保育園に預けるタイミングは、定員や入りやすさを考えて「0歳から」と考えているご家庭も多いのではないでしょうか。気になるのはやはり保育料。実は0歳児の保育料は全国一律ではなく、お住まいの自治体・世帯の住民税額・保育時間によって決まります。さらに2025年9月には東京都で第1子の保育料無償化が始まり、2026年9月には大阪市も第1子の無償化を予定するなど、無償化の対象はここ数年で大きく広がっています。
この記事では、0歳児の保育料が決まる仕組みと無償化の最新状況、目安となる金額、ご自身で正確な金額を調べる方法、入園準備にかかる費用までをまとめて解説します。

記事のポイント

⚫︎0歳児の保育料は「世帯の住民税額×自治体×保育時間」で決まり、全国一律の金額はない
⚫︎国が定める上限額は0〜2歳(保育標準時間)で月0〜104,000円。実際の保育料は各自治体がこの範囲内で設定する
⚫︎無償化は東京・大阪・京都など自治体ごとに拡大中で、地域差が大きい。お住まいの自治体の最新情報を必ず確認


0歳児の保育料はどう決まる?4つの要素


0歳児を認可保育所に預ける場合の保育料は、次の4つの要素で決まります。「いくら」とひとことで言えないのは、この4つの掛け合わせがご家庭ごとに違うためです。

① 世帯の住民税額(市町村民税所得割課税額)


認可保育所の保育料は、世帯収入そのものではなく、市町村民税の所得割課税額をもとに階層が決まります。共働きの場合は夫婦合算で計算されます。住宅ローン控除やふるさと納税の扱いなど細かいルールもあるため、源泉徴収票の年収だけで判断せず、課税額ベースで確認するのが正確です。

② お住まいの自治体


保育料の料金表(階層区分と金額)は、各市区町村が独自に定めています。同じ課税額でも自治体によって金額に差があり、引越しで市区町村が変わると保育料が上がる・下がるということも起こります。料金表は毎年見直される場合があるため、入園する年度のものを必ず確認しましょう。

③ 保育時間(保育標準時間/保育短時間)


保育の必要量の認定によって「保育標準時間(最長11時間)」と「保育短時間(最長8時間)」に分かれ、保育料も変わります。就労時間などによってどちらの認定になるかが決まります。

④ きょうだいの人数・無償化制度の適用


第2子・第3子には保育料の軽減があり(カウント方法は自治体によって異なります)、さらに次の章で紹介する無償化制度の対象になれば、0歳児でも保育料がかからないケースがあります。「0歳児だから必ず保育料がかかる」とは限らないのが、いまの制度の重要なポイントです。

【目安】実際いくら?国が定める保育料の上限額(0〜2歳)


具体的な金額は自治体ごとに違いますが、上限の目安は国が定めています。3号認定(満3歳未満)・保育標準時間の場合、国が定める利用者負担額(保育料)の上限は次のとおりです(月額)。

●住民税非課税世帯:0円
●所得割課税額 48,600円未満:19,500円
●所得割課税額 97,000円未満:30,000円
●所得割課税額 169,000円未満:44,500円
●所得割課税額 301,000円未満:61,000円
●所得割課税額 397,000円未満:80,000円
●所得割課税額 397,000円以上:104,000円


これはあくまで国が定める「上限」で、実際の保育料は各市区町村がこの範囲内で(多くはこれより低く)設定します。お住まいの自治体の料金表で確認するのが正確です。なお、基本保育料に加え、延長保育を利用する場合は別途延長保育料(30分あたり数百円程度が目安。利用回数・自治体・園によって異なります)がかかります。

※参照)国が定める利用者負担の上限額の基準(施設型給付)|こども家庭庁

【2026年最新】保育料の無償化はどこまで進んだ?


保育料無償化の最新動向
「幼児教育・保育の無償化」と聞くと3〜5歳のイメージが強いかもしれませんが、0〜2歳児の扱いはここ数年で大きく動いています。時系列で整理します。

国の制度:3〜5歳は全員無償、0〜2歳は住民税非課税世帯が無償


2019年10月に始まった国の幼児教育・保育の無償化では、3〜5歳児クラスの保育料が無償になりました。0〜2歳児クラスについては、住民税非課税世帯が無償化の対象です。また、国の基準では、保育所等を利用する最年長の子どもを第1子とカウントして、0〜2歳の第2子は半額、第3子以降は無償とされています。なお、年収360万円未満相当の世帯では、きょうだいを数えるときに年齢の上限がなく(年長のきょうだいも第1子として数えます)、0〜2歳の第2子半額・第3子無償の対象になりやすくなります。

