寝不足やホルモンバランスの崩れによるストレスは予想以上に産後の身体に響きます。実母や義母の協力を得て産後を乗り切ろうと思っていたものの、娘と孫の世話に追われ母が倒れてしまったということもあるようです。そんな時に頼れるのが産前産後ケアのプロである産後ドゥーラです。

ママ達にはストレスをためず、とにかく身体を休めることに集中してもらいたい

ー産後ドゥーラになったきっかけは何でしょうか?

私には3人の娘がいるのですが、やっと子育てがひと段落ついた2年前の秋、新聞で産後ドゥーラの記事を見つけました。 自分の子育て経験が生かせると分かり、専業主婦の経験しかない私でも挑戦できるなと思ったんです。ずっと専業主婦をしていたので、働いている女性に憧れる気持ちがいつもありました。子育てが一段落して、いざこの年齢で働こうと思っても選べる仕事が限られてしまうんですよ。仕事をどうしようかなと思っていた時期に産後ドゥーラを知り、自分の子育て経験が生かせると分かったので産後ドゥーラの養成コースへ申し込みをしました。また子育てする娘の姿を見て、一人でも多くの女性に安心して出産、育児に臨んでほしいと思ったこともきっかけの一つです。

産後ドゥーラとは?詳しくはこちら

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マミコさんの家族写真。一番右がマミコさん。

ー産後ドゥーラの資格取得後はどのように仕事を見つけましたか?

実は資格をとったものの実際どのように動いて良いか、最初の一歩が踏み出せずにいました。そんな時にキッズラインがドゥーラ協会と提携したことを知り、説明会に行きました。キッズラインはお子様に万が一のことがあった場合に備えての保険に入っていますし、複雑な事務処理もないことがわかったので、その場で産後ドゥーラサポーターとして登録をしました。

—お仕事を始めてみて、よかったことは何でしょうか。

生活にメリハリが出ました。キッズラインでは自分のペースで仕事のスケジュールを決められるのがいいですね。趣味の時間、孫と会う時間、家事をする時間も確保できます。キッズラインで働き始めた頃、体力的に疲れて家事のやる気がなくなってしまうかもしれないと不安に思っていたのですが、むしろ逆でした。仕事に育児に頑張るママを見て私も元気をもらいますし、料理のサポートをした日は帰宅してからも、はりきって台所へ立ちます。食卓にたくさんの品が並んでいたら嬉しいですよね、そう考えるとイキイキと自分の家庭のこともできるようになり、自分の家族にも良い影響があるんじゃないかと思います。あとは、ずっと専業主婦だったので働く喜びを感じています。

ーどのような方からの依頼が多いですか?

意外にもパパからの依頼も多いんですよ。最近の男性は、子育てについてよく調べているんだなと感心します。パパ達は奥さんの身体が心配、家事の負担を減らしてあげたい、二人目が生まれたけど手一杯なので、上の子と思いっきり遊んであげてほしいということで依頼を頂きます。ママは整体などご自分のケアの時間を持ちたい方が多いですね。自分自身の出産、育児経験と産後ドゥーラの勉強で改めて産後のケアの重要性を感じたので、ママ達には充分に身体を労って欲しいです。

ーやはり親が遠方という家庭が多いですか。

私も親御さんが遠方のご家庭からの依頼を想定していたのですが、意外にも親御さんとの距離に関係なく、ご依頼頂いています。今は私達の世代も仕事を持っていたり、介護をしていたりと距離に関係なくサポートを必要とされる方が多いですね。あとはママのお母様、つまりお子様にとっておばあちゃんから「手伝ってあげたいけど、出来ないから…」とキッズラインをテレビで見て、勧められたから登録したという方もいらっしゃいます。娘を想う母親の気持ちはよく分かるので、いつもご依頼下さった方のお母様の気持ちで、心を込めてサポートしています。
最近のママ達は便利な世の中にいても、孤独なんだなと感じます。私が子育てしていた頃は近所のおばちゃん達が話を聞いてくれたり、大丈夫だよと声をかけてくれたり、よく助けてもらっていました。そんな経験から今度は少し経験のある私が恩返しのつもりでサポートしたいと思っているんです。元々「ドゥーラ(dola)」というのは、ギリシャ語で「他の女性を支援する経験豊かな女性」という意味があるんですよ。

