ以上に長いものと捉えてみて下さい。少し肩の荷が軽くなるかもしれません。きっと妊婦の頃は、こんな子育てがしたいと思い描くものがあったのではないでしょうか。人と比べず、自分の感覚を大切にしていいと思うんです。その子の長所に目を向けてあげましょう。

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ーいかがでしたでしょうか。

いつか好きなことを仕事にしたい、働きたいけど子どもと過ごす時間も大切にしたいと考えるママは多いですよね。りえさんのように好きなことを仕事に、家族の時間も大切にするライフスタイルが参考になればと思います。またこれからの育児、教育についても学ぶことの多いインタビューでした。この記事をきっかけに、子どもの得意なことや将来のことをパートナーと話してみてはいかがでしょうか。明日からの育児がもっと楽しくなりますように。

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