※参照)幼児教育・保育の無償化概要|こども家庭庁

東京都:2025年9月から第1子も無償化


東京都は2023年10月から0〜2歳の第2子以降の保育料を独自に無償化し、さらに2025年9月からは所得制限なしで第1子にも対象を拡大しました。これにより、都内の認可保育所等では、0歳児クラスの保育料が実質的にかからないご家庭が大幅に増えています。対象施設の範囲(認証保育所・認可外の扱いなど)は条件があるため、詳細は東京都および区市町村の案内をご確認ください。

※参照)保育料等の無償化について|東京都福祉局

大阪市・京都市など:第1子・第2子への無償化が拡大


東京都以外でも、独自の無償化に踏み込む自治体が増えています。

大阪市は2024年9月に0〜2歳の第2子の保育料無償化と多子軽減の所得制限撤廃を実施し、さらに2026年9月からは0〜2歳の第1子の保育料も無償化する予定です(認可保育所等・企業主導型保育を含む)。京都市は2025年4月から、所得や同時入所などの要件を問わず第2子以降の保育料を無償化しています。

このように軽減の範囲や条件は自治体ごとにバラつきが大きく、「隣の市と同じ」とは限りません。なお、国でも0〜2歳児の保育料無償化の拡大が議論されていますが、2026年6月時点では全国一律の制度にはなっていません。お住まいの自治体の最新情報を確認することが、結局いちばんの近道です。

※参照)0〜2歳児の保育無償化(報道発表資料)|大阪市

わが家の保育料を調べる3ステップ


ここまでの仕組みを踏まえると、ご自身の正確な保育料は次の3ステップで調べられます。

STEP1:世帯の市町村民税所得割課税額を確認する


毎年5〜6月ごろに勤務先から配布される「住民税決定通知書」、または市区町村で発行できる「課税証明書」で、夫婦それぞれの所得割額を確認し、合算します。

STEP2:自治体の保育料表にあてはめる


「お住まいの自治体名+保育料」で検索すると、自治体公式サイトの階層別料金表が見つかります。STEP1の課税額と、保育標準時間/短時間の区分をあてはめれば、月額の基準額がわかります。なお、保育料の判定に使う課税額は年度の途中(毎年9月)で切り替わるため、4〜8月分と9月〜翌3月分で参照する年度が変わる点にも注意しましょう。

STEP3:無償化・軽減制度の対象かを確認する


住民税非課税世帯か、きょうだいの人数、自治体独自の無償化(東京都の第1子無償化、大阪市・京都市の施策など)の対象かを確認します。判断に迷う場合は、自治体の保育課に問い合わせるのが確実です。

なお、保育料表や軽減制度は年度によって変わることがあります。入園を申し込む年度の情報で確認することを忘れずに。保育料の計算で押さえておくべきポイントはこちらの記事でも詳しく紹介しています。

0歳児の保育料が高い理由


保育料は、子どもの年齢が低いほど高く設定される傾向があります。無償化の対象にならない場合、0歳児の保育料は家計にとって軽くない負担です。なぜ0歳児は高いのでしょうか。理由は大きく2つあります。

1. 手厚い人員配置と専用の設備が必要だから


国の配置基準では、0歳児はおおむね子ども3人につき保育士1人と、上の年齢のクラスに比べて格段に手厚い人員配置が定められています。年齢ごとに保育士1人が受け持つ子どもの人数を並べると、その差は一目瞭然です。

●0歳児:子ども3人に保育士1人
●1〜2歳児:子ども6人に1人
●3歳児:子ども15人に1人(2024年度に20人→15人へ改善)
●4〜5歳児:子ども25人に1人(2024年度に30人→25人へ改善)


0歳児は4〜5歳児のおよそ8倍の手厚さで保育士を配置する必要があり、そのぶん人件費がかかります。保育にかかる運営コストは、年齢が低いほど高くなるのです。

※参照)児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(昭和23年厚生省令第63号)

また、0歳児クラスには他の年齢にはない設備も必要です。危険な場所を仕切るベビーガード、ハイハイ期の転倒に備えた床材の工夫、哺乳瓶や消毒設備の用意など、安全のための投資が保育コストに反映されています。

2. 食費(ミルク・離乳食)が保育料に含まれているから


3歳児クラス以上では別途請求される食費が、0歳児クラスでは保育料に含まれています。ミルクや離乳食の提供・管理も保育の一部として組み込まれているため、そのぶん保育料の総額は高く見える構造になっています。

