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東京大学卒業後、マサチューセッツ工科大学で博士号を取得。データとアルゴリズムを駆使した事業成長サポートをする他、イェール大学助教授としての顔をもつ成田悠輔さん。最近では研究者・事業者の他TVのコメンテーターや、多くのメディアで活躍されています。今回は、そんな成田さんと経沢が対談!成田さんの考える今と未来の子育て論を語っていただきました。

不登校になっても将来何とでもなる?!

成田先生フォト1

経沢:成田先生は学校に行かずに東大に合格、しかも首席で卒業されたとのことで驚きました。どんな子供時代だったんですか?


成田さん:体力がなく、眠りに関する障害があって朝起きれない、なので学校に行けない。そんな少年でした。今も似たようなもので寝てたら夕方になってたりするので、学校や会社に毎日行くなんて無理。社会人にはなれないし、まともな組織にも属せない。そんな感じで生きてきたら暇になって「自分のやりたいことをやっていた」という感じです。


経沢:私も子どもがいるのですが、子どもにはある程度、一般的、常識的な生活スタイルを期待してしまいます。ですが、その反面、子どもが本当にやりたいことを見つけて欲しいという思いもあります。親としては複雑な心境ですが、先生のように学校へ行けない状況をご両親はどのように思われていたのでしょう。



成田さん:朝、学校へ行くと言って家を出ていたので、学校に行っていると思っていたんじゃないでしょうか。道や駅のベンチで寝てたり、山手線を5周していたりしてましたけど(笑)。



経沢:当時の、ご自身の心境はどのようなものだったのですか?


成田さん:20代前半までは「みんなと同じ普通のことを自分もしなくてはいけないんじゃないか。約束を寝ブッチばかりしてる自分はさすがにやばいんじゃないか」という思いにちょっと苦しんでいましたね。



経沢:大人になった今は、当時の自分にどんなアドバイスをすると思いますか?



成田さん:悩む必要はないし、社会から逸脱しても逸脱した人なりの価値がある。だから「なんとでもなるよ」と声をかけたいですね。ただ、学校や会社といった集団生活や協調性を強いられる環境もあった方がいいと思いますね。学校や会社に抑圧されることで、自分のことを色々と考える機会になりますから。



ただ、これは今だから言えることで、当時の僕が今のような考え方をしていたら、早く悟りすぎちゃってつまんない気がしますね。人生は無駄に長いので、10代や20代は不安で悶々として時間を浪費してるくらいでちょうどいいんじゃないでしょうか。



幼少期に出会う先生の存在は子どもの成長を変えます!

会話シーン1

成田さん:「お子様がシッターさんと関わる」ということは、どんな影響があると思いますか?


経沢:集団保育と同じように、シッターサービスのような個別保育もとても大事だと考えています。子どもの個性を尊重して伸ばしたいと考えた時、必ずしも全ての子どもが日本の教育のフレームワークにあうというわけでもないかなぁと。



そして、子供の考えていることを1対1で受け止めること、引き出すことは大事なことだと考えます。1対1で関わるシッターさんと過ごす時間は、お子様にとって十分に影響があると思っています。



成田さん:アメリカで行われた研究で、幼稚園のときにどんな先生に習ったかが児童が大人になった時の収入などに影響するというものがあります。学校や幼稚園という箱の影響はほとんど見られないような状況でも、先生の影響は大きいというデータがいろいろな国で出ているんですよ。それを考えると、シッターさんの存在も影響が大きそうですね。



経沢:凄いことですね!ちなみにどんな先生だったらポジティブな影響が出るというデータ分析があるんですか?


経沢社長フォト1

成田さん:幼稚園だけでなく、小中高でも先生が成績や素行、将来の生活に与える影響は大きいということがわかってきています。性別や経験年数のようなわかりやすい属性よりも、先生の個性や個人差、個々の得意を生かした指導が重要だということもわかってきています。


アメリカだと効果があるとわかった先生を昇給させたり、極端な場合には効果が低い先生を辞めさせるなんてこともあるくらいです。



経沢:弊社でもベビーシッターさんと子供の相性はとても重要だと思っています。現在まで120万件のご依頼をいただいてきましたが、中にはベビーシッターさんと家族のようなお付き合いをしてくださるご家庭もあります。このようにご家庭やお子様の満足度が高いマッチングを多く生み出すために、相性分析を可視化していきたいと思っていますが、どのような方法がありますでしょうか?



