最近の教育現場では、新学習指導要領にそって子どもたちにジェンダー平等の意識を持ってもらうよう、性別による差のない対応に気を配っています。しかし、ママやパパは旧来の教育を受けてきたために、ジェンダーについて子どもに教えることに不安に感じることも。そこで、子どもへの声がけポイントについて解説します。

ジェンダーが気になるシチュエーションとは


家族
ジェンダーとは「社会的性差」のことです。性別の違いによって無意識に抱く役割や行動、考え方や見た目などのイメージのことを意味します。
近年、性別による不平等だけでなく、そこから生じる生きづらさにもスポットライトが当たるようになりました。
「性別による役割を押し付けられている」「性別によって不当な評価を受けている」など、息苦しさを感じたことのあるママパパもいらっしゃるでしょう。子どもの将来には、ジェンダーによる先入観が影響してほしくないですよね。
そこで、まずは子どもが特にジェンダーについて疑問を持つ場面について、考えていきます。


【シチュエーション1】習い事選び


ママパパが子どもだった頃は、習い事の種類によって習っている子の性別がくっきりと分かれていたケースが多かったのではないでしょうか?現在では、ピアノやバレエ、野球やサッカーなど、多くの子どもたちが、男女の別なく好きな習い事に取り組んでいます。
ママパパ自身は多様性を理解していても、祖父母など高齢の世代では習い事を性別で区別する考え方を持っている人もいるため、何気ない声がけやアドバイスが子どもにとって違和感になることがあります。


【シチュエーション2】将来の話


祖父母など高齢の世代を中心に、結婚して家庭を持つことで大人として認められる時代がありました。現在では、「結婚」は本人の意志で自由に決めるものと考える人が多いですが、個人や年代によってその感覚はさまざまです。
幼い子どもに「しっかり稼げるような男になって」「ママになるなら料理できないとね」などと、親族や祖父母が深い意味なく話すこともあるかもしれません。そんなとき、子どもは性別による役割に、疑問を持つことがあります。


【シチュエーション3】ランドセルの色選び


ランドセルの色は、年々多様化しています。色だけでは、男の子のものか女の子のものか区別がつかないのが当たり前となっています。
しかし、祖父母の中には「やっぱり黒か赤がよい」と思っている人もいるかもしれません。特に祖父母がランドセルを買ってくれるという場合は、色選びで価値観の違いが露呈することがあります。
小学校入学はおめでたいことなので、トラブルは回避したいですね。好きな色を言って、子どもが傷つくのも避けたいところです。


子ども時代はジェンダー差が植えつけられていない貴重な時期


子ども
幼い子どもは、性別の概念があいまいです。固定概念や先入観がないので、自分の好きなものを自由に選べる時期です。
しかし、この時期に周囲の大人が「男らしさ」や「女らしさ」を押し付けてしまうと、子どもはジェンダー差があることを自然と受け入れてしまいます。だからこそ、幼い子どもにはジェンダー平等を意識した声がけを行い、子どもが自分らしさを尊重できる環境作りが大切になってきます。


ジェンダー教育に配慮した子どもへの声がけチェックポイント


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ジェンダー教育を受けていないパパママにとっては、ジェンダーに配慮した声がけを難しいと感じることもあるでしょう。子どもを傷付けていないか、不安に感じていないか、ついつい心配になってしまいますよね。
そこで、生活の中の各場面に応じた、ジェンダーに配慮した子どもへの声がけについて紹介します。


【1】家事の分担に関しての声がけ


家事をしている姿は子どもが最もよく目にする親の姿です。毎日の生活でママばかりが担当していると、子どもはそういうものだと認識します。パパも積極的に家事をしている姿を見せると、子どものロールモデルになるでしょう。
たとえ何らかの事情によりどちらかの家事負担が大きくても、「ママとパパで手分けしてやっている」と子どもに声がけすることがポイントです。