0歳児の入園準備費用


0歳児で入園する場合、保育料とは別に入園準備のための費用もかかります。必要になるものと費用の目安をまとめました(金額はあくまで目安です)。

着替え一式:13,000円程度


最も必要になるのが替えの洋服。上下セット+肌着を合わせて4組ほど準備しておきましょう。0歳児はおもらしやミルクの吐き戻し、汗などで着替えの回数が多いため、多めの用意が安心です。

お食事セット:5,000円程度


月齢によって内容が変わります。離乳食前ならミルク関連の用意が必要で、粉ミルクを園で用意するか家庭から持参するかは園によって異なります。離乳食が始まると食事自体は保育料に含まれますが、コップやスプーン、エプロン、ガーゼなどの用意が必要です。

お昼寝セット:5,000円程度


おねしょパッドやタオルケット、布団カバーなどが必要です。手作りなら布代だけで済みますが、「買った方が安かった」ということも。手間をかけられない場合は既製品や委託サービスの利用も検討しましょう。

オムツ:月4,000円程度


園に10枚程度ストックしておくと安心です。月初にまとめて持参するスタイルのご家庭もあります。なお、おむつのサブスク(定額制)を導入する園も増えているので、入園先に確認してみると名前書きの手間が減ることもあります。

名前つけグッズ:1,000円程度


保育園の持ち物はすべてに記名が必要で、おむつ1枚1枚にも名前を書きます。お名前スタンプ・シール・アイロンタグなどを活用すると負担が大きく減ります。

入園後にかかる「想定外」と備え


子どもの急な発熱
0歳児の入園後は、想像以上に発熱や感染症で呼び出し・お休みが発生します。保育料や準備費用と別に、「預けられない日」への備えも考えておきましょう。

発熱で登園できない日がある


多くの園では37度5分以上の発熱があると登園できません。「家を出るときは37度だったのに、園に着いたら37度5分」「日中に熱が出て呼び出されたが、帰宅したら下がっていた」ということも珍しくなく、熱が下がってもその日のうちの再登園はできません。病児保育施設はキャンセル待ちになることもあるため、急な依頼に対応できるベビーシッターを選択肢として持っておくと安心です。事前に登録と面談を済ませておけば、看護師などの資格保有者にお願いできる場合もあります。

【キッズライン利用者の声】

病後児の子どもをお願いしていました。在宅勤務をしていて、しっかりと専門知識のある方が見てくださったので安心することができました。(30代ママ/千葉県)


園で流行している病気をもらってくる


0歳児は免疫がまだ強くないため、入園直後や冬場は特に、園で流行している感染症をもらいがちです。「今週もまともに働けなかった」が続くことも。感染症に対応できる預け先は限られるため、感染症対応可能なベビーシッターを事前に探しておくのがおすすめです。

【キッズライン利用者の声】

どうしても休めない仕事がある時は本当に助かっています。ほぼマンツーマンで保育園よりも細かに見てくれて、安心感がありました。(40代ママ/神奈川県)


大事な会議の直前に「お迎え要請」


無事に預けられても、急な発熱で園からお迎え要請が入ることがあります。「職場が遠くてすぐに行けない」「これから外せない会議」という日に限って呼び出しが来る——働く親なら一度は経験する場面です。こうした日のために、頼れる先を複数持っておくことが、復帰後の働きやすさを大きく左右します。

【キッズライン利用者の声】

普段保育園のお迎えからその後の自宅シッティングをお願いしています。食事、お風呂入れ、寝かしつけまでしてくれるので、残業しなければならないときは助かっています。(30代ママ/埼玉県)


ベビーシッターに相談してみる

まとめ|制度を確認して、保育の環境を整えて


0歳児の保育料は「世帯の住民税額×自治体×保育時間」で決まり、全国一律の金額はありません。国が定める上限額は0〜2歳(保育標準時間)で月0〜104,000円ですが、実際の金額は自治体ごとに異なります。一方で無償化の流れはこの数年で大きく進み、東京都の第1子無償化に続き、大阪市が2026年9月から第1子無償化を予定、京都市は第2子以降を無償化するなど、地域による差が広がっています。まずはお住まいの自治体の保育料表と無償化制度を確認し、わが家の負担額を正確に把握することから始めましょう。そのうえで、0歳児ならではの「預けられない日」への備えとして、病児対応や送迎を頼める環境を整えておくと、復帰後も安心して働き続けられます。

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