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人生経験が生きてくる仕事

ー産後ドゥーラならではの強みは何でしょうか。

自身の出産経験と産後ドゥーラでの勉強から、ママの疲労具合を見極めてサポートしています。保育士さんは子供のプロですよね。産後ドゥーラももちろん乳幼児のケアについて学びますが、大きな違いとしては産前産後のママの身体のこと、ホルモンバランスの変化に伴う精神的な負担について詳しく学びます。自分の出産経験で感じたことと、産後ドゥーラの勉強が重なる部分もありますが、新しく知る知識はもっと多くありました。ママの体調やちょっとした変化に敏感に気付けるよう、ママが気付かずに出しているサインを読み取ります。そしてかけがえのない子供を産んでくれたママに、出産に対する感謝の気持ちが伝わればいいなと思いながら接しています。ママは人に優しくされるとゆとりが生まれて子供にもパパにも優しく接するんです。全てのバランスはママ次第なんですね。産後ドゥーラの養成コースで勉強したことと、自分自身の子育て経験からママの身体、心の状態を敏感に把握しサポートできることが強みかもしれません。

ー喜ばれるサポート内容を教えて下さい。

サポートの要望が多いのは料理です。食べることが大好きなので、バランスや見た目にもちょっとしたこだわりがあり、ママにもパパにも喜んで頂いています。料理のレパートリーを増やしたいということで、ママと一緒に台所に立つこともあります。
あとはパパの帰りが遅かったり、ママは身体を休めたり、お子さんの世話でなかなか買い物に行けない時もありますよね。でも何か夕飯を作らなきゃという時に、冷蔵庫にあるもので料理すると冷蔵庫の整理にも繋がるので、とても喜ばれます。料理の要望がある際は事前に何が残っているか聞くようにしているのですが、思ったより食材が余っていなかった!なんて時には頭をフル回転させるので良い脳トレです。

マミコさんがサポート先で作った料理。食べることが大好きというマミコさんは、サポート先でもメインと副菜5品程作ってしまうそう。野菜たっぷり、栄養バランスしっかりの手料理はママもパパも嬉しいですよね。

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ーサポート中はママとどんなことを話しますか?

何を話そうかなと考えることはないんです。ただ話を聞いて欲しいときが誰にでもあると思うんです。一日中子供と向き合っているママ達は尚更ではないでしょうか。話を聞いてほしいだけなのに、あれこれアドバイスされると疲れたりしますよね。私も実の娘だとついつい意見を言ってしまうので反省なんですが…。実の娘との体験も生かされているかもしれませんね。あとはママ達がストレスに感じていることや不安なことも打ち明けてくれたりします。そんな時は私の失敗談を話すことで「そこは手を抜いていいんだ」と肩の荷が少しでも降りれば良いなと思っています。ママは一生懸命に頑張っているんです。情報が多い時代だからこそかもしれませんが、育児について熱心に勉強されている。だからこそ不安に思うことも増えているのかもしれませんね。

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ーサポート先でパパとお話しすることはありますか?

もちろんありますよ。ママを想う優しい男性が増えているのでしょうね。事前のシッティング打ち合わせ等で同席されるパパもいらっしゃいますし、お宅に訪問してお休みのパパとお話することもあります。皆さん何とか奥様を助けようと頑張っていますね。お話していてもよく感じます。世の中ではイクメンという言葉が出ていますが、そういう言葉のプレッシャーを感じてしまうこともあるのではないかとも思います。すべての男性が家事も育児も一緒に頑張りたいと思っていても出来るとは限らないですしね。ママにとってパパの家事、育児への参加は嬉しいですが一番大切なのはママの話を聞いてあげる、つまり孤独感を少しでも減らしてあげることだと思います。最近シッティングしていて、パパからのご理解と信頼感があってこその私達サポーターなんだなと痛感しています。
子育ては慣れないことだらけで戸惑ったりイライラしたりするのも当たり前です。子育てはみんなでやりましょう。切れ目のないサポートも必要です。赤ちゃんのいる生活に少しでも早く馴染めるよう、これからもドゥーラからシッターまでトータルでサポートできればと思っています。

ーいかがでしたでしょうか。

実はこのインタビューを機に、1月に出産を控えたキッズラインスタッフもマミコさんのサポートを受けることに決めました。産前産後は何かと忙しいので、産後のプランニングをするために、来月夫婦でマミコさんに会う予定です。前もって産後ドゥーラサポーターに会っておくことで、出産に備えてのアドバイスをもらったり、産後すぐに駆けつけてもらう体制が整うのでメリットばかりです。

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産後ドゥーラサポーターのマミコさんのページ
※キッズラインで予約をするとサポーターの本名が公開されます。キッズラインのサポーターは全員本人確認書類を提出しています。

後編ではマミコさんがサポートに行っている荒木さんご夫妻にインタビューします。

後編 荒木さんご夫妻のインタビュー記事はこちら

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