『価格.com』や『食べログ』を企画・運営している超優良企業『カカクコム』を創業された槙野光昭さんは、現在2人の息子さんのパパでもあります。

2001年に28歳で突如ビジネス界の第一線から退いた後、現在は美容室『ALBUM』を運営されている槙野さんに、奥様との馴れ初めや、ご家族でシンガポールに移住されて気づいたことなど、槙野さんの知られざる家庭での姿をお伺いしました!

「この人の子どもに生まれたい」と思ってプロポーズ

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ー今日は槙野さんの「家庭での知られざる素顔に迫る」という企画になっています。

槙野:困りましたね……子育てに関しては、語る資格がないと思っています。お恥ずかしながら、ここ5年ほど仕事に没頭していて、家族にかまっていない状態でした。

ーでは、子育て以外のことを…奥様とはどのようにして知り合ったのですか?

槙野:前の会社で、奥さんが経理として入社してきて出会いました。

ー社内恋愛なんですね!

槙野:そうなんです。だから社員に「社内恋愛するな」なんて言えないですね(笑)

ー奥様のどういうところに惹かれたんですか?

槙野:僕の持ってないものを持ってるところですね。例えば、僕のスキルを記した六角形のレーダーチャートがあったとしたら、妻は僕の足りないところをちょうど持っている感じです。

教養があるところや、漢字をよく知っているところ、あと字が綺麗で!そういうところが「いいなぁ」と思ったんですよね。
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ーベタ惚れじゃないですか。

槙野:はい。あと人の悪口を言わないところも好きですね。なんかね、嫁さんは『ドラえもん』のしずかちゃんみたいな人なんですよ。超優等生です。

ー槙野さんは誰だろう……のび太くん?(笑)

槙野:そうかもしれません。字は汚いし漢字もわからないし、書類とかすぐ嫁さんに書いてもらっちゃいますね(笑)「この人の子どもに生まれたいなあ」と思ったのでプロポーズしました。

育児が大変で「飛び降りる」と言われたことも

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ー奥様とは気が合うんですね。仲が良い秘訣はありますか?

槙野:夫婦論なんてとても語れないのですが…うちに限っていえば、「奥さんに余裕があること」がとても大事だと思います。

ー余裕がなかった時期もあったのでしょうか?

槙野:ありましたね。うちは息子が2人いて2歳差なんですけど、息子2人が乳児と幼児の間は本当に大変で、奥さんがすごくイライラしてました。そのときは夫婦喧嘩も多かったですね。

ー当時はどのようにして奥様を支えたのですか?

槙野:僕がカカクコムを売却して仕事をしていなかった時代は、なるべく土日は僕が公園連れていったり、家事を少し手伝ったりしたりしていました。僕、器用なので料理や掃除も好きなんですよね。

ただ、嫁さんは溜め込んでしまうタイプなので、イライラがピークに達すると「今すぐ高いところから飛び降りちゃうから」と言ってきました。

ー飛び降りる……!

槙野:「ちょちょちょ!早まるなって!」ってなりますよね(笑)でもそれぐらい育児が大変だったんだと思います。

僕も当時できる限り家事などしていたつもりでしたが、今考えるともっと嫁さんにしてあげられたことがあったと思っています。子育てに関しては、奥さんに感謝の気持ちでいっぱいですね。

ーもっと槙野さんが支えになれた部分はありそうですね。

槙野:はい。模範的な夫ではなかったのでは?と思います。

いつだったかは忘れましたが、1回「奥さんともう2度と会えない」っていう夢を見たんです。すごい寂しいなぁって思って目が覚めて。

でも、夢から覚めたら嫁さんが隣に寝ていて、「良かった、奥さんがいる……!」とすごい安心したんですよね。
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ーすごく大切な存在なんですね。

槙野:そうですね。僕、仕事に夢中になると本当に家に帰らなくなってしまうんです。

それが嫌だと言われていた時期もあったのですが、最近はメディアを通じてちゃんと仕事をしているのを知ってなのか、「そんなにストイックにやるから結果出せるんだね!」と言ってくれるようになりました。嫁さんは本当に心が広いです。

ー家事などはどうされているのでしょうか?

槙野:実はですね、僕たち家族はいまシンガポールに住んでいるのですが、シンガポールの家に住み込みのメイドさんがいるんですよ。

ーメイドですか!世界が違う……

槙野:住み込みのメイドさんといっても、シンガポールだとすごく安くて、1ヶ月10万円もしないくらいですよ。

ーもっと高いイメージがありました。その場合だと部屋はメイドさんと別々になるのですか?

