赤ちゃんとママのスキンシップの一つである授乳。生後の一時期を過ぎると、赤ちゃんは成長し、「食べる」という行為を身に付けるようになります。そして、卒乳の日を迎えることに。卒乳は寂しいと感じる方もいるかもしれませんが、赤ちゃんの成長のステップです。そこで今回は、赤ちゃんにとってベストな卒乳のタイミングについて医師が詳しく解説します。
卒乳とは赤ちゃんのタイミングに合わせて自然に授乳をやめること。では、卒乳に向けて赤ちゃんはどのようなサインを出すのでしょうか?サインを見逃すと適切な時期に卒乳ができなくなることも少なくありません。ママパパがしっかりキャッチしてあげましょう。
生後5ヶ月頃から始めた離乳食も10ヶ月頃には大人と同じ三回食になります。一歳を過ぎると牛乳を飲めるようになるなど、赤ちゃんが口にできるものはどんどん増えていきます。その時期になると咀嚼(そしゃく)力も強くなるので、柔らかい固形の物もしっかり噛んで食べることができるように。
「食べる」ことを楽しめるようになると、離乳食の量も多くなっていきます。離乳食をしっかり食べられると母乳を飲まなくても成長に必要な栄養を摂れるようになるため、自然に母乳を欲しがらなくなる子もいるでしょう。
母乳は赤ちゃんにとって栄養だけでなく水分の補給源でもあります。離乳食をしっかり食べ、のどが渇いた時などに母乳以外の水分を欲しがるようになれば、卒乳しても問題ありません。1歳を過ぎた頃からはストローやコップなどで水分を飲めるように少しずつ練習していきましょう。
授乳は母子のスキンシップの一つです。お腹が空いていなくてもママの温もりを求めて「おっぱい」を欲しがる子は多いでしょう。いつでもおっぱいを欲しがっていた子が別のことに興味を持ちだしたり、おっぱい以外のものであやすことができるようになったりしたときは卒乳のサインかもしれません。
赤ちゃんに卒乳のサインが見られたら、どのように卒乳に向けて進めていけばよいでしょうか?詳しく見てみましょう。
赤ちゃんに卒乳サインがあるからといって、ある日突然授乳を中断するのはNGです。赤ちゃんにも心の準備は必要。卒乳は赤ちゃんに「そろそろおっぱいやめようか?」や「もうすぐおっぱいは終わりだよ」などと言い聞かせていくことから始まります。卒乳を決めたらまずは目標となる日を決め、1ヶ月ほど前から言い聞かせを始めましょう。
言い聞かせを始め、赤ちゃんも少しずつ理解できるようになったら、授乳回数を減らしていきましょう。離乳食後に行っていた授乳を牛乳などの水分に変えたり、お昼寝の寝かしつけを授乳ではなく絵本の読み聞かせにしたりするなど、赤ちゃんに合わせた工夫が必要です。
卒乳の一番の難関は夜間授乳を止めること。夜間の授乳は空腹を満たすという目的もありますが、ママの温もりを求める手段でもあるからです。
卒乳を目指すときは、夜間にお腹が空かないように就寝前にフォローアップミルクなどを与えるのがおすすめです。また、寝るときはできるだけママの近くですぐに温もりを感じられるような環境を作ってあげるとよいでしょう。
卒乳がNGなタイミングとは?
卒乳は赤ちゃんにとってもママにとっても一つの「試練」となります。授乳を求めて大泣きを続ける子も珍しくなく、毎晩の夜泣きに疲弊するママパパも多いでしょう。そのため、赤ちゃんもママもベストなコンディションで挑むことが望ましいと考えられます。風邪をひいた後や疲れ・寝不足がひどいとき、赤ちゃんの夜泣きがひどいときなどは、卒乳にトライするのに適した時期ではありません。
最後に卒乳を目指すときに注意すべきことについて見てみましょう。
スキンシップである授乳を中止すると、精神的に落ち着かなくなる赤ちゃんもいます。卒乳を目指して授乳回数を減らし始めたら、いつも以上に抱っこや遊びなどで赤ちゃんとスキンシップをとってあげることが大切です。
卒乳すると授乳で補っていた水分が不足するため、脱水気味になってしまう赤ちゃんもいます。のどが渇くと夜泣きやぐずりの原因にもなるので注意が必要です。こまめな水分補給を忘れないようにしましょう。
赤ちゃんに卒乳サインが見られたとしても、実際に卒乳を試みると夜泣きがひどく日中もぐずりがちになる子は少なくありません。あまりにも夜泣きやぐずりが続き、どんなことをしてもご機嫌にならない場合は、卒乳のタイミングが早すぎた可能性があります。赤ちゃんの様子を見て授乳を再開するのも一つの方法です。ママの体力や気力が限界になる前に見極めましょう。
卒乳は一般的に1歳6ヶ月頃までに完了することが推奨されています。しかし、卒乳は赤ちゃんのペースに合わせて進めていくのが理想です。卒乳のサインが見られたときは、今回ご紹介した方法で少しずつ授乳回数を減らしていきましょう。ただし、赤ちゃんが激しく嫌がるときは授乳を再開して様子を見ても問題ありません。いつかは必ず卒乳の日を迎えられますので、赤ちゃんの気持ちやタイミングを尊重してあげましょう。
また、卒乳を試みる時期は赤ちゃんの動きも活発となり、保育園が始まるなど生活の変化が大きくなる時期でもあります。卒乳による夜泣きや生活リズムの変化で、ママパパが疲弊することも少なくありません。
そんな時は無理をせず、育児や家事のサポートを依頼してみましょう。保育園の送迎や帰宅後のお世話をベビーシッターに依頼したり、洗濯や掃除、食事のつくり置きを家事サポーターに依頼すると、体力的にも精神的にも負荷を軽減できます。
卒乳を機に子育てをチームで行う体制を作って、育児を楽しめる環境を整えていけるとよいですね。
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