積み木は、昔から親しまれている人気のおもちゃです。たくさんの種類があり、遊び方は無限大。子どもに身近な積み木は、「いつから」遊べるのでしょうか?この記事では、保健師である筆者が、子どもの発達段階に応じた積み木の遊び方について詳しくご説明します。

積み木遊びは何歳からできる?


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積み木遊びの魅力は、子どもの成長に合わせて遊び方を変えられる点です。0歳の赤ちゃんから大人まで、年齢を問わず楽しめます。 積み木は「積む」だけでなく、さまざまな遊び方ができるため、長期間使えるおもちゃです。

積み木に興味を持つ時期は赤ちゃんから


生まれたばかりの赤ちゃんの視力は発達しておらず、30cm先がぼんやり見える程度です。仰向けの体勢で手足を動かすことしかできません。

生後4ヶ月頃になると、赤ちゃんは物に興味を示し始めます。 積み木を手に取り、口に運んで感触を確かめたり、目で追ったりするようになります。こうした行動は、この時期特有の遊び方です。

1歳を過ぎると、積み木を重ねたり並べたりしようとします。2~3歳になると、積み木を使って簡単な形を作ったり、大人と一緒に「はい、どうぞ」のやりとりを楽しんだりできるようになります。

成長に合わせた積み木遊び


子どもの成長に伴って、積み木の遊び方も進化します。4歳頃には、積み木を使ってより複雑な構造を作ろうとします。想像力が豊かになり、積み木で家や動物などを作り、自分の世界を広げていくのです。小学生になると、さらに高度な遊び方をするようになります。子どもは積み木遊びを通じて、論理的な思考を育んでいきます。

積み木遊びのメリット


積み木は、0歳から小学生まで幅広い年齢で楽しめるだけでなく、知育や発達においても多くのメリットがあります。成長に応じた遊び方を通じて子どもは想像力や空間認識能力のほか、周囲とのコミュニケーションを学んでいきます。 また、頻繁におもちゃを買い替える必要がないため、収納場所に悩むことが少ないのもメリットです。

積み木が子どもの知育や発達に役立つ理由


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積み木遊びは、子どもの知育や発達を促進するために非常に効果的です。

• 巧緻性
• 想像力・創造力
• 集中力・忍耐力
• 空間認知能力

積み木遊びは上記のような力をはぐくむことができ、またその遊びの中で自己肯定感やコミュニケーション能力を高めるといった効果も期待できます。
一つづつ解説していきます。

【積み木が知育につながる理由1】巧緻性が高まる


巧緻性(こうちせい)とは、手先や指先を上手に使う能力を指します。積み木遊びでは、「掴む」と「離す」という基本動作を繰り返し、常に指先を使います。
「手は第二の脳」とも言われており、手先や指先を使うことで、脳の発達が促されます。積み木を崩さないようにバランスを取りながら積み上げるのは、難しいものです。だからこそ、子どもは「どうすればよいか」を考え、工夫するようになります。

【積み木が知育につながる理由2】想像力・創造力が養われる


積み木遊びでは、子どもはさまざまなイメージを膨らませながら楽しみます。積み木はシンプルな形状だからこそ、さまざまな遊び方ができ、どんなものにも見立てることができます。 さらに、子どもが自分の目的に合わせて何かを作り出すことで、創造力が豊かになっていきます。

【積み木が知育につながる理由3】集中力・忍耐力が高まる


子どもの集中力は、夢中になって遊ぶことで育まれます。積み木遊びは、子どもの発達段階に応じて遊び方を変えることができるため、どの年代の子どもも夢中になって遊べます。 作りたいと思ったものを作り上げる経験を通じて、子どもは忍耐力を養っていきます。

【積み木が知育につながる理由4】空間認知能力が養われる


空間認知能力とは、物の位置、形、大きさ、間隔などを正確に把握する力で、成長とともに発達していきます。この能力があることで、見えない部分もすばやくイメージし、理解することができるのです。積み木遊びを通じて、子どもは立体的な構造を理解する力が身につき、空間認知能力が高まっていきます。

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積み木の選び方のポイント


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積み木にはさまざまな種類があり、どれを選ぶべきか迷うかもしれません。積み木選びの際は、以下のポイントを参考にするとよいでしょう。

• 素材や色
• 大きさ
• 形状
• 個数

これらのポイントを参考にしながら、子どもの月齢や遊び方に合った積み木を選びましょう。

【積み木の選び方のポイント1】素材


積み木の素材には、木製、プラスチック製、シリコン製、布製、お米を原材料にしたものなどさまざまな種類があり、それぞれに良さがあります。

木製はあたたかみがあり、耐久性が高いことから人気があります。プラスチック製やシリコン製の積み木は、水洗いや消毒が簡単にできるため衛生的です。布製の積み木は、ケガの心配が少なく、小さな子どもが安全に遊べる点が魅力です。お米を原材料にした積み木も、環境に優しく、安心して使用できます。積み木を選ぶ際は、素材の特性や安全性、持ちやすさ、水洗いや消毒のしやすさ を考慮しましょう。

