卒乳は私たちが生きていく上で必要な「食べる」ことができるようになったことの証でもあり、大切な成長の一つです。しかし、赤ちゃんにとって授乳は必ずしも栄養や水分の補給だけでなく、ママとのスキンシップの手段でもあります。そのため、離乳食をしっかり食べられるようになってから卒乳しても、授乳を求めて夜泣きがひどくなるという子も少なくないでしょう。そこで今回は、卒乳後の赤ちゃんの夜泣き対策について、医師が詳しく解説します。
まずは卒乳後の赤ちゃんの夜泣きがひどくなる原因を見てみましょう。
離乳食をしっかり3回食べられるようになったとしても、卒乳すると授乳で補っていたカロリーや水分がなくなることに。夜中に喉が渇いたり、お腹が空いたりして目を覚ましてしまう子も少なくありません。特に寝かしつけのために授乳していた場合は、寝る前の「腹ごしらえ」がなくなるため夜泣きをしやすくなります。
授乳は赤ちゃんとママの大切なスキンシップの一つです。睡眠リズムが未熟な赤ちゃんは夜中に目を覚ましてしまうとママの温もりを求めて授乳を要求することもあります。授乳をすると安心してすぐ寝ていた…という子は、卒乳後もママの温もりを求めて夜泣きにつながってしまうこともあるでしょう。このような場合は抱っこやおもちゃなどであやしても泣きやまず、家族が疲弊してしまうことも少なくありません。
卒乳後の夜泣きは、ママと授乳によってスキンシップを多くとっていた子ほどよく見られるもの。赤ちゃんの夜泣きに悩まされたら次のようなことを試してみましょう。
卒乳後に何をしても夜泣きが止まらないときは、赤ちゃんがママとのスキンシップを求めていると考えられます。卒乳したらその分赤ちゃんとママとのスキンシップは減りますので、卒乳前以上に意識的にスキンシップをとるようにしましょう。夜間も夜泣きがひどい間はママと同じ布団で眠るなど、ママの温もりを感じやすい環境を作ってあげるようにして下さい。
赤ちゃんが夜に目を覚まして泣くと、条件反射のように授乳するママも多いでしょう。その習慣が身に付くと、授乳をしないとご機嫌が良くならなくなってしまう子も。
卒乳を計画したら、授乳以外のあやし方を見つけておくとスムーズに卒乳できるケースが多いです。歌やおもちゃなど赤ちゃんが興味を持って気持ちが落ち着くものを見つけましょう。
卒乳すると母乳で補っていた水分がなくなるため、水分不足に陥る赤ちゃんもいます。のどが渇くと夜泣きの原因になり、のどの渇きに気付かれないままだとさらに癇癪(かんしゃく)を起してしまう子も。夜泣きが始まったら母乳以外の水分を与えてみるのも、夜泣きを防ぐ方法の一つです。
ただし、甘いジュースなどを与えると虫歯の原因になりますので、注意が必要です。ジュースを欲しがった場合も、ストローやコップを使い、最後に麦茶など糖分が入っていない水分を飲ませるようにしましょう。
卒乳して寝かしつけの授乳がなくなると、夜中にお腹が空いてしまう子もいます。夜泣きの原因になりますので、寝る前には腹持ちが良く1歳以降の子に必要な栄養素がたっぷり含まれたフォローアップミルクを与えるのがおすすめです。
また、夜泣きが始まったときもフォローアップミルクを与えると満足して眠るケースもあります。抱っこなどで泣きやまない時はフォローアップミルクを与えてみるのもよいでしょう。
夜泣き対策は日中から
卒乳後の赤ちゃんは夜泣きをする子も多いですが、夜泣きを改善するには日中の過ごし方を見直すことも大切です。日中の活動量が少なかったり、お昼寝が長すぎてしまうと、夜中に目を覚ましやすくなります。日中は身体を使った遊びをして体力を使い、お昼寝は午後の早い時間に1〜2時間ほどに留めるようにしましょう。
卒乳後の赤ちゃんはママが恋しかったり、お腹が空いていたりすることで夜泣きをしやすくなります。しかし、卒乳後の夜泣きは対処を講じれば改善することが可能です。今回ご紹介した方法を参考に、赤ちゃんが夜泣きをする原因を見極めて適切な対処をしていきましょう。
夜泣きがひどい時期は、ママパパも睡眠不足で体力的にも精神的にもつらくなることがあります。そんな時は、夕食やお風呂のお世話、朝夕の保育園の送迎などをベビーシッターに依頼して、日々の生活をうまく回していきましょう。子どもの世話だけでなく、家事代行サービスを依頼して、ママパパがしっかりと休息をとることも大事です。
卒乳後の夜泣きは自然に治まっていくもの。必ず楽になる日が来ます。夜泣きがひどい時期は疲弊してしまうママパパも多いと思いますが、赤ちゃんの成長の過程と心得て、赤ちゃんのペースに合わせて一緒に乗り越えていきましょう。
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