■この記事の目次■
親と子どもの間でもジェンダーについての考え方は異なっている
親と子どものジェンダー平等に気を付ける「ママの心得」とは
親と子どものジェンダー平等に気を付ける「パパの心得」とは
ジェンダーについて異なる考え方を耳にしたら、早めに子どものフォローを
まとめ|ママパパの心がけで子どもの多様性を生かして


親と子どもの間でもジェンダーについての考え方は異なっている


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ママパパ世代と子ども世代では、ジェンダーについての認識が異なっていることがあります。大人の方がジェンダーについて偏った価値観で接していると、子どもも同じようにジェンダーについて偏った考え方を持ってしまうことになります。


そこで、まずは大人と子どもではなぜジェンダーの価値観が違うのか、解説していきます。


世代による教育の違い


大人はこれまでに、家庭や社会における男女の役割があるかのような教育を受けてきました。家庭科の授業は女子だけだったという記憶のある方もいらっしゃるのではないでしょうか?


1989年の学習指導要領の改正まで、中学校では「保健体育」と「技術・家庭科」で男女別の教育が行われていました。「保健体育」の場合は格技は男子のみ、ダンスは女子のみ、「技術・家庭科」では技術は男子のみ、家庭科は女子のみといった明確な区分があったのです。


そのため、ママパパ世代では個人の差はあるものの、男女の役割についての固定概念が定着している傾向があります。


しかし、幼い子どもは男女の役割を固定化した情報にはまだ触れておらず、まっさらな状態です。
社会の変化に応じて学習指導要領は改訂が続けられ、今ではジェンダー差を植えつけないカリキュラムに変更されています。
これから教育を受けていく子どもたちは、ジェンダー差を感じない環境で成長していくのです。


テレビや本の影響


ママパパが幼い頃に親しんでいたテレビ番組やキャラクターなどを思い出してみてください。


男の子は戦隊モノや格闘技などで強い主人公が活躍する番組、女の子はアイドルやかわいい主人公が活躍する番組を好んでいたかもしれませんね。知らず知らずの間に、性別に合わせた情報に親しんでいたという側面があるのではないでしょうか?


しかし、現在では性別に関係なく楽しめるように配慮されているテレビ番組や本が増えてきました。
「女の子だってかっこいいものに憧れるし、可愛いものが好きな男の子もいる」といった多様なニーズに沿い、個性を尊重した風潮が当たり前の子どもたち。好きなものを好きと言うことにためらいがありません。
幼い頃から触れる情報が異なるため、ママパパ世代とはジェンダーについての認識も違うのです。


遊びの内容に差がなくなった


パパママ世代が幼かった頃、一緒に遊ぶ相手は同性が多くありませんでしたか?
遊びの内容も、男の子はおにごっこや電車のおもちゃ、女の子はおままごとやお人形遊びなど、無意識のうちに遊びが男女で分かれていたこともあったかもしれません。

しかし、最近の保育園や幼稚園などでは、その子がやりたいと思った遊びをさせる方針を徹底しています。男の子女の子の区別なく、ゲームで遊んだり、外で体を動かしたりしています。遊びの中でも男女の差ではなく、個人の好みを追求するのが今どきの子どもたちです。


親と子どものジェンダー平等に気を付ける「ママの心得」とは


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これまでに職場や家庭で担う役割が「女性だから」と決まっていることに違和感を持ったことはありませんか?
子どもには男女の別ではなく、個人の特性に合わせて自由に生きてもらいたいと考える方もいらっしゃるかと思います。
そこでジェンダー平等を子どもに教えるために、ママができる心得を詳しく解説します。


性別に関わらず家事に触れる時間をつくる


生活する上で家事のスキルは男女ともに必要不可欠です。親元から独立した後は自分で炊事・洗濯をしなければなりません。結婚して子どもが生まれたら、夫婦で力を合わせて育児を行うでしょう。
子どもの将来を考えて、家事をするときには子どもの性別に関わらず、お手伝いをさせることが大切です。ママとだけでなく、パパとも一緒に行うのがよいでしょう。


性別で活発さやおとなしさを評価しない


子どもの評価として、「元気の良さ」や「活発さ」、「おとなしさ」を語ることがあります。その際に性別を持ち込まないことが大切です。木登りが上手な女の子、洋服のコーディネートが好きな男の子、どちらも素敵なことです。性別を理由にして、おにごっこやお人形遊びを勧める必要はありません。


好みの服装を選ばせてあげる


服装は自分らしさを表現する手段であり、アイデンティティーを形成する大切なアイテムのひとつです。幼い子どもでもどんな格好をしたいか、選択する権利を持っています。
好きな色や好きな形の服を子どもに選ばせてあげましょう。校則などで問題がなければ、髪の長さも自由です。
一緒に買い物に行った際「これが着たい!」と子どもが主張したら、自分の中で性別による違和感があったとしても、肯定的に捉えてあげましょう。