成田さん:何を相性の指標とするかが問題ですね。満足度を本人たちに聞くのがわかりやすい出発点でしょうが、さらに子供の成長や教育に関する客観指標も大事ですね。例えば「笑顔が増えた」「たくさん話す」など。



こういった様々な指標に対するベビーシッターさんの貢献を測ることで、それぞれのベビーシッターさんの得意領域や個性を可視化する。それに基づいてご家庭に合ったベビーシッターさんを自動的に見つけてこれるようなマッチングシステムが確立できるといいですよね。



経沢:笑顔が増えるというのはすごく大事なことですよね!



成田さん:将来的には「笑顔」「語彙」「感情の起伏」なども、教育や保育に関するデータとして当たり前のように記録され分析される世の中になると思います。



ベビーシッター文化を広めるためにできることとは?

成田さんフォト2

経沢:今、私たちは「日本にベビーシッター文化を」というビジョンを掲げて活動していますが、成田先生がベビーシッター文化を日本に普及するならどのようなことをされますか?


成田さん:「ベビーシッター」と聞くと「お金を払ってシッティングしてもらう」というビジネスモデルを連想してしまうことが多いと思うんですが、「子供や家族のことをお金で解決するのは後ろめたい」と感じてしまう人がまだ一定数いるんじゃないかな、と思うんです。その後ろめたさはベビーシッターの普及を妨げると思います。



そこで大事になるのは、どうやったら育児に費やす労力をお金で解決していると思われないか、という問題ですね。



例えば、子育てシェアハウスというのがあります。これは、育児の労力をお金で買うというよりは「子育てを自分だけでやるのは大変だからいくつかの家族で一緒に住んで育児をシェアしよう」というもの。昭和的な考え方や生活をデジタルに復元するモデルですよね。こういう看板だとお金が発生しているビジネス・取引というよりも、互助やボランティアという色合いが強くなる。



経沢:確かに料金のことは、重要な点だと思っています。そのため弊社では、ベビーシッターが富裕層のものではなく、できるだけ誰でも使えるサービスになるような工夫をしています。最近では、ベビーシッターサービスの利用にも国から補助金が一部でるようになり、これからもっと多くの人が気軽に頼める社会になって欲しいと思っています。



経沢社長フォト2

成田さん:保育園に預けるのは良いのに、ベビーシッターに預けるとお金で楽してる、という感じが出てしまう。この気持ちを取り除くことが課題になってくるのでしょうね。


それから、「ベビーシッター」という言葉のイメージも大事ですよね。「ベビーシッター」は限られた人しか使えない富裕層のもの、という語感がまだ拭えていない気がします。もっと庶民的な名前に改名してしまうのも手かもしれないですね。



経沢:実は弊社でも過去にネーミングは検討したことがあるんですよ!ただ海外に当たり前にある「ベビーシッター文化」を日本にも作りたいというビジョンに挑戦しているというのもあります。


成田さん:経沢さんやキッズラインの皆さんから見て、ベビーシッター文化を普及するためのボトルネックはどこにあるのでしょう?



経沢:ユーザーにとってのアクセスのしやすさ、どんな人がシッターとしてくるのかわかりやすいことも大事だと思っています。ですので、弊社はスマホ一つで24時間依頼できるサービスを提供することにしたんです。



また、どんな人が来るかは弊社ではシッターさん一人一人のプロフィールを複数の写真と利用してくださった方のレビューとともに一緒に公開することで、「どんな人にきて欲しいか」利用者さんが選べるようにしました。



最近ではzoomで無料で事前面談ができるなど、より相性の良いシッターさんに出会えるように工夫もしています。ここまで走り続けて来ましたが、これからも今まで以上にもっと親御様やお子様の笑顔が増えるマッチングができるサービスに成長していけるよう、努力していきたいです!



ツーショット


前編は成田さんより日本社会におけるベビーシッターのあり方や、研究結果から見えてくる未来の教育や育児についてお話いただきました。後編では、大人と子供のインターネット社会に対する考え方や、成田さんの子育て論をさらに詳しくお伺いします!




【成田悠輔さんのプロフィール】


東京大学を卒業後、マサチューセッツ工科大学(MIT)にて博士号を取得。夜はイェール大学助教授、昼は半熟仮想株式会社代表取締役として研究や事業に従事。専門はデータ・アルゴリズム・ポエムを使ったビジネスや政策の想像とデザイン。スタンフォード大学客員助教授、一橋大学や東京大学の特任准教授・講師なども兼歴任。報道ステーション、クローズアップ現代+、アベマプライム、日経テレ東大学Re:Hackなどの司会やコメンテーターも務める。


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