キッズラインで活き活きとお仕事をされているサポーターの方に、働き方の工夫ややりがいについてお伺いする企画。第8回目は、自身も4歳と2歳の男の子のお孫さんがいるという大壽美智子さん(おおすみともこ)さんにインタビュー。パートタイム以外の働き方をしたことがなかったという大壽美さんが、子育てを終えた後どのように認定ベビーシッター資格を取得し、チャレンジを遂げたのか。そのストーリーをご覧ください。

子育て終了後、孫の世話がきっかけでベビーシッターに




ーはじめに、大壽美さんがベビーシッターになろうと思ったきっかけを教えてください。

子育てが終わり、「これから何をしようかな」と将来を考えたとき、小さい頃からの夢だった子どもに関わる仕事をしたいと思ったことです。実は、幼い頃から子どもが好きで、当時は保母さんになるのが夢だったんです。ただ私は若くして結婚をして以来、社会で働くことはほとんどありませんでした。

子どもが大きくなってからは、パートタイムで働くようになりました。大好きだった子どもに関わる仕事をしたことはあったものの、仕事中に遭った不快な体験から「もう二度と子どもに関わる仕事はしないだろうな」と思っていました。そんな 私の考えを大きく変えたのが、孫の存在でした。

ーお孫さんの存在が大きかったのですね!

孫が生まれる前は、人生の波を味わっていて、心が疲れていたんですね。その頃コロナ禍が始まり、より不安を感じやすくなっていた時期に孫が誕生しました。

転機になったのは、孫が1歳を迎え、息子夫婦が仕事に復帰した頃。息子夫婦が夜勤のときに孫を預かるようになったのです。 孫と接するうちにパワーをもらい、心が元気になっていくのを感じました。

ーそこから、ベビーシッターの道に進みたいと思うようになったのですね。

最初は泊まりで週に2回程度、孫のお世話をしに行っていました。でも、それだけでは物足りなく感じてきて。孫たちのところから帰ってきたら一日ぼーっとして終わる日もあって、その時間に何か他のことをできるのではないかと考えるようになりました。そのうち、 「あぁ、やっぱり私、子どもに関わる仕事に就いてもいいんじゃないか」と思えるようになったんです。

ただ、私は「どこかの組織に所属すると、自分らしくいられない」という感覚を持っていました。 私らしく働ける場所はどこだろう、とフリーランスの働き方に目を向けるようになったんです。そんな頃に、キッズラインを知りました。

「やってやるぞ!」の気持ちでベビーシッター資格を取得


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ーキッズラインは、どのような経緯で知りましたか?

SNSの広告で見かけました。すごく素敵な方たちが写っていらっしゃるので、気になっていたんです。年齢層の高い方もいらして、私くらいの年齢の人でもキッズラインのサポーターができるのかな?と興味を持ち始めました。

フリーランスという働き方を調べていくうちに改めて「こんな働き方もあるのか」ということを知りました。そこからはもう、やれるかもしれないって思って、ベビーシッターになるための資格取得のために勉強を始めました。

ーベビーシッターの知識を学ぶ体験はいかがでしたか?

資格がないと受けられないと知ったときは「やっぱり難しいかもしれないな」と思いましたね。 でも当時を振り返ると、「やってやるぞ!」という気持ちに近かったかもしれません。

私の場合は、キッズラインの登録説明会の前に自分で「全国保育サービス協会(ACSA)ベビーシッター養成研修」を受け、その3週間後に「現任研修」を受講しました。

学び始めると「どんどん知りたい!」という意欲が湧いてきたので、楽しくて仕方がなかったです。勉強を通じて、今まで自分がしてきた子育ての答え合わせをしている感覚を抱きました。「これはこれで良かったんだ」や「これにはこんな考えもあったのか」といった風に思えるようになりました。

