ビジネススクールで長く教員を務め、リーダーシップ論や組織論をイラストや寓話をもちいたわかりやすいビジネス書で人気を博し、現在、フライヤーやNewsPicksのエバンジェリストとして活躍をされている荒木さん。
プライベートでは、高校生と中学生のお二人のお子さんがいらっしゃいます。
今年結婚20周年を迎える奥様と二人三脚で取り組んできた家事や育児のコツや、夫婦や家族の役割や取組みについて、ビジネスの世界と交えて、お話を伺いました。
▼夫婦円満のコツは「対話」を欠かさないこと
-- 結婚生活20年、とても円満と伺ったのですが、そのコツをぜひ教えてください。
私たち夫婦は、実は中学時代から知っているので、知り合ってからの年月を数えると約35年の付き合いになります。もちろん、喧嘩などもそれなりにしていますが、それでも円満に今までこれている理由は、常に「対話」を欠かさなかったからだと思います。
35年と聞くときっと、空気のような存在や、阿吽の呼吸で通じ合える関係と思う人が多いと思いますが、長くいるからこそ、言葉にして話をすることが大切だと思います。
我が家の場合は、子育てなど二人の共通の話題はもちろんですが、その日面白かったことや仕事やキャリアについてなど、なんでも話しをしていますね。きっとわかってくれる、感じ取ってくれる、そう思ってもやっぱり言葉にしないと伝わらないんです。言葉にすることで、やっと、一緒に笑ったり、一緒に考えたりすることができるようになるんですよね。
-- 夫婦で対話をするということが実はハードルが高いと思う人が多いと思うのですが、どうされているんですか?
たしかに対話というと、悩みなど深刻な話をしていることをイメージされるかもしれませんが、我が家の場合、大半がたわいもない話で、面白かったことや、今日こんなことあったよ、などです。このたわいもない会話をすることを思ってもらうといいかもしれません。
会社での人間関係も同じで、雑談を常日頃からしていると、その人の好きなことや苦手なことを知ることができますよね。いざ深刻な話をするときも、いろんなことが話せる関係性ができていれば、相談する側は、信頼して話すことができ、相談された側もその人のことを考えたアドバイスなどをすることができるようになると思うのです。
実際、私が仕事のことを妻に相談するときも、「あなたは〇〇が好きなんじゃないの?」など、自分では気づけなかったことを妻から言われて、はたと気づかされることなどが多くあります。1人で抱えるよりは、誰かと共有して一緒に解決をさせると気が楽になると思います。まずは、対話の数を重ねることがいいと思います。
-- 忙しい中で対話する時間は、どのように取っているんですか?
あまり対話する時間は意識していないですね。今年は、新型コロナウイルスの影響で在宅ワークが増えたので、必然的に一緒にいる時間が増えたかもしれません。
あとは、二人とも甘いもの好きなので、毎晩、食後に夫婦でアイスやケーキといったスイーツを食べるのが習慣なんです。このスイーツタイムに夫婦で話すことが多いですね。お互い好きなものを食べながらなので、饒舌になっているかもしれません。
-- スイーツ!あらためての時間ではなく、二人の共通の時間やふとした時間に話をすることは素敵ですね。
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▼理想の夫婦関係は「サイド バイ サイド」!
-- お二人のお子さんがいらっしゃいますが、子育てで意識されていることなどについて聞かせください。
子育ては悩みがつきませんね。失敗だらけですが、面白いです。子育てについて話し出したら、終わらないかもです。(笑)
たまたま私が子育てに対してとても興味が強かったということもあるかもしれませんが、子育ての悩みは、夫婦二人の課題になるので、夫婦で同じレベルで課題意識を持つことを意識しています。どちらかが強い問題意識を抱えていたりすると、バランスが崩れちゃうのです。接している時間が短いからわからないとせず、自分達の共通の課題だからこそ、その課題に対して、お互いの特性を生かして、アプローチ方法を変えて対応してみる。もし上手くいかなかったら、もう一度作戦を練り直して、やってみる。子育ては、この繰り返しですね。
-- まさに子育てチームですね。
そうです。子育てにおいての夫婦は、「フェイス トゥ フェイス」ではなく「サイド バイ サイド」の関係性が理想です。「サイド バイ サイド」とは、同じ方向を見ながら横に並んで語り合っている関係性のことです。
ちなみに著書「藁を手に旅にでよう」の桃太郎の話の中でも、「サイド バイ サイド」について書いています。桃太郎は本来は鬼と敵対するのではなく、鬼と横に並びながら、長期的な視野であるべき世の中を話してほしかった。どうしても「フェイス トゥ フェイス」になると、違いばかりが目立って対立してしまいがちですが、互いに遠くの目指すべき方向が握れれば、違いを超えて一緒に歩み出せるはずです。そのことは夫婦にも当てはまり、お互いの違いばかりに目を向けるのではなく、子どもやそれぞれの家庭の未来の方向を横に座りながら話し合うことが大切だと思います。
そのようにして、子どもたちのことが自分たちの共通課題となれば、二人とも当事者意識が芽生えてくると思います。
--「サイド バイ サイド」の関係性はかなり成熟度が高い関係性ですよね。どうしたら、そのような関係性になれるのでしょうか?
