認可保育園に入るための選考は、家庭状況をポイント化した「点数」によって行われます。保活を行う上でこの「点数」がどのような仕組みか、知っていますか?保育園点数の計算方法や加点のポイントは事前に知っておきたい所。この記事では港区の例を使って点数の見かたをご紹介していきます。
認可保育園に入るための選考は、家庭状況をポイント化した「点数」によって行われます。保活を行う上でこの「点数」がどのような仕組みか、知っていますか?保育園点数の計算方法や加点のポイントは事前に知っておきたい所。この記事では港区の例を使って点数の見かたをご紹介していきます。
「認可」か「無認可」かは、施設の広さや保育環境など国の定める厳しい基準を満たしているかどうかで分かれます。
「認可」は保育料が所得に応じて決定し、各自治体によって保育の必要性の認定を受けた家庭が利用できます。
そして「無認可」は、国の定めた基準に満たない保育所のことですが、その中でも広い土地が確保できないなどの問題を考慮し、東京都が独自につくった「認証保育所」なども「無認可」に分類されます。
「無認可」の場合、「認可」と異なり、保育の必要性の認定を受けずとも、子ども同士の交流を持たせる等の目的で入園の申し込みをすることも可能ですが、費用の面で「認可」に比べて割高の傾向にあるため特徴をよく理解しておく必要があるでしょう。
認可保育園に入るための選考は、家庭状況をポイント化した「点数」によって行われます。この「点数」がどのような仕組みか、知っていますか?この記事では港区の例を使って点数の見かたをご紹介していきます。過去のデータを元に入れそうか見通しを立てて、保活戦略を考えてみましょう!
選考のための点数は正式には「指数」と呼ばれ、以下の3つの区分があります。指数や順位の内容は自治体によって異なるので注意が必要ですが、この3種類の区分はどの自治体でも共通です。
家庭の「持ち点」は、まず父・母それぞれの基準指数を合算し、調整指数の加点・減点を行ったものになります。この「持ち点」が同じ点数だった希望者同士は、優先順位によって順位付けされ、優先度の高い希望者から入園できることになります。
基準指数とは、就労状況(フルタイム勤務か、就学かなど)や健康状態(病気や障害など)といった、保護者の基本情報をポイント化した点数のこと。
調整指数とは、家庭の状況に合わせて、加点・減点の調整をする点数のこと。
優先順位とは、同一指数の希望者がいた場合に入園できる人を決定するための順位づけの定義 のこと。自治体によっては公表されていないこともあります。
指数と優先順位にはどのようなものがあるか、東京都港区(平成29年度4月入園対象)を例に、もう少し具体的に見ていきましょう。
フルタイム勤務の共働き世帯の場合、父母ともに「就労」の「週5日以上の就労」「1日8時間以上の就労を常態としていることが確認できる者」が該当します。したがって「基準指数」は、20点(父)+20点(母)の計40点となります。
次に「調整指数」について。
たとえば、すでに港区内の認可保育園に通う兄弟姉妹がいた場合、1点の「調整指数」が加点されます。このいわゆる「兄弟加点」も自治体によって仕組みが異なり、ときには、兄弟姉妹と同じ保育園を希望する場合にのみ加点が発生し、違う保育園を希望した場合は加点なしという自治体もあります。
同じ点数同士の希望者間は、「優先順位」により順位付けが行われます。同じフルタイム勤務の共働き世帯同士(40点)でも、すでに認可外保育施設(無認可保育園やベビーシッター等)を利用した実績があれば、実績のない世帯よりも優先されることになります。
住んでいる自治体で、あなたは認可保育園に入れそうなのでしょうか?指数の基準は年によって変わる可能性がありますが、前年度のデータをもとに見通しを立てておくことは可能です。
この2つを調べ、入れる望みがありそうかどうかを目安として知っておきましょう。そのあとで、保活戦略を立てると良いでしょう。
自分の世帯が何点になるのか、まずは前年度の入園案内を入手し、確認してみましょう。以下には特に、世帯の状況により点数が変わりやすい主な条件を挙げてみました。
《基準指数》
留意しておくべきポイントとしては、「フルタイム勤務」は自治体によって異なる場合があったり(7時間以上、8時間以上など)、自営業・フリーランスの世帯は、外勤か内勤かによって基準指数が異なる場合もあります。
《調整指数の加点や、優先順位で有利になり得る項目》
《調整指数の減点や、優先順位で不利になり得る項目》
なお、これらの条件は自治体によって基準が異なる点も注意が必要です。たとえば、自営業の人が外勤とほぼ同等の扱いを受けられる自治体と、はっきり区別される自治体もあります。
情報の有無は役所に直接確認を!「各保育園に何点で入れたのか(もしくは何点の人が入れなかったのか)」や「各保育園の応募倍率」を公開している自治体もあります。これらの情報を知ることができれば、入れる可能性が高い保育園を探すことができるでしょう。なお、直接の問い合わせや窓口でのみ知ることができる場合もありますので、情報の有無は役所に確認してみましょう。
上記2つをチェックできれば、認可保育園に入れる確度が分かってきます。待機児童にならないで済むような保活の戦略を練っていきましょう。
まず、どうしても「認可」に入れたい場合。希望する保育園によって入れる可能性がグンと上がる場合もあります。基本的には駅から遠い園や、2歳児までを対象とした小規模保育所は倍率が低い傾向にあります。こういった不便さが許容可能なら、応募者が少ない保育園を狙うのも戦略の一案といえます。
ほかに、簡単なことではありませんが、多くの人が加点しやすい条件として「職場復帰し認可外保育・ベビーシッターの実績を積む」という戦略も考えられます。もしも早めに復帰することが可能なら、加点や優先順位アップが見込めます。自治体により実績が必要な期間や時間数、費用は異なる点は注意が必要です。
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また、「認可」に入れる可能性が低そうな場合は、無認可保育園への応募も視野に入れる必要があります。「無認可」というと悪いイメージを持つ人もいるかもしれませんが、良し悪しは見極めが必要です。通える、かつ信頼して預けられる無認可保育園があるのか、調べておきましょう。
なお、4月入園を狙う場合、入園案内は前年秋ごろに公開されます。年により指数の基準が変わる可能性もありますので、最新情報は改めて確認し、わからないことは管轄の役所に相談しましょう。
2021年の全国の待機児童は5634人。2017年と比較すると、約5分の1程度に減少していますが、都市部など需要が集中するエリアでは、まだ保育園が十分に足りている状況ではありません。個人でできることとしては、情報を正しく把握することで入れる保育園が見つかる可能性は確実に広がります。何となく不安を抱えるのではなく、まずは状況の把握と分析から「保活」に取り組んでいきましょう。