槙野:そうですね。シンガポールだと住み込みのメイドさんがいるのは珍しくないので、家の間取りもそういう仕様に出来てるんです。

料理は嫁さんがやって、掃除や料理の後の片付けや洗濯などは住み込みのメイドさんが行なっています。

ーなるほど。

槙野:メイドさんのおかげもあり、今はだいぶゆとりが出てきていると思います。

日本だとベビーシッターも普及してきているので、僕はどんどんお願いしたほうがいいと思っていて。

僕が偉そうに言うことではないのですが、イライラしてるお母さんより、ベビーシッターさんにお願いしてニコニコしてるお母さんの方が子どもも嬉しいですよね。

国際化だからこそ、大切にすべきは日本人らしさ

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ー槙野さんのご家族は、いまシンガポールに移住されているんですよね?

槙野:はい。子どもの教育のためにシンガポールに移住しました。僕は日本でも仕事があるので、シンガポールと日本の二拠点で生活しています。

ーなぜシンガポールを選ばれたんですか?

槙野:英語圏に行きたいなって思っていて、アメリカやニュージーランドなどを下見をしたのですが、やっぱり中華圏の食事の方が合うなと思って。シンガポールなら日本と時差1時間だし。長男はシンガポールで生まれていますね。

ーじゃあお子さんはみんな英語ペラペラですか?

槙野:はい、発音がよくてうらやましいです。公園で蜘蛛見つけた時に「spider!」って言ってくるんですけど、R(アール)の発音がめちゃめちゃいいんですよね。「Happy Birthday」の音とかも。良すぎてちょっとイラッとしますけど(笑)

ーお子さんをグローバルな教育で育てたい!という親御さんも多いかと思うのですが、実際に海外で子育てをしてみていかがでしたか?

槙野:どんなに国際化が進んでも、日本人としての「礼儀正しさ」を忘れないような子育てをしようと思いました。一時期、僕はインターナショナル化を履き違えていたことがあったんです。

ーどういうことでしょうか?

槙野:日本で当たり前のことって、世界では当たり前じゃないってことが多いんです。

例えば、我が家の冷蔵庫ってよく壊れるんですよ。だから修理業者を呼ぶ電話をするじゃないですか。すると「担当者がいないので折り返します」って言われて折り返しかかってこない…こんなことが日常茶飯事なんです。

ーなんと…

槙野:運良くアポイントが取れても、時間通り来ない。やっと業者が来たと思えば、「部品がないから今日は帰ります」とか平気で言われるんですよね。

ー日本からすると信じられないことですね。

槙野:そうなんです。だからシンガポールでは、「冷蔵庫を直せって言ってるだろ!オイ!」くらい遠慮せず、強く主張して言わないと動いてくれないことに気づきました。
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ー顔が怖いです(笑)

槙野:すみません(笑)でも、シンガポールに住んでしばらくしたころ、僕はつい日本でもこの強気な態度で店員さんに対してとってしまったんですね。その時、「はっ、僕は日本人の大事なところを忘れてしまった……!」と後悔しました。

藤原正彦さんの『国家の品格』という、もう10年以上前にベストセラーになってる本があるのですが、その中で「日本人は日本人らしいから世界から評価されるんだ」って書かれていて。
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ー日本人らしさ……

槙野:日本人の日本人らしさって何だろうと考えると、やっぱり「礼儀正しさ」とかなんですよね。

例えば海外のマクドナルドだと、食べ終わった後にゴミや食べかすをそのまま机に残して帰るのが当たり前です。

でも日本だとテーブルをきれいにして、ゴミも分別して帰るじゃないですか。そういう日本人だからこその礼儀正しさは、シンガポールに住んでいても子どもたちに身につけさせたいなと思っています。

ーたしかに、日本人といえばワールドカップでゴミ拾いをしていたり、震災のときも秩序を守って行動する姿が評価されていますよね。

槙野:そうなんです。僕はシンガポールに移住してから、日本の素晴らしさに気づきました。コンビニの品揃えの良さやタクシーでの対応の丁寧さ、全てにおいて「日本っていいな」と感動するんです。
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槙野:「国際化だから英語を勉強しろ」なんて言われていますが、僕は本当に勉強すべきは日本の丁寧さや、礼儀正しいところや真面目なところだと思います。そういったところを学んで初めて、グローバルで価値が出て闘えるようになるんだと思いました。

ーただ英語が話せるだけでは、他の人と同じになってしまいますもんね。

槙野:そうなんです。もちろん日本のサービスには過剰な部分もありますし、デザイン・ブランディングが残念な部分なんかも変えていかなければいけない。それでも、丁寧で礼儀正しいのは日本人の美徳だと思います。

グローバルな視点と日本人のいいところ、どちらも使い分けられるのが理想ですね。

ーありがとうございました!

(取材・執筆:あつたゆか

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