正直、人間関係において相性はあると思いますが、やはり「会話の時間を増やす」ということは意味があると思います。もし会話の時間が今取れていない、ということであれば、スケジュールに落としてみてください!ビジネスにおいて、企画を実現させるために、スケジュール表にMTGややることを入れていきますよね。そしてそのスケジュールに沿って行動すると徐々に企画が具体化していく。同じように、「会話のある夫婦」など抽象度の高いものを具体化していくためには、具体的な行動でしか変えられないのです。
なので、もし、会話をする時間が少ない、取れないということであれば、例えばですが、今週の水曜日にお茶を一緒にする、といったスケジュールを入れてしまうのも手です。
一朝一夕には解決しないので、まずは最初の一歩を踏み出してみる、そのために自分のカレンダーに入れて強制的に行動してしまうのがおすすめです。
-- なるほど、本当はこうしたい、と思ったら、カレンダーに入れて行動してみるですね。ちょっと勇気がいりそうですが、仕事では普通にしていることなんですよね。
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▼1人で二役、ましては複数の役割は同時に出来ない。役割分担は必要!
-- 家事や育児の役割分担について、どう思いますか?
役割分担は絶対に必要だと思います。
ビジネスにおいても、既存のビジネスを拡大させていくことが得意な人と、新規ビジネスを開拓していくことが得意な人にわかれます。両方が出来る人は、稀有な存在です。
さらに、大半の会社では、営業や人事といったそれぞれの役割に応じた人事配置が行われ、また適材適所を図るための人事転換が行われています。
しかし、家庭という組織においてはどうでしょうか?家庭での業務は、家事・育児とひとくくりにしがちですが、実はその中身は多岐にわたります。家事は、食事の準備、洗濯・掃除、アイロンがけなど、そして、育児は、子どもが幼児期から成人になるまでの間に、内容は日々変化していきます。特に、思春期の子どもは難しい(笑)。まさに我が子が思春期真っ只中で、また幼児期とは違う悩みが増えています。
家庭を会社の業務にあてはめて考えてみると、食事を作るというクリエイティブな仕事をしたり、教える立場の教師役になったり、そして、話を聞くメンター役と、家庭で担うべき役割は多すぎます。これを1人で担うのはとても大変です。なので、夫婦での役割分担はもちろんのこと、自分達で担えない役割は、他の人の協力を得ることは必要になると思います。
-- 荒木さんご夫婦では、どのように役割分担をしていますか?
我が家の家事・育児分担は、きちんとわけているわけではないですが、それぞれの得意領域である程度決まっています。
妻は、比較的ルーティンに落とし込みやすい領域、私は新しい方向性を考えたり仕組みを提案することを担当しています。子どもの教育においては日々新しい課題が降ってくるので、私が主体的に考えてはいるのですが、悩みがつきないですね。
役割は自然とわかれていますが、家事・育児は二人でやるものなので、日々相談をしてたまに役割を変えたりしています。また、二人ではどうにもならないことも多いですし、他の人に相談するとうまくいくことも多いので、その時々で外の人にサポートを求めています。
今は、子どもが高校生や中学生になって、子ども達自身で行動するようになっていますが、やはり小学生の低学年くらいまでは、夫婦だけでは毎日が回らず、よく実家の親に家事は頼っていました。
家庭内だと、家事も育児もなんとなく自分でやらないといけないと感じてしまうことが多いと思いますが、会社の仕事に置き換えて考えると、他の人にサポートをお願いをしたり、時短家電や食事のデリバリーの導入も必要なことと考えられるかもしれませんね。
我が家では、「楽しんだもんがち!」をモットーの1つに掲げていまして、人生楽しく、そのためには、それぞれの心地よい環境を家族で探っていければいいなと思っています。
--本日はありがとうございました。
家庭に関してはついつい感情的になりやすいところですが、仕事や会社での視点に置き換えてみると、夫婦で一緒に共通課題を解決する意識が芽生えたり、得意な人に任せたりすることもできますね!
◆荒木博行さんの著書のご紹介◆
最新著書「藁を手に旅に出よう」
キャリア、転職、学び方など、自分が働く意味について、誰でも知っている寓話から仕事や働き方を考える、新感覚のビジネス小説です!
子育て中は絵本を読む機会が多いと思います。この本を通じて、自分自身のキャリアを考えるきっかけが生まれ、さらには、子どもの読み聞かせ時に、今までと違った寓話の見方をしながら読むことができるようになるかもしれません!
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