学生起業を実現し、プライベートブランド「PHOEBE BEAUTY UP」の立ち上げからローンチ後2年で年商17億を達成した、DINETTE株式会社CEOの尾﨑美紀さん。弊社(株式会社キッズライン)代表取締役の経沢香保子との対談〈後編〉では、成功を成し遂げたマインドチェンジの秘訣や、今後のライフステージの展望について、その胸中を深く掘り下げます。

前編はこちら



自分が応援される人になれるかどうかが大事


尾﨑美紀×経沢香保子8

経沢:これまでのお話(前編)を伺っていると、失敗した時にそれを経験にしてステップアップするタフさを感じたんですが、幼い頃の経験は関係していますか?



尾﨑さん:ずっとバレエを習っていたのですが、バレエは階級が分かれているので負けず嫌いの思考は幼い頃からありましたね。でも、「選んだ道を正解にしたい」と強く思うようになったのは、起業してからです。



経沢:学生の頃はタレント活動もされていましたが、芸能と経営の世界で共通する強みはありますか?



尾﨑さん:共通している強みは「人をいかに巻き込めるか」です。芸能もそうですが、起業も、自分が応援される人になれるかどうかがとても大事なんです。そのためには自分が口先だけのことを言っていたのではだめで、ちゃんと結果を出すことが必要なのかなと。しっかりとしたマインドを持っていたら、結果につながる行動ができると思っています。



ほんの少しの“できた”を自分で認めることでマインドチェンジ


経沢:一方で多くの女性の悩みとして「自分はできると思えない」など自己肯定感が持てないということを聞くんですね。大きな目標に挑んだり人を巻き込むときに、尾﨑さんはそういったことを考えられませんでしたか?



尾﨑さん:結果が出ていないときには、私も自己肯定感は低かったです。そんな時はほんの少しの“できた”を自分で認めることでマインドチェンジをしてきました。仕事だけじゃなくてプライベートでも何でもいいんですが、小さな“できた”の積み重ねでマインドって変わるんだということを発見して、それが大きな自己肯定感に変わるということをこの5年で経験しましたね。



経沢:なるほど、マインドチェンジ!逆戻りすることってないですか?



尾﨑さん:落ち込むことはありました。でも落ち込んでも現状って変わらないことに気づいたんです。どこまで落ち込んでも現状が変わらないなら、今何ができるかを考えることが大事で、そうやってマインドチェンジをして頑張ってきました。



女性のビジネスを理解してもらえる社会にするために貢献したい


尾﨑美紀×経沢香保子10

経沢:女性が活躍する社会のために、ロールモデルの他に何が必要でしょうか?



尾﨑さん:起業しやすい環境、活躍しやすいエコシステムが必要なんじゃないかと。今ってまだ経営や投資の世界は男性メインで、「まつ毛美容液って何?」という社会の段階なんですよね。女性だからできる女性のビジネスをどれだけ理解してもらえる社会にできるか、そこに今は貢献したいと思っています。



経沢:私は一つには男女の賃金格差があるかなと思っていて。今は、まず男性にお金が流れて、その次に女性に流れてくるんですよね。でも男女平等にお金が流れてくるようになると、予算を持っている女性が増えて、その人がまた女性に発注するとか、そういう流れが出てくるんじゃないかと。


その中で「美」というのはキーワードで、男性にはわかりにくいけれど女性にはわかりやすい、その橋渡しになる事業をされてるのは、すごく素敵なことだと思うんです。



尾﨑さん:ありがとうございます。



経沢:実際にお客様から「人生がこんなに輝いた!」みたいな声って届いていますか?



尾﨑さん:妊娠された方でまつ毛が抜けたという方がいらっしゃって。「まつ毛美容液」を使ったことで、妊娠や出産を肯定的に捉えられたという長文のお手紙をいただいたこともあります。



経沢:妊娠出産は心身ともに様々な変化をもたらすので、そういう時にお役に立てたら嬉しいですよね。


私はもっと日本に女性リーダーが増えればいいなと思っていて。増えると“票の重み”が出てくるじゃないですか。決定権を持つ女性が増えると、フラットな決定が増えていくと思っていて、そのためにも女性管理職が増えることが大事なんですよね。尾﨑さんの年代でも、女性管理職になりたくないという方はいらっしゃいますか?



尾﨑さん:いらっしゃいますね。



経沢:その方たちが管理職になりたいと思うには、どうしたらよいと思いますか?



尾﨑さん:仕事より家事や子育ての方がプライオリティーの高い人もいて、それはそれで良いと思います。ただ、仕事を頑張りたい、活躍したいと思っているのにそのきっかけがないのは、問題だと思います。頑張りたい人が頑張って正当に評価される社会を作りたいですね。



経沢:私はガラスの天井なく評価されたいという女性はみんなベンチャー企業にいくのがいいと思います。すでに固められた組織で階段を上っていくことにエネルギーを使うよりも、ベンチャーの方がチャンスにあふれていて、学歴や体力に関わらず女性の感性で仕事ができると思うんです。そういった意味では「美容」って女性の感性を生かせて、景気の影響もあまりないですよね?



尾﨑さん:そうですね。いつの時代も“自分磨き”をしたい女性は多いですね。



ゴールを目指すなら、他の人に助けてもらう方が圧倒的に速い


尾﨑美紀×経沢香保子11

経沢:これから尾﨑さん自身は結婚とか出産とか、仕事との両立はどう考えていますか?