ーそこからキッズラインの選考に来ていただいたのですね。

「全国保育サービス協会(ACSA)ベビーシッター養成研修」+「現任研修」の修了証を取得後、説明会に参加して選考に進みました。選考中は、不安に感じつつもどこかで「大丈夫大丈夫」と思っている自分がいました。

かつてホームヘルパー(訪問介護員)の資格を取って2〜3年ほど働いていた経験もあったので、他の人のお宅へ伺うイメージがつきやすかったこともあるかもしれません。予想以上にスムーズに最終選考まで進み、合格をいただくことができました。

ーその後も勉強を重ねられたんですね。

はい。キッズラインでデビューした半年後に、「全国保育サービス協会(ACSA)認定ベビーシッター」の資格を取得しました。

まずは自分から動いてみることの大切さ


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ー選考に合格後、デビューされたときはどのような気持ちでしたか?

書類に記入する機会が多くて、記載内容に不備がないかな?と思うことはありました。お仕事に対する不安というのはありませんでした。

ー最初のお仕事はどのようにして決まりましたか?

プロフィールページが公開された後は 待っていても仕事は来ないと思って、サポーター募集に自分からアクセスしてみました。思い切って連絡をしてみたら、すんなりと顔合わせに進み、その日の午後にはお仕事が決まりました。親御様にも「初めてなんです」と伝えましたが、それでも「お願いします」とおっしゃっていただけて、とてもありがたかったです。

ー最初のサポートは、どのような依頼でしたか?

学童保育にお迎えに行って、自宅に戻って、夕食から寝かしつけまでをサポートしました。小学生のお子様で乳幼児ほど手がかかるわけではなかったので、ゆったりとした気持ちで寄り添うことができました。

ーベビーシッターの仕事で不安に感じたことはありましたか?

サポートに関しては不安はありませんでしたが、スマートフォンやパソコンを使っての作業に戸惑いました。予約の見積もりを出す操作に不慣れであることを親御様にお伝えして、何とか乗り越えました。

「私らしく働ける場所」がなによりも大切


ー親御様とのコミュニケーションで気をつけていることはありますか?

ご依頼いただいた方から、スケジュールが空いていないから当初は連絡しなかったと言われたことがあります。そのため、「とにかく困ったらメッセージから連絡をください、何でも相談に乗りますから」とお伝えしました。スケジュール上は空いていない日でも調整できることがありますので。

その結果、 ご依頼や予約を入れる前に多くの方がメッセージから連絡をくださるようになり、「その日が無理でも、この日なら空いていますよ」とご依頼日を調整できるようになりました。頼っていただけると私も嬉しいですし、今後もずっとこんな関係が続けばいいなぁと思いますね。

ー他に工夫をされていることはありますか?

スケジュールの更新やプロフィールで追加できることはないかなど、毎日必ず一度は自分のページをチェックしています。他のサポーターさんのプロフィールを参考に、言い回しや表現などを変更したりもしていますね。

ー時給については、どのように考えられましたか?

私はキャンペーン価格として、時給1800円からスタートしました。でも、当初はどうしても自分の中で2000円を超えられなくて…。保育士ではない自分が、時給2000円を設定してよいのか、長らく迷っていました。

しかし、思い切って時給を上げてみたところ、予想に反してご依頼は途絶えませんでした。そこで徐々に時給を上げていき、現在の価格設定に至りました。時給2000円に設定したのは、デビューしてから約3ヶ月後のことでした。

ーキッズライン以外の働き方は検討されなかったのですか?

ベビーシッターの派遣会社に問い合わせをしたり、資料をもらったりしたことはありました。ただ、いずれも私らしくいられる環境ではないなと感じました。というのも、私は自分らしさの表現として、髪の色を自分で決めたいと思っているんですね。

しかし、会社によっては髪色の指定があったり、スニーカーではなくパンプスを履くよう求められたりと、細かな規定がありました。私にとっては「自分らしくいられる場所で働くこと」がとても大切でした。その点、キッズラインは時給を自分で決められることや、自分らしいスタイルで働けることなどが、他社とは異なる魅力でしたね。

子どもの安全が大事。だからこそ、時には毅然と注意も


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ーベビーシッターになってよかったと思えたエピソードはありますか?