【積み木の選び方のポイント2】色


積み木には、木製の無塗装タイプのナチュラルなもの、カラフルなものなど、さまざまな色があります。赤ちゃんは視力が未発達であるため、原色のようにはっきりした色に興味を示すことが多いです。 目立つ色の積み木を選ぶとよいでしょう。

一方、自分でイメージを膨らませながら積み木を使うようになると、無色の積み木のほうがアレンジの幅が広がる 場合もあります。子どもの成長段階に合わせて、適切な色の積み木を選んでください。

【積み木の選び方のポイント3】大きさ


積み木のサイズは、1cm未満の小さなものから、両手で持つほど大きなものまでさまざまです。特に小さな子どもが使う場合、誤飲のリスクに注意が必要です。

消費者庁は、「子どもの口の大きさは直径約4cm。これより小さいものは子どもの口の中に入り、誤飲の原因になる可能性がある」と注意を呼びかけています。積み木を選ぶ際には、誤飲防止のために大きめのサイズのものを選ぶとよいでしょう。

【積み木の選び方のポイント4】形


積み木は形も、多種多様です。最もオーソドックスなのは立方体です。小さな子どもでも掴みやすく、積み上げやすい形です。
年齢が上がるにつれて、子どもは積み木を積むだけでなく、さまざまな形を組み合わせて創作するようになります。 この段階では立方体だけでなく、三角すい、円すい形、アーチ状などさまざまな形の積み木があると、さらに楽しくなるでしょう。

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おすすめの積み木遊び〈赤ちゃんの場合〉


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0歳の赤ちゃんにとっては、おもちゃで遊ぶよりも、まずはママやパパと一緒にコミュニケーションを取りながら遊ぶことが大切 です。遊び方の具体例を交えながら説明します。

ねんねの時期の積み木遊び


赤ちゃんは、積み木を手で触ったり、口に入れて感触を楽しんだり します。これは、赤ちゃんにとって立派な遊びです。皮膚刺激が脳の発達にとって重要な役割を果たす時期。積み木を使って赤ちゃんの頬や体の一部に軽く触れさせながら声をかける遊びも効果的です。また、振ると音が鳴るような仕掛けのある積み木を赤ちゃんに渡すと、興味を示しやすくなります。

お座り時期の積み木遊び


お座りが安定してくると、両手で積み木を打ち合わせたり、入れ物の中に積み木を入れたりして楽しむようになります。積み木を使って音を鳴らしたり、持ち上げて下に落とすといった遊びも、この時期の遊び方です。
1歳に近づくと、簡単なやり取り遊びも楽しめるようになります。積み木を「はい、どうぞ」と手渡したり、赤ちゃんの目の前で積み木を手の中に隠して、手を開いた瞬間に「ばぁ!」という遊びもおすすめです。 赤ちゃんが一人遊びを始めることもありますが、事故防止のためにも必ず見守っておきましょう。

おもちゃの安全性が重要


赤ちゃんは何でも口に入れてしまうため、おもちゃの安全性と衛生面が特に重要です。 誤飲の危険がない大きさか、口に入れても安全な素材か、消毒や洗浄が簡単にできるかをチェックしましょう。特に、安全基準に合格した証である日本玩具協会のSTマークがついた積み木を選ぶと、より安心して遊べます。

おすすめの積み木遊び〈1歳の場合〉


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1歳になると、つかまり立ちやつたい歩きを経て、独り歩きを始めます。手や指の使い方もますます器用になり、親指と人差し指で物をつまむ動作ができる ようになります。そうした発達に伴って、1歳児の積み木遊びにも変化が見られます。その遊び方について詳しく説明します。

積み上げる楽しさに気付く時期


1歳を過ぎた子どもは、手や指の動きがさらに器用になり、積み木を積み上げられるようになります。 積み木を積んだことがない場合でも、ママやパパの行動をまねするのが得意になってくる時期なので、まずは大人が見本を見せるとよいでしょう。

初めはママやパパが積んだものを崩して遊んで楽しむかもしれませんが、それも重要な遊びのひとつ です。また、言葉の理解が進み、コミュニケーションを楽しむことができるようになってくるので、積み木を使ったやりとり遊びをするのもおすすめです。

積み木でのケガに注意


1歳になると一人歩きができるようになり、行動範囲が広がります。それに伴って、積み木によるケガに注意が必要 です。1歳の子どもは、お気に入りのおもちゃを手に持ったまま歩くことが増えます。転んでしまうと、積み木が顔や体に当たってケガをしてしまいます。
また特に注意を払うべきなのが、角が鋭い積み木です。一人遊びが大切な時期ではありますが、子どもの周りに危険がないかを大人が確認しつつ、安全な距離で見守ることが必要です。