ただし、親として身だしなみで気を付けるべき点は教えてあげることが大切です。
例えば

・スカートを履いている際には所作に気を付ける
・長い髪は衛生面を考えて結ぶ
・防犯を考慮して、露出に気を付ける



といったことです。


親と子どものジェンダー平等に気を付ける「パパの心得」とは


仕事と家庭のバランスは、パパにとっても正解がない部分ではないでしょうか?実は、子どもにジェンダー平等を身につけさせるには、パパの発言や行動がとても重要です。そこで、パパにできる心得について詳しく解説していきます。


性別を理由にした言葉をかけない


パパはこれまで「男性だから」という理由で担ってきた仕事も多いと思います。かつて自分の親から性別を理由に、進学や就職の進路をアドバイスされたこともあるでしょう。そのため、息子にも同じような言葉をかけてしまいそうになるかもしれません。


しかし、わが子が大人として生きる社会は、収入を得ることも家庭を運営することも、性別によって役割を分けない価値観が広まっているはずです。性別を理由にした役割を押し付けることなく、その子の良いところをたくさん伸ばしてあげてください。


性別で進学や就職を考えない


内閣府男女共同参画局の調査データ(※1)によると、平成29年度の男女の大学への進学率は女子49.1%、男子55.9%と男子の方が6.8%ポイント高くなっています。女性の大学進学率は年々上昇しているものの、女子は8.6%が短期大学へ進学していて、最終学歴にまだ少し差があります。


また、理学工学分野では女子学生の割合が低く、専攻分野によって男女の偏りが見られています。そのため、世界各国と比較して日本の女性研究者の割合は、大きく差をつけられています。


男女の学歴差については、さまざまな見解があるものの、親のジェンダー意識が少なからず影響しているという側面もあります。
生物学上は、得意な科目や研究に性別による差はないと言われています。親としては、男女関係なく本人が望んだ教育を受けられるように環境を整えてあげることが大切ではないでしょうか。
また、パパ自身が会社での出来事について話す際、性別で分けた発言を避けるのも大事なことですね。


※1男女共同参画白書(概要版) 平成30年版 | 内閣府男女共同参画局 (gender.go.jp)


ジェンダーについて異なる考え方を耳にしたら、早めに子どものフォローを


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ママパパ世代より上の年代では、男女の役割が完全に固定された考えを持つ人もいます。
祖父母や親戚、先生などの方から、ジェンダー差にまつわる言葉をかけられることがあるかもしれません。そんな時に子どもが混乱してしまわないように、ママパパができるフォローについて説明します。


考え方の多様性を伝える


まずは人それぞれ異なる考えがあることを説明しましょう。これまで受けた教育や、生い立ち、世代など違う部分が多ければ、考え方も異なると伝えてあげます。


その際、他の意見を強く否定しないことがポイントです。子どもが異なる意見を持った人に、突然「ママやパパが間違っているといった」と言うと、人間関係が複雑になってしまいます。子ども自身が考え方の多様性を受け入れ、自分で判断する力を身に着けられるようにサポートしてあげましょう。


「パパママはそう思わない」と率直に伝える


ジェンダー差の含まれた発言を耳にすると、子どもは驚き、傷つくことも考えられます。
ジェンダー差のない価値観で育っている子どもにとって、自分自身を否定されたように感じてしまうかもしれません。


周囲の人が何の気なしに発した言葉でも、「ぼくは泣いちゃダメなの?」「私は木登りしちゃいけないの?」など理解ができないことも。
そんなとき、ママパパは「そんなふうに思っていないよ」と伝えて安心させてあげましょう。ママやパパの言葉は、子どもにとって何より安心できるものです。
「どんなあなたでも受け入れるし、間違っていない」というメッセージをまっすぐ子どもの心に届けてあげましょう。


パパママの意見を相手に伝える


相手が良かれと思って助言したつもりでいることもあるので、不必要に相手の意見を否定するべきではありません。相手の気持ちを尊重・配慮するのもまた、大人の対応として大事です。


しかし、あまりに子どもを否定する発言が繰り返される場合、子どもを守るため、パパママの意見を伝えておく必要があるでしょう。
その際は口論となるような言い方ではなく、あくまで冷静かつ論理的に伝えます。子どもが「自分のせいでもめ事になってしまった」と不安に感じてしまわないよう、注意しましょう。

伝え方に悩んだらプロに相談を
ジェンダーに関する話題はとてもデリケート。親子間でも伝えるのが難しいと感じることがあるかもしれません。
ジェンダー差について、子どもにどう説明すればよいか悩んだときは、保育園の先生やベビーシッターなど、最近のジェンダー教育に詳しいプロに聞いてみるのがオススメです。



まとめ|ママパパの心がけで子どもの多様性を生かして


パパママ世代と、子供世代ではジェンダーに関する捉え方が異なります。
周囲の大人の思いがけない言葉や行動で、子どもたちの戸惑いや不安につながってしまう恐れもあります。子どもたちがのびのびと自分らしさを大事にできるように、ママパパとして日ごろの接し方に気を付けていきたいですね。


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