「あなたに来てほしい」と言ってもらえたり、「あなたがいい」とおっしゃっていただいたときは、本当に嬉しいです。 お子様から、「また来てね」「もう帰っちゃうの淋しい」と帰り際にハグされたことがありました。その時は「本当にベビーシッターになってよかった」「この仕事を選んでよかった」と思えましたね。

実は定期的にご依頼いただいているご家庭からクリスマスプレゼントをいただきまして、それが本当にもう、私の宝物になっています。お子様が描いた私の似顔絵を刺しゅうにしてくださったタオルなんです。頂いたときは、泣いてしまいました。

ーベビーシッターをしていて難しいと感じることはありますか?

主にお子様との相性としつけの面ですね。親御様と良い関係を築けても、お子様との相性が合わないと双方にとって苦痛な時間になってしまいます。 その場合は「私では相性が合わないかもしれない」と、正直にお伝えするようにしています。

しつけに関しては、基本的にベビーシッターではなく各ご家庭ですべきものだと考えています。ただ、シッティング中にお子様が危険な行為や社会的なルールが守れていない行動をした際には、声かけをしています。 ただ、どのようにお声がけするべきかは難しいですね。

ーしつけに対するお声がけは、どのように対応されていますか?

1回目であれば、様子を見ます。2回目以降は「これは危険だよ」「こんな理由で困るからやめようね」と伝えるようにしていますね。声がけをすると同時に「私も悲しい気持ちになるよ」と話すようにしています。

親御様には事前に「お子様が危ないことをしたら、私はしっかりとダメだと伝えます」と伝えるようにしています。 お子様の行動が命に関わる場合は特に重要です。みんなが悲しい思いをしないためにも……という思いです。
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ベビーシッターから保育士へと広がる夢


ーご家族がいらっしゃる中で、働く時間の使い方や優先順位はどのように決めていらっしゃいますか?

優先順位は、孫>仕事>家族と自分の順 です。孫のサポートは必ず泊まりで行うので、週に2日は孫のための時間を確保するようにしています。

息子や娘も、私の仕事を応援してくれています。時間の使い方や時給を自分で決められる点が「お母さんに合っているんじゃない」と言ってくれています。ただ、私は熱中しすぎるところがあるので、体調管理だけは気を付けるようにと言われています。

ーキッズラインでお仕事を始められてから、気持ちに変化はありましたか?

時給設定や働く時間を自分で選択し決められるスタイルは本当に魅力的で、これぞ私らしく働ける環境だと感じています。「この金額を払ってでもあなたに依頼したい」と言ってくれる方のおかげで、自信を持って依頼を受けられるようになりました。 自分で決めた日時で、自分らしくのびのびと働けていますね。

ー今の働き方を今後も続けていきたいですか?展望も合わせてお聞かせください。

もちろん続けたいです!仕事については夫とも話し合っていて、現在は孫のサポートもあり扶養の範囲内で働いていますが、「もっと働きたい、羽ばたきたい」という気持ちが強いです。「この仕事には定年がない」と聞いたことが強く印象に残っていて、70歳になっても活躍したいと思っています。

当面の目標は、還暦を迎えるまでに保育士の資格を取得すること。 ベビーシッターの仕事だけでなく、私の得意分野である裁縫や手芸にも力を入れて、作品づくりにも挑戦してみたいですね。
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――インタビューを終えて――
フレンドリーでチャーミングな大壽美さんの魅力を、存分に感じられたインタビューでした。子育て終了後に学び直しをしてベビーシッターにチャレンジしてくださったおかげで、たくさんのお子様の笑顔が生まれたことと思います。
大壽美さん、貴重なお話をありがとうございました!


▼大壽美さんのプロフィールページはこちら
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