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おすすめの積み木遊び〈2歳の場合〉


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2歳の子どもは、自我が強くなり「自分はこうしたい」「自分でやりたい」という気持ちが育ってきます。 言葉や運動面でも発達し、手先もますます器用になります。発達に伴って変化する2歳児の積み木の遊び方について、説明します。

積み木遊びの幅が広がる


2歳を過ぎた子どもは、積み木を崩れないように調整しながら積めるようになります。 高く積み上げることに挑戦し、ときにはステップ台に乗って積むことも。その際、積み木が崩れる瞬間のスリルを楽しむ姿が見られることもあります。また、ただ積み木を積むだけでなく、自分が好きな車やお城に見立てて並べたり、食べ物に見立てておままごとに使うなど、遊びの幅が広がっていきます。

自分でできた経験を大切に


2歳の子は「自分でやりたい」という思いが強くなります。積み木で何かを作ることで、「できた」という達成感を得ます。 大人が一緒に遊ぶと、物事への理解が深まります。2歳になると色への興味を示し始めるので、カラフルな積み木で遊びながら色の名前や積み木の遊び方を学ぶこともおすすめです。

積み木は何歳まで?3歳・4歳の積み木遊びの応用


3歳・4歳は手先の器用さや社会性の発達が著しい時期で、積み木での遊び方も変化します。また、5歳以降も積み木遊びを十分に楽しむことができます。年齢が上がるにつれて、どのように遊び方が変化していくかについて説明します。

作り上げることが楽しい年頃


3歳の子どもは、手先がより器用になり、着替えをはじめ身の回りのことを自分でやろうとします。ハサミや箸といった道具を使い始めます。
4歳になると、さらに細かい力加減ができるようになるので、上手に道具を使えるようになります。また、自分でイメージしたものを作りたい気持ちが育ってきます。指先で細かな調整を行いより表現力が増すことから、積み木を使って家や車、動物などを作ることに楽しさを感じる時期です。

友達と一緒に遊ぶことで学ぶ


3歳を過ぎると、社会性が大きく発達し、友達と遊ぶ楽しさを強く感じる ようになります。しかし、自己主張も出てくる時期なので、友達と意見が合わずにぶつかることもあります。積み木を使って一緒に作品を作ったり、ごっこ遊びを楽しむ機会が増えるのはこの時期です。こうした遊びは、協力する力やコミュニケーション能力を育む絶好のチャンスです。

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積み木の知育効果を下げる大人のNG行動


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積み木遊びには知育効果があるものの、大人の関わり方次第でその効果が損なわれることがあります。ここでは、大人が注意すべきNG行動を紹介します。

【NG行動1】子どものやり方を否定する


子どもの自由な発想は、時に大人の想像を超えています。どう見ても家には見えない形の積み木を、子どもが家だと言って遊ぶのは、よくあることです。 そんなとき、「それは違うよ、家はそんな形じゃない」と否定するのはおすすめしません。
ユニークな形にした理由や、子どもが工夫したポイントを尋ねてみましょう。安全に問題がない限り、子どもの感性を尊重することが大切です。

【NG行動2】積み木で遊ぶことを強要する


子どもが2歳くらいまでは、遊びに長時間集中できません。いくら楽しい遊びをしていても、飽きてしまうのは自然なことです。そんなときに積み木遊びを強要するのは避けるべき です。子どもの力は、楽しく遊んでいるときにこそ引き出されます。少し時間を置くと、興味を持って遊び始めることもよくあります。

子どもの発達は“見守り”が大事!


積み木遊びを例にご紹介してきましたが、子育てでは子どもの発達段階に合った大人の関わりや見守りが大切です。 各発達段階の特徴を捉えた適切な関わりと見守りが、子どもの成長を促します。

「子どもにとって何がよいのか」初めて育児をするママパパは、きっと悩むと思います。そんなときは、保育の専門家に相談してみるのも一つの手 です。例えば保育のプロであるベビーシッターに自宅で遊んでもらうことで、適切な関わり方を学ぶこともできます。一度、遊び方をレクチャーしてもらう機会を設けるのもよいでしょう。

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ベビーシッター・家事代行サービスを運営する「キッズライン」なら、パソコンやお手元のスマホでベビーシッターを見つけることが可能です。

「キッズライン」には、保育士などの資格を保有するシッターも多く在籍しています。「子どもと遊ぶのが難しい」と感じているなら、成長を促す遊びを頼んでみるのもオススメです。初めてのシッターに保育を依頼する際には、オンラインでの顔合わせまたは対面での事前面談が必要です。まずはよさそうだなと思った人に連絡を取ってみて、お互いの相性を確かめてみましょう。

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■監修ライター 辻 奈由香
フリーランスの保健師・助産師。周産期センターで助産師として勤務した経験から、地域で生活する母子を支援する保健師に関心を持つ。その後12年間、自治体で保健師として勤務し、乳幼児家庭を対象とした家庭訪問や乳幼児健診など母子保健事業を中心に従事。現在は小学生の子どもを育てながら、ライターの他、看護職の資格を活かして活動中。


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