キーワードで検索する

てんかんのお子さまの対応

てんかんとは、脳の神経細胞が突如、一時的に異常な電気活動(電気発射)を起こすことにより、意識障害やけいれん等のてんかん発作を繰り返し起こす脳の病気です。
出典:厚生労働省「てんかん|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省」


子どものてんかん

子どもに発病するてんかんを小児てんかんといいます。小児てんかんは医療上、18歳くらいまでを指します。
小児てんかんにはいろいろな種類・症状が見られます。原因も多彩で、脳に構造的な異常がある場合、生まれつき(先天性)の代謝異常症、遺伝子の異常、周産期の異常などさまざまです。

分類

病因(症候性、特発性)と発作型(全般性てんかん発作、部分てんかん発作)によって4つに分けられます。
病因や発作の型によって治療方法も変わってくるため、どのようなてんかんのタイプか知ることが重要となります。

【病因型】
症候性てんかん
1歳までの発病が最も多く、生まれた時の脳の損傷や先天性代謝異常、先天性奇形が原因で大脳が傷つくことで起こる

特発性てんかん
幼児期~学童期に多く、原因がなく発病する
成人になるまでに治ってしまうことがほとんど

【発作型】
全般性てんかん発作 
脳全体で発作を起こす
部分てんかん発作 
脳の一部分が引き起こす

発作の症状は、数秒間ぼーっとする、手足がこわばる、けいれんをおこす、全身の力が抜ける、意識を失う、などさまざま

良性の小児てんかん

小児てんかんの中には、年齢とともに自然に発作が起こらなくなり、治ってしまうものがあり、良性てんかんとよばれています。
この場合、てんかんと診断されていても、抗てんかん薬を内服せずに経過を観察することがあります。

合併症

てんかんは、精神的な合併症を伴うことがあります。

①発達障害(知的障害及び知的発達遅延を含む)
②重症心身障害
③認知機能障害

小児期は認知機能の基礎的な機能が急速に発達するとても大切な時期です。
脳の成長を妨げることがないように、発作を抑えることが大切になります。

※てんかんとその他合併症がある場合は『障がい児対応可』のサポーターのみ対応可能です

てんかんのお子さまの保育を依頼したい場合

通常のベビーシッターサポートでのお引き受けが可能ですが、てんかん発作の対応歴がない、不慣れであるなどサポーターの力量は様々ですので、
てんかん発作の起こったときの緊急時の対応ができるよう、事前面談や顔合わせの際に注意点等をお伝えください。

事前面談が重要です

てんかんの症状は一人一人違います。
ユーザーからサポーターへ、お子さまの保育にあたり注意すべき点や発作時の様子など、十分なお引き継ぎをお願いいたします。

【確認事項】
・お子さまのてんかんの特徴
 最初の発作はいつか、どのような時に発作が起きやすいかなど
・服薬している薬
 投薬依頼書の確認 
・発作時の様子、頻度、対応法
 最終発作はいつか、発作の持続時間、サポート時に発作が起こったときの対応方法など
・お子さまの特性
 ​​落ち着きや集中力のなさなど
・当日の睡眠時間
 睡眠不足は発作を誘発すると言われているためサポート前に睡眠状況を確認しましょう
・お子さまの精神的な合併症の有無(発達障がい、知的発達遅延など)
 ※てんかんとその他合併症がある場合は『障がい児対応可』のサポーターのみ対応可能です

サポート内容について

てんかん発作は偶発的に起こることがほとんどですが、疲労や緊張、光刺激などで発作が起こりやすくなる、ある決まった刺激や出来事によって発作が起こるなどの場合もあります。
どのような状況で発作が起こりやすいか、避けるべき環境などのすり合わせを十分に行うようお願いいたします。
サポーターは、屋外でのサポート時は以下の点に注意しサポートを行います。

・サポーターは必ずお子さまのそばを離れない
・猛暑日などからだへの負担が大きいときの外遊びは避ける
・流れの速い川や海でのサポートは避ける
・無理をしない、長時間外で過ごさない

入浴サポート

入浴時の発作には特に注意が必要です。
おぼれるなど、生命にかかわる重大な事故につながるリスクがあります。
サポーターはお子さまのそばから離れず、シャワーのみで対応もしくは湯船のお湯の量を少なくするなど事故に気をつけて入浴補助を行います。

発作が起こった時のサポーターの行動

① 発作の持続時間を確認するため、発作が起こった時刻を確認する
② 周囲の安全を確認する
 ・階段や道路など危険な場所から移動させる
 ・危険物(ストーブ、刃物、家具など)を遠ざける
 ・食事中であれば、熱い食べ物飲み物などを遠ざける
 ・転倒しそうな場合は座らせる、寝かせる

② 衣服をゆるめる(特に首周り)
③ 顔を横に向ける
④ 救急車を呼ぶ
⑤ ユーザーへ連絡する

禁忌

・口の中に手や物は入れない
・ゆする、大声で呼びかけはしない