【2】職業選択についての声がけ


以前は職業についても性別で分かれていることが多くありました。しかし今では、看護師や、バスやトラックの運転手など、性別に関係なく職業選択できるようになっています。
子どもがどんな分野に興味があり、将来どんな勉強をしたいと考えているのか、話すときには、「何が好きなの?」「どんなことをしてみたい?」と柔らかな口調を心がけ、性別によって違うことを言わないようにしましょう。
性別で職業を選択するのではなく、子どもの個性や長所を活かした職業選択ができるようにサポートしてあげましょう。


【3】容姿に関する声がけ


容姿に関する表現は、一見ジェンダーとは異なるように思いますが、性別によって容姿の良し悪しを言葉にすることで、子どもは暗に求められているものを認識します。
「〇〇ちゃんは美人でいいね」「〇〇くんは体が大きい」など、性別に絡めて顔のつくりや体の大きさをほめると、そうでない子どもは傷つきます。
容姿について大人が子どもに声をかけるときは、自分の中にジェンダー差がないか、一度立ち止まってみるとよいでしょう。


【4】趣味趣向についての声がけ


洋服の色やズボン・スカートといった服の形、髪の長さ、おもちゃの種類や色など、親の固定概念と異なる物を子どもが好んでも、「そういうのが好きなんだね」と受け入れる姿勢が重要です。
「どこがいいのか教えてもらってもいい?」と率直に聞いて、話題作りをするのもよいでしょう。子どもがどんな受け答えをしても、決して責めたり否定せずに最後までよく聞き、「よく分かったよ。教えてくれてありがとう」と伝えてあげるのがおすすめです。
子どもは自分を受け入れてもらったと感じ、自分が好きなものや自分らしさを表現することに肯定的になるはずです。


【5】将来の結婚の予定についての声がけ


将来、子どもが結婚することを前提に話をする大人もいると思います。しかし、結婚するかしないかは、人それぞれです。性別によって「絶対結婚した方がよい」というアドバイスは、避けた方がよいでしょう。
「大事に思う人と出会って、ずっと一緒にいたいなら結婚するとよい」と、個人の判断にゆだねる声かけがポイントです。

子どもへの接し方について悩むときは、保育園の先生やベビーシッターなど多くの子どもに接している人にアドバイスをもらうのもおススメ。
保育園の先生やベビーシッターは子育てのプロ。経験や知識はママパパより豊富です。
キッズラインでは、経験豊かなベビーシッターがそろっており、子育ての悩みにもお答えします。家庭内で問題を抱えこんでしまうのではなく、外部の意見も取り入れてみてはいかがでしょうか?



幼児期のジェンダー教育で声がけ以外に取り組みたいポイント


母と子
子どものジェンダー教育ではママパパによる声がけは重要ですが、他にも取り組みたいポイントがあります。家庭でできる子どもへの接し方についてもご紹介します。


●子どもの感性を尊重して選ばせる


洋服や食器、おもちゃなど、子育ての中で選ぶものはたくさんあります。その際、パパママの先入観で選ぶのではなく、子どもの感性で好きなものを選ばせてあげましょう。
子どもがどんなものを選んでも、口を挟むことなく見守ってあげる姿勢が大事です。


●周囲にジェンダー差を感じるものに気を付ける


テレビ番組や絵本など、子どもが普段何気なく目にするものの中に、ジェンダー差を感じる内容が含まれていないか配慮してあげましょう。「お話でママがずっと家にいるのはどうして?」「うちと違うのはなぜ?」といった疑問が出てきた場合は、さまざまな価値観があることを丁寧に説明してあげましょう。


まとめ|ジェンダー教育は身近な大人の声がけが大切


子どものジェンダー教育には、まず一番身近な大人であるパパママの声がけや行動がキーポイントになってきます。
子どもがお互いの個性を尊重しながら、ありのままの自分を表現できる手助けをしていきたいですね。
周囲の大人への対応は、関係性に応じて、段階的かつ柔軟に対応しましょう。
家庭だけで難しいことや分からないことがあれば、キッズラインのベビーシッターへの相談やサポートも検討してみてくださいね。

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