尾﨑さん:具体的には、まだ考えていないです。でも海外って人の手を借りて子どもを育てるのが普通じゃないですか。それが当たり前の社会であってほしいですね。



経沢:出産だけは変わってもらえないけれど、子育てはチームでできるんですよね。



尾﨑さん:経営者の先輩の家庭では、限られたリソースは有効に使いたいということで、家事代行を頼まれている方も多いです。



経沢:ワーキングマザーの中には、仕事も育児も全て自分の手で!と頑張っている方もいて、ベビーシッターさんに子どもを預けることに壁を感じる人もいるんですよね。



尾﨑さん:結局、自分で全部やることには限界があるじゃないですか。1人でゴールを目指したいと思っても、他の人に助けてもらいながら目指した方が圧倒的に速いはずなんですよね。



経沢:そうですね。それは経営も同じで最初は1人で頑張っていて、だんだん人に任せられるようになるじゃないですか。「人に任せよう」にシフトするきっかけって、何でしょうか。



尾﨑さん:周りの人に「これいいよ」って勧められたら、自分もやってみようかなと思いますね。初めてベビーシッターさんを雇うってやっぱりちょっと緊張すると思うんですけど、友人が依頼してみたらメリットが大きかったという話を聞くと、「私も一回頼んでみようかな」という気になれるのかなと思います。



1人で頑張らず自分に足りないところを人に頼ることも必要


尾﨑美紀×経沢香保子12

経沢:以前はなかなか弱みを見せられなかったとメディアで語られていましたが、その面でも大きなマインドチェンジがあったんですか?



尾﨑さん:そうですね。そこには「頼る」という言葉がキーワードで、経営者も人になかなか頼れないんですよね。でも弱いところがある自分というのも、周囲に受け入れてもらって、1人で頑張らずに足りていないところを頼れる環境の方が、チームとして“信頼度”が上がることに気付きました。



経沢:完璧な人って周りも助け甲斐がないというか、むしろ私は周囲に頼ってばかりなんですけどね。



尾﨑さん:私もそうです!



経沢:ワンオペ育児とか長時間労働とか、ワークライフバランスが取れないと悩んでいる方も多くて。共働きもシングルも「働きながら育てる」って大変なんですよね。尾﨑さんならどうしますか?



尾﨑さん:共働きで子育てする上で2人の力で限界が出てくれば、絶対にベビーシッターさんですね。そこは明確です。自分の理想は、夫婦がお互いに自分がやりたいことをやって子どもも大事にしたい、そこをあきらめたくないと思っています。となると、自分たちだけの力では無理なんですよね。夫婦どちらも夢を追いかけながら、夫婦としても家族としてもお互いにチアアップできる環境となると、シッターさんは欠かせないと思います。



経沢:ということは、自分と同じ「夢を持っている人」が好き?



尾﨑さん:そうです(笑)



女性には自分をもっと好きになって、自信をもって活躍してもらいたい


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経沢:これから尾﨑さんの後に続いて夢を形にしたい、尾﨑さんみたいになりたいと思っている世代に、メッセージをいただけますか?



尾﨑さん:自分がやりたいと思うことを諦めて、それを他の人が達成したことを想像してみて「それは絶対嫌だ」と思うなら、自分がパイオニアになれるように頑張ってほしいです。



経沢:自分が叶えるということにこだわりを持つということですね。とはいえ、「尾﨑さんだからできるんだよ」と言われることはないですか?



尾﨑さん:他人に「あなたならできるよ」と言われても、自分が自分自身に「できる」と思ってあげないと、根本の自己肯定感はついてこないと思うんですね。そのためには、自分を認めてあげること。ちょっとずつの“できた”を積み重ねることで、自分に自信をつけていくことじゃないでしょうか。



経沢:そういった意味でも「美容」って女性の自己肯定感を上げるためのキーファクターですよね。



尾﨑さん:そうなんです。うちのブランドは、女性のお客様が自分のことを好きになって、自信をもって活躍してもらうというところを最終的なゴールにしています。



経沢:自分に自信を持つということが女性にとってすごく大事かもしれないですね。仕事と家庭の両立が大変とか、社会が作った重荷をはねのけて一歩踏み出すために、「美容」は一つの力になる気がします。見かけにこだわるというのではなくて、「昨日よりもかわいい」と自分が認められたらそれでいいんですよね。今後の目標を改めてお聞きしてもよいですか?



尾﨑さん:まずは上場したいし、女性が活躍できるエコシステムを作りたい。それはずっと変わっていないです。それにお客様に喜ばれるブランドをもっと作っていきたいです。社会に影響を与えられるよう続けていきたいですね。



経沢:今後の更なるご活躍を楽しみにしています!



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尾﨑美紀さんのお話には、多くの女性に勇気を与えるポジティブな言葉があふれていました。その裏には地道な努力と苦労をいとわない、尾﨑さんの強い意志がありました。尾﨑さんが掲げられていた「女性活躍が当たり前になる社会」をともに目指すべく、これからもキッズラインは精進して参ります。


尾﨑さん、本当にありがとうございました!



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【尾﨑美紀さん プロフィール】
2017年に「DINETTE株式会社」を設立。プライベートブランド「PHOEBE BEAUTY UP」からまつ毛美容液を発売し、年商17億円を達成。経済誌「Forbes」が選ぶ「Forbes 30 Under 30 Asia」に、アジアを代表する若手起業家として選出された。人気番組にも出演するなど、今日本で最も注目されている経